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渡神社
「何処言ってたの?」
「友達と出かけてた」
「そう、もう少しで夕ご飯だから」
「わかった」
半年前、両親が離婚するとき、私はお父さんに着いて行くつもりだった。
家事をしていたのはお父さんで母親と接する事はほとんど無い。
だから母親は私の事を何も知らない、多助が幼馴染だということも、彼に好意を抱いている事も知らない。
そんな時、私はある噂を耳にした。
動物が沢山集まる神社には神が降りたっていて、ご利益がある、そんな噂。
多助と出かけた時にみた神社にはカラスが沢山集まっていた。
翌日、私の足は自然とその神社に向かっていた。
渡神社、祀られている神の名前は見えなかった、私はお賽銭を入れて神に祈った。
神社を出ようとした時、上空から黒い物がこっちに向かって来た。
私は反応できずに立ち尽くしていた、その間にも黒い物は私に近づいて来て…………