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音娘神社

それから数日、俺たちの前にドッペルゲンガーは現れなかった。

そんなある日俺が散歩していると一匹の野良猫が近くの神社から飛び出してきた。

俺はふと神社の方を見た。

にゃー、みゃー、にゃー、にゃー。

「猫だらけだな」

俺はそう言いながら神社に入って行った。

普段はあまり神頼み等しない俺が神社に入ったのはこの前クラスで聞いた噂のせいだろう。

十円玉を放り投げて手を合わせる。

「ドッペルゲンガーをどうにかしてくれ」

我ながら単純かつ意味不明な願いである。

ドッペルゲンガーでここの神はわかるだろうか、少し簡単すぎたかもしれない。

「えっと……幼馴染に瓜二つの……」

「ドッペルゲンガーぐらい知ってるニャ」

「……ニャ?」

たぶんツッコム所を間違えた、声のした方、上を見ると猫耳の生えた女の子が堂々と立っていた。

「馬鹿にするニャー」

そう言いながら少女はジャンプして華麗に着地した。

下りてきた少女は銀色の長髪から猫耳、着物の穴が空いた部分から二本の尻尾、まるで猫のようだった。

「で、ドッペルゲンガーがどうしたんだニャ?」

「…………」

「どうしたニャ?」

少女が緑色のつぶらな瞳で俺を覗き込んできた。

「え、えっと……誰ですか?」

少女はため息をついて

「お前が願ったから来てやったのにそれは無いニャ」

「願ったから……きた?」

少女はふくよかな胸をはって。

「この音娘神社に祀られている

猫又、琴花(きんか)でいいにゃ」

「…………」

唖然としている俺の顔に琴花の顔が近づいた。

「なかなかタイプだニャー、お前の頼み、条件によっては聞いてもいいニャ」

「え……あ……」

戸惑っている俺にイタズラな顔で琴花は続けた。

「とりあえずその幼馴染とやらに合わせるニャ」

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