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―――100―――

 おお!

 草原です!

 広いです!

 町の外はこんなにも広々としているのですね。

 遠くには森も見えます。

 でも、ここからは魔物も出るのです!

 だけど安心ですよ!

 

「それでは、護衛お願いします」

 

「はい、任せてください」

 

 今日は護衛してもらっています。

 チュートリアルのように兎さんにボコボコにされることなんてないんです!

 

 おや、狼さんが消えて、鳥さんが出てきました。

 工房で教えてもらった知識ですが、この鳥さんはホークと言う名前だったはず。

 彼女は色々持っているのですね。

 

「ホークまで持っているのですね」

 

「ゴーレムもありますよ。核だけ……」

 

 ゴーレム!

 ゴーレム?

 ……ウッドゴーレム!

 確か西の森でウッドゴーレムが出現するはずです。

 多分そのゴーレムですね。

 

 でも、核だけですか?

 

「核だけ?」

 

「召喚できるのはゴーレムの核の部分だけなのです。体は自分で作らないといけないようで……」

 

 戦闘職も色々と大変なのですね。

 

「そうなのですか。体は作らないのですか?」

 

「金属が足りません」

 

 ……。

 

「お返しした方が良いですか?」

 

「いえ、それは依頼に必要な物です。その必要はありません。それに、ゴーレムにはまだ用事があるのでそのうち集まりますよ」

 

 良かったです!

 返してしまっては、自分で材料を集めることはほぼ無理ですからね!

 それにしても、あの金属はゴーレムからドロップするのですか。

 あれ?

 ウッドゴーレムから金属?

 まあ、後から調べましょう。

 

「そうですか、分かりました」

 

「それでは出発しましょうか。まずはどこを目指せばいいでしょうか?」

 

 大丈夫です!

 場所は調べてきました!

 

「まずは真っ直ぐ北へ進み、遠くに見える森へお願いします。森に入った後も真っ直ぐ奥へ進んでいけば、黒い壁が遮る場所に辿り着くようなので、そこを目指します」

 

「分かりました」

 

 さあ、行きましょう!

 

 

 

 白黒ではありませんが牛さんがいます!

 まだこちらには気づいていないようですが、どうするのでしょうか?

 

 

 

「ゆゆゆ、ユウさん、来ましたよ!」

 

「分かっていますよ。落ち着いてください。それと、危ないので少し離れていてください」

 

 落ち着けませんよ!

 あの大きな牛さんがこちらへ突進してきているのですよ!?

 

 

 

「や、やりましたね!」

 

 あっという間に突進してくる牛さんを倒してしまいました。

 戦闘職になるにはこれ位できなければいけないのでしょうか?

 そうだとしたら、やはり私には無理だったようです。

 

「さあ、剥ぎ取りに行きましょうか」

 

「はい!」

 

 剥ぎ取りです!

 何がドロップするのでしょうか?

 楽しみです!

 

「ところで、もしかしてチュートリアル以外での戦闘は初めてですか?」

 

「よく分かりましたね。その通りです」

 

 なぜバレてしまったのだろう。

 まあ、その通りです!

 

 

 

「剥ぎ取りますか?」

 

「いいのですか!?」

 

 チュートリアル以外での初剥ぎ取りです!

 チュートリアルではお肉だったので友達に上げましたが、今回は何でしょうか?

 でも、初剥ぎ取りなので良い物が良いですね!

 

「で、では、行きますね」

 

 ……。

 酷いですよ……。

 初剥ぎ取りに心躍らせているところに、何も出ないなんて……。

 お肉くらい出てくれてもいいじゃないですか……。

 

「まあ、こんなこともありますよ」

 

「うう……」

 

「まあ、条件ドロップかもしれませんよ? そうだとしたら出なくてもしょうがないですよ」

 

 そうなのかな?

 いや、いつも町の外で戦っているだろう彼女が言うのだ、その通りのはず!

 

「そ、そうですよね!」

 

「さあ、先へ進みましょう」

 

 

 

「うう……どうみても通常ドロップじゃないですか……」

 

 あれからお肉とかすっごいドロップしてるじゃないですか……。

 そして、今回は皮まで……。

 

 うう、チュートリアル以外での私の初剥ぎ取りは低確率で何もドロップ無し……。

 

「悲しんでいるところ申し訳ないのですが、先程よこのパーティが3体相手にしていましたので、そろそろ武器を出して頂いてもいいですか?」

 

「え?」

 

 武器?

 

「3体までなら大丈夫ですが、4体以上になるとそちらに魔物が行ってしまうかもしれません。その場合に備えて武器を出していて頂きたいのですが?」

 

「武器なんて持っていませんよ?」

 

「え?」

 

「だって、私は武器、魔法スキルを1つ取得していないので、持っていても意味が無いですから」

 

 戦闘センスが全くない私がそんなスキルを取得しても意味が無いですからね!

 多分魔法も味方に当ててしまいます!

 そして、スキルが無いので武器は装備できないです!

 

「そうでしたか。確かに、最初は生産を補助するスキルを優先しなければいけませんからね。ですがこの先、生産職でも魔物と戦う場面があるかもしれないので、1個は攻撃スキルの取得も考えてもいいかもしれませんね。勿論、生産系だけを取得していくのも一つの道だとは思いますが」

 

 そ、そうなのだろうか?

 でも、確かにずっとあの町から出ないわけにもいかないのかな?

 

「確かにその通りですね……少し考え直してみようと思います。ありがとうございます」

 

 うん、考えてみよう。

 生産職と言っても、素材を取りに行くことがあるかもしれないし、何か自分だけで行かないといけない場所もあるかもしれない。

 そうだとしたら、前もって何かを身につけておいた方が良い。

 運動音痴だとしても、戦闘センスが無かったとしても、何かあるかもしれない。

 それに、私はここで何もできていない。

 いくら護衛をお願いしたからって何もできないのは申し訳ない。

 よく考えてみたら、回復魔法や支援魔法ならば私でもできたはずなのだ。

 

「親方に相談するのもいいかもしれませんね」

 

「もう聞きましたよ。そうしたら、自分の道は自分で決めろ、と言われました」

 

 そう、親方に私でも使えそうな武器は無いかと聞いたら、そう言われたよ!

 でも、その通りだよね?

 

「そうでしたか。それならば、自分で考えるべきですね。では、進みましょうか」

 

「分かりました。う~ん……」

 

 これはよく考えないと……。

 間違えたから次とはいかない。

 スキルポイントは生産に必要な物に使いたい。

 だから、できるだけ間違えるわけには……。

 

 

 

「お疲れ様です。もう片方は剥ぎ取っておきました」

 

 これくらいはしないとね!

 それにしても。

 

「お肉が多いですね。私としては、もう少し皮が欲しいのですが……」

 

 そう、友達が欲しがっていたの!

 買えないほど高い訳じゃあないけど、やはり練習用に欲しいみたい。

 それを考えると鍛冶は溶かし直して練習ができるからいいね!

 

「そうですね。まあ、良い物だからドロップ率が低いのだとは思いますけど」

 

「まあ、私は皮革加工のスキルを持っていないのでいいのですが、友達が欲しがっていたようなので多いほうが嬉しいな、と思いまして」

 

 いつもお世話になっているからね!

 

「そうでしたか。お優しいのですね」

 

 え!?

 

「そんなことありませんよ。物々交換です!」

 

 恥ずかしくて、ついこんなことを言ってしまったよ!

 私は優しくなんかないと思うよ!

 でも、物々交換は有りかもしれない。

 私の残りサカフィはそれほどに寂しいのです。

 

「さあ、たくさん集める為に進みましょう!

 

 たくさん集めれば喜んでもらえる上に、私の残りサカフィも増えるからね!

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