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一目惚れ


社交界のローズ。

それは「サイヴァージ国の社交界一美しい」という比喩。

本来ならば1人につく異名なのだが、1人に絞ることなんて誰にもできず、その人達はこう呼ばれてた。



『社交界のローズ一家』と。



家族全員美しく聡明である、と言われており、


「ローズ一家」の末の娘は特に秀でており、美しいのは勿論のこと、




全てにおいて完璧、


出来ないことは何もない、


神は二物を与えた。




と称されている。

 




私達サルビア公爵家は、大きな領地の管理を任せられている、古くから伝わる由緒正しい家柄。といっても、


一つの点を除いたら他の貴族達と同じような、なんら変わりのない家庭である。






..........否、



もしかしたら他の貴族達よりも家族仲が良すぎるかもしれない。



お父様【スノーク・サルビア】、お母様【ラン・サルビア】は、(お母様の実家は【トアリス】公爵家。サルビア公爵家と同じくらいの力を持つ)世間的には政略結婚である。


2人は実は、昔から密かに両想いであったらしい。


しかしお母様の両親は厳しく、「恋愛結婚なんてできない」と諦めていた所、政略的に良いと、トアリス公爵夫妻に魅入られ、結婚することができた。(本人達は『運命なんだ』と譲らないが。)


想いが通じ合った時は、こんなに広大な領地にも関わらず、全領民の皆さんを招き、大きなパーティを開いたらしいわ。



お姉様【ユリ・サルビア】は、活発な性格をしており、小さい頃、ある侯爵家の御子息と喧嘩をして、泣かせてしまい、すごく怒られたんだとか。(その時の怒ったお父様とお母様の顔はすごく怖かったらしいわ......。)



こんな感じで、両親仲も非常に良く、(私達の前でもイチャイチャしだすのよ...。)お姉様ともすごく仲良しで、たくさん愛されて育ってきたわ。



そんな私達家族は、「社交界のローズ一家」なんて呼ばれ方をしているの。


確かに、お父様とお母様、お姉様は同じ人間とは思えないほど美しいわ。


だから、この呼ばれ方はとても家族として誇らしいのだけれど.......


会う方々皆様、私の事も「社交界のローズだ」「あなたほど完璧な女性は見たことがない」と仰るのよ。


んー、顔は整ってる方だと思うけれど、私は完璧ではないし、お父様やお母様、お姉様に比べるとどうしても過大評価にしか聞こえないのよね...。


気を遣わなくてもいいのだけれど、貴族社会はそうはいかないものね。


お世辞から早く逃れるため、毎回、笑顔でお礼を言いながらカーテシーをする。


顔を上げてみると、相手はみんな顔を赤くするほど怒ったのかそっぽ向いて、すぐ立ち去って行っちゃうの。


なんか怒らせてしまってるみたいで....。


そんなにカーテシー下手かしら??

いや、しっかり幼少期から叩き込まれてるはずなのだけれどねー.....。


それとも笑顔が怖いのかしら??


これも幼少期から.....って、まぁ、すぐに話を終わらせられて楽だからいいけれどね。



そんな私【ベラ・サルビア】は、幼少期はお姉様と正反対な「内気なお淑やかな子」だとよく言われていたわ。


けれど、6,7歳になるともう言われなくなっていって、お茶会では、お姉様に似て「活発で強気な性格」だとよく言われるようになっていたわね。


でも、完全にお姉様に似たわけでもないのよ。


お姉様は、お茶会とか、社交の場はあまり好きではなかったけれど、私は、ダンスするのも楽しかったし、皆さんと会話するのもすごく好きだったわ。


たしかに、腹の探り合いみたいな会話もあったけれど、みんな必死なんだとわかって、少し安心してたところもあるの。



なんでかって?






最初の方に言ったでしょ?









私達サルビア公爵家は、









「『一つの点を除いたら』他の貴族達と同じような、なんら変わりのない家庭である。」ってね。


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