―――12―――
「ありがとうございました」
「いえいえ、頑張ってくださいね」
受付で受付さんと別れ、魔法職ギルド前の広場に出てきた。
さて、今日はこれからどうしようか……。
ギルドで依頼を受けるか、草原で魔物を倒すか、森まで行ってみるか。
う~ん……とりあえず、ギルドで草原や森でできそうな依頼を探してみようかな。
草原や森に行くのはそれからでも遅くないだろう。
そう思い、冒険者ギルドへと足を進める。
ギルドの依頼は基本的に壁に貼り付けてある。
その依頼の内容を一通り見たところ、今の自分にできそうな依頼はこれくらいだった。
・ウルフ10匹の討伐
・ラビット10匹の討伐
・ホーク5匹の討伐
・回復草5個の納品
・栄養草3個の納品
これらの依頼で指定されている討伐数や納品数は最低数であるらしい。
期間は討伐が3日、薬草は2日となっている。
さらに薬草に関しては品質制限もあるようだ。
薬草は場所を知らないし、ウルフとラビットの討伐を受けておこうかな。
ホークは倒せるかどうか分からないし、薬草は最低数を採取できたらその時に受けてもいいだろう。
ちなみにその他にも納品系の依頼があり、内容はウルフの牙等の町周辺の魔物から取得できるドロップ品や、ポーション系のアイテムの納品等であった。
ウルフの牙等の通常の魔物のドロップ品ならば数が集まってから受けてもいいが、少しだけだが依頼してあるレアドロップ品は納品はしたくないな。
あとポーション系の依頼は……材料が分からないし、作成する為のスキルも取得していない。
材料の方は、多分あの回復草がHP回復ポーションの材料なのだろうとは思ってので、もしどこかで大量に採れたならばスキルを取得して作ってみてもいいかもしれない。
装備スキルに空きは無いけど、作成時だけスキルをセットして他の時は戻しておけばいいのだし大丈夫か。
そうすれば、それをメインにしている人にはかなわないだろうけど自分で使う分くらいは作成して、ポーション代が節約できるかもしれないし。
まあ、回復草の採取できる場所すら知らないので、考えるのは採取できたからかな。
今日はとりあえず、ウルフとラビットの討伐を受けて草原と森で狩りをしよう。
「すいません、ウルフとラビットの討伐を受けたいのですが」
「わかりました。ギルドカードをお貸しください」
「ありがとうございます。それでは処理しますね。少々お待ちください」
「はい」
ギルドカードを渡して、待ち時間に少しヘルプを読んでいた。
「お待たせしました。今回が初めての討伐依頼ですね。少しご説明させて頂きます」
「はい、お願いします」
どうやら初依頼時には説明されるようだ。
もしかしたら納品依頼の時にも説明があるのだろうか?
いや、そんなことより説明に集中しないと。
先程の説明は大体このような内容だった。
・記載されている討伐数は最低数。
・記載されている数を超えて討伐しても報酬は加算されていく。
・あまりに多くなった場合は報酬の上限もある。(これはあまり起こることが無いと説明された)
・依頼を受けてからの討伐数が対象で、過去に討伐したものは含まれない。
・ギルドカードに現在の討伐数が表示される。
・今回の依頼の期間は3日間。
「これで説明を終わります。初依頼頑張ってください!」
「わかりました。ご説明ありがとうございます。頑張ってきます」
説明が終わったので、一旦ギルドから出て、広場のベンチへ移動した。
試しにギルドカードを見てみるとウルフとラビットの表示があり、横に0と表示されている。
どうやら、討伐数をいちいち数えておく必要は無いようだ。
これは便利な機能だな。
ただ、ちょっと気になったのだけど、討伐依頼を多く受けた場合表示はどうなるのだろうか?
スクロール表示にでもなるのだろうか?
まあ、そんな機会あまりないだろうから今は置いておこう。
さて、これから草原に出て狩りをしようと思うのだけど、その前に現状の確認をしておこう。
確認する内容は、ステータスとスキル、装備、ポーションなどのアイテム、従魔だ。
草原に出るのが遅くならないように、早速始めてしまおう。
まず、ステータスの確認だ。
種族:ヒューマン
名称:ユウ
筋力 :15
生命力:15
器用さ:16+4
素早さ:15
魔力 :18+4
精神力:15
知力 :15+10
メインスキル:
魔法銃:5、支援魔法:1、従魔魔法:1
サブスキル:
MP強化:5、魔力強化:5、器用さ強化:5、鑑定:3、識別:3
控えスキル:
加護:
神のギフト・従魔魔法、神のギフト・支援魔法、神のギフト・魔法銃
称号:
おや?
ステータスがプラスされてる?
確か前回見た時には。プラスは無かったような気がする。
アイテムの効果だろうか?
そう思い、アイテムを一旦すべて外してマジックポーチにしまった後、改めてステータスを確認してみたがプラスの数値に変化はなかった。
う~ん……なぜだろう?
器用さと魔力はサブスキルの影響かもしれないけど、知力のサブスキルは取得していないし……。
今はちょっと分からないな。
とりあえず、一時的なものかもしれないし、また後で確認しよう。
それと、前回は気が付かなかったが、実は2ページ目以降があったようだ。
加護は2ページ目、称号は3ページ目に表示されていた。
次はスキルを確認しておく。
新しい技能の習得や新しいスキルの追加等があるかもしれないからね。
そう思いスキル画面を開いたのだが、衝撃の事実に気が付いてしまった……。
従魔魔法以外の技能を使った覚えが無い……完全に忘れていたのだ。
……今日からは使っていこう!
残念なことが判明したが、スキルの確認を続行する。
すると、従魔魔法のキャパシティの確認を行えることを発見した。
キャパシティは……4!
まあ、初めはこんなものだと思う。
使用可能な技能に関しても確認をしておく。
従魔魔法は昨日学んだが、他の2つはまだ確認していないからね。
魔法銃はチャージとダブルショットが、支援魔法はエンチャント・アタックとエンチャント・マジックが使えるようだ。
名前から大体予想できるけど、今日の狩りで確認してみよう。
それと、念のため従魔魔法の技能も確認しておく。
本登録が完了したことで技能が増えたりするかもと思ったが、そんなことは無く説明を受けた技能だけであった。
そして、取得できるスキルが増えていないか確認してみたが増えていないようだった。
なので、所持しているスキルポイントに関して今は保留だ。
次は装備の確認だ。
全ての装備を鑑定を使用して確認してみるが。特に変わったところは無い。
耐久力も減っていなかったし問題はないだろう。
次にポーション類の確認だ。
昨日購入したHP回復ポーションの数を確認してみたが、もう少し準備しておきたいな。
あとは、MP回復ポーションも、念の為に持っておきたいな。
そう思い、ギルドへポーションを購入に向かう。
MP回復ポーションは5000サカフィもするらしく、さらに品薄状態で1人に数個しか売れないようだ。
その為、MP回復ポーションは諦め、HP回復ポーションを5個追加で購入しておいた。
最後に従魔の確認だ。
現在ある魔石はラッキーラビットとアクセラレーションホークの魔石で、空白のカードは1枚しかない。
ここは空の魔物の対策として、アクセラレーションホークの魔石を充填しておくことにした。
従魔魔法ギルドで聞いていた通り、5個目を充填したところでホークの魔物カードが出来上がった。
よし、これで空の対策を取れるようになった。
町の外に出たらさっそくホークを召喚してみよう。
確認も完了した為、依頼を行うべく南門へと向かった。
20150111:修正
誤字を修正しました。