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従魔使いのベアリアスワールド・オンライン  作者: 雪結晶
1章 - 始まりの町と初めての従魔
11/202

―――11―――

 翌日の昼過ぎ。

 姉さんは今日、昨日会わなかった友達とも時間を合わせて6人でPTを組むようだ。

 僕はこのゲームをしている知り合いはいないので、昼食を食べ終えて少し経過したこの時間にしてみた。

 夜の時間も少し入るように調整しているので、今日は夜の魔物も見てみたいと思っている。

 昨日は夜には森はもう出ていたし、草原は魔物がほとんどいなくて夜の魔物が見えなかったので、夜の魔物を見ていないからね。

 それじゃあ、ログイン!

 

 

 

 周囲を見てみると、昨日より人が減っているように感じる。

 場所は昨日ログアウトしたギルドが見える広場だ。

 まあ、昨日は開始日だから特別多かったのだろう。

 さて、今日はとりあえず魔法職ギルドへ行き。本登録を行う予定だ。

 その後は本登録が終わってから考えよう。

 

 早速魔法職ギルドに入り、従魔魔法の受付の方を見てみた。

 うん、やっぱり人がいない。

 いや、偶々の可能性も……。

 そんなことを考えながら受付へ向かっていく。

 受付には人が並んでいなかったので、早速受付さんに声をかける。

 

「すいません、ユウと申します。本登録へ来ました」

 

「はい、伺っております。まず、ギルドカードをお貸しいただけますでしょうか?」

 

「はい」

 

「ありがとうございました。カードをお返し致しますね。これで本登録は完了となります」

 

 カードを渡し、何か少し作業をしたかと思うと、すぐにカードが返却された。

 情報を追加するだけだから短いのだろうか?

 いや、昨日作業を進めておくと言っていた。

 ならば作業をしていてくれたからこそ、早く完了したのだろう

 ありがたいことだ。

 

「ありがとうございます。改めてよろしくお願い致します」

 

「こちらこそよろしくお願い致します。それとですね、本登録されたことで従魔魔法についての講義を行うことができるのですが、どうされますか?絶対受けなければいけないものでは無いのですが、私としてはできる限り受けることをお勧めします」

 

 おお、これが本登録の特典の1つだろうか?

 従魔魔法について教えてもらえるのなら受けておきたい。

 それに、お勧めされているなら尚更だ。

 

「お願いします」

 

「承りました。お受けいただき、ありがとうございます。それでは少々お待ちください」

 

 そう言うと、受付の人は奥へと入っていった。

 少し待っていると、受付の人ともう1人、別の人がやって来た。

 もう1人の人が講義を行ってくれるのだろうか?

 

「それでは講義実施場所へ向かいます。ついて来て頂けますか?」

 

「はい」

 

 どうやら講義を担当するのは受付さんだったようだ。

 もう1人の人はその間、受付を交代する人だったか。

 これは失礼なことを考えてしまった。

 歩き出した受付さんについて行く。

 少し歩き到着したのは昨日の訓練場だった。

 

「本日の講義は前回の物より少し進んだ物となります。前回は基本の従魔魔法についてでした」

 

「はい」

 

「今回は従魔に関する基礎知識となります。初めは従魔魔法の制限などについてです」

 

 今日は従魔魔法の基礎を教えてもらえるようだ。

 そして、制限か。

 昨日の内容でも少しだけ制限についてあったけど、あれとは別なのだろうか?

 

「まず、従魔の書を取り出してください」

 

「はい」

 

 指示に従い、メニューから従魔の書を出現させる。

 

「次に最後のページを開いてください。そのページにカードが1枚収まっていると思います」

 

 最後のページを開いてみると確かにカードが1枚収まっていた。

 ここに魔物カードをセットした覚えはないのだけど、元々セットしてあったカードだろうか?

 

「そのカードは魂のカードと呼ばれています。従魔は従魔の魂が魔物カードを使用して召喚されます。その従魔の魂が未召喚状態で待機している状態がそのカードです」

 

 ということは、魔物カード別にAIがあるのではなくて、従魔の魂の方にAIがあるのか。

 

「その為、従魔魔法での召喚数の限度はその魂のカードの枚数までとなっております。また、魂の数は従魔魔法を極めて行くと増えていくことが確認されています」

 

 ここで召喚数制限か。

 まあ、召喚数制限はあるとは思ってたけどね。

 

 

 

「次に従魔の召喚コストです。コストは従魔を召喚する際に必ず覚えておかなければなりません。魔物カードを1枚出してみてください」

 

「はい」

 

 従魔の書から昨日作成したウルフのカードを取り出す。

 

「カードの裏側にステータスが記載されていますね?コストは記載されていますか?」

 

 裏面を見てみるが、登録者くらいしか記載されていない。

 スキルレベルが足りないのだろうか?

 

「いいえ、記載されていません」

 

「分かりました。従魔魔法を極めて行きますと魔物カードのステータスがより多く見えるようになるのです。その中にコストというものが存在します。コストは各魔物カードで違い強いカードほど高く、弱いカードほど低い傾向があります。勿論その限りではありません」

 

 コストか、ということは召喚上限コスト的なステータスがどこかに設定されているのだろうか?

 

「また、従者側にもキャパシティが存在しているとされています。キャパシティとはコストを受け入れる受け皿と思ってください。キャパシティを超えるコストを持った魔物カードは召喚することができません」

 

 やはりあったか。

 しかし、そのキャパシティはどこで確認するのだろうか?

 あとで調べてみよう。

 

「ですが、キャパシティさえ超えることが無ければ魂の数を上限として魔物カードを召喚することが可能です。キャパシティも従魔魔法を極めて行くことで増えていくことが確認されています」

 

 つまり、最初は弱い魔物しか召喚できないということか。

 良い縛りだと思うけど、弱いときに頑張って強い魔物カードを手に入れて召喚するというロマンが打ち砕かれてしまった……。

 

 

 

「次に魔物カードの進化についてご説明します。魔物カードは一定以上経験を積むと進化をすることがあります。進化すると新たなスキルを得たりステータスが大幅に上がったりすることもあり、一気に強力になります」

 

 ここで進化がくるのか!

 とても楽しみです。

 

「また、進化の際に条件がある可能性があります。同じ種類の魔物カードでもある人は進化できたが、別の人は同じ経験を積んでも進化しないということも発生しております。このことより進化には条件があるのではと考えております」

 

 まあ、登録に条件があるのなら進化にあっても不思議じゃないか。

 うん、頑張ろう。

 

 

 

「最後に召喚の際の魂の選択についてです。召喚する際に2人以上の従魔の魂が存在する場合は選択して召喚することが可能です。その際は呪文に魂の選択を付け加える必要があります」

 

 呪文に関してはシステムが勝手に行ってくれているので、実際はメニューから召喚する時に選択できるのだろう。

 

「なぜ選択するかと言いますと、魂もステータスを持っておりまして、従魔として召喚した際に、従魔の魂のステータスが従魔に影響を与えます」

 

 ステータスがあるのか。

 つまり、従魔の魂と魔物カードの相性も大切だということか。

 

「また、魂も経験により強くなります。魂が強くなるとステータスが上がる他に使用できるスキル等に差が出てきます。さらに魔物の種類別に熟練度があるようで熟練度によって動きや使用できるスキル等に差が出てきます。その為、従魔を召喚する際にも現状で適した魂を召喚したほうがより強く召喚が可能になります」

 

 熟練度まであるのか。

 熟練度はAIがその魔物に慣れて強くなるのか、ステータスとして熟練度があるのかどちらなのだろう?

 まあ、従魔の魂毎に、できる限り同じ種類の魔物カードで召喚することにしようかな。

 例えばウルフを召喚するなら従魔の魂A、ラビットを召喚するなら従魔の魂Bを優先するような感じだ。

 これならばAIが慣れる場合でも、ステータスとして熟練度がある場合でも大丈夫だろう。

 うん、そうしよう。

 

 

 

「以上で今回の講義を終了させていただきます。これで現状で当ギルドがお伝え可能なことは全てお伝えしました。後の可能性については各々で探究していただくようお願い致します」

 

 いい情報だった。

 そして、全て伝えたということは、従魔魔法のチュートリアルは終了ですよということだろう。

 あとは言葉の通り、プレイヤー達で探究していくしかないのだろう。

 うん、楽しみだ!

 

「それでは受付まで戻りましょう」

20140904:修正

例えば狼を召喚するなら従魔の魂A、兎を召喚するなら従魔の魂Bを優先するような感じだ。

例えばウルフを召喚するなら従魔の魂A、ラビットを召喚するなら従魔の魂Bを優先するような感じだ。


20140819:修正

字下げをするように修正しました。


20140815:大幅修正

見直しも兼ねて、大幅に修正を行いました。

表現だけでなく、内容まで変更した箇所に関しましては、今現在1~18話のものをまとめて作成しておりますので、少々お待ちください。

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