神に等しく神でない者
「神……様?」
近くの公園にきた美月は目を丸くして言った。
「神では無いニャー、神に等しく神でない者、お前らの言葉で近いのは……妖怪、かニャ」
「妖怪……」
美月の口が飽きっぱなしだ、てか
「妖怪だったの!?」
「? 言って無かったかニャ」
そう言いながら目は美月だけを捉えている。
美月は少し戸惑った様子で
「なんですか……」
「調べてるんだニャー」
「どうなんだ?」
そう言うと琴花は俺の方を向き、首を傾げて
「さっぱりだニャ」
そう言った。
「とりあえずそのドッペルゲンガー本体を見てみたいニャ、出せ」
「出せとか言われてもなー」
「なんだ、まだ捕まえてすら無いのかニャ……」
「なんかすいません」
「まあいいニャ、とりあえずお前の家に行かせろ」
琴花が指を指したのは俺だった。
「俺ですか」
「そうニャ、お前の家に住むニャー」
「…………」
「…………」
俺と美月は沈黙した。
「どうしたニャ? 速く案内するニャ」
「住む……?」
「そうだニャ、お前とずっと一緒にいるニャー」
「いや、ドッペルゲンガーの対象は美月の方なんだけど……」
琴花は首を傾げて
「そんな事わかってるニャ」
「じゃあなんで俺と……?」
「お前がタイプだからニャ、気に入ったニャー」
「……何したの」
久しぶりに美月が口を開いた、ジト目が怖い。
「何もしてねぇよ」
「速く行くニャー」
「……わかったよ」
「私も行く」
美月は琴花を睨んでいる、睨まれて無いのに怖いくらいだ。
「ニャー」
琴花はそんな美月の視線に気づいておらず、あくびをしていた。
「ここがお前の家かー」
「久しぶりに入る」
「みんな出かけてるのか」
琴花は家に入るなり四足歩行に
なった。
「二足は疲れるニャー、さて」
琴花は俺たちの方を向いて。
「美月……だったかニャ、こっちに来るニャ」
「はい」
俺も琴花について行こうとした、しかし
「なんで来るんだニャ、変態かニャ」
何故か琴花に怒られた。
「なんで変態になるんだよ」
「今からするのは触診ニャ、それでもついて来るのかニャ?」
「あ……それは……」
正直ついて行きたいけどそれは男として……
「……変態」
美月にまで言われてしまった。