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ある雨の日の、私たち  作者: コトノハ
1/1

1・姉の交流

読みずらい部分があるかもしれません。


 お姉ちゃんが亡くなってから、3日が経った。その間、私はずっと警察の方と話をしていた。


_3日前

『お姉さんが殺害された理由に、心当たりはあるかな?』

『…ありません』

『そうなんだね。では、お姉さんはどんな人だったのかな?』

『…優しい人でした。』

『そっか。2人で暮らしてたんだよね?ご両親はどうしたのかな?連絡が取れないんだ』

『…知りません』

『…今日はここまでにしようか。』

『……』

『さあ、もう帰っていいよ』



_2日前

『君やお姉さんの友人からの話を聞く限りだと、とても優しい人だったんだね。人から恨まれるようなことはしていないようだったよ』

『…そうですか』

『だれか、君のお姉さんと関わりの深い人はいたかな?』

『…はい』

『誰かな』

『……』

『ゆっくりでいいよ。それとも思い出せないかな?』

『…また、今度でもいいですか』

『…いいよ。じゃあ、今日はもうおしまい。帰って大丈夫だよ』



_1日前

『さて、じゃあ昨日言ってた人たちの話を聞いてもいいかい?』

『…数人、います』


 1人目、加賀義信かがよしのぶ。彼は姉の仕事場での先輩にあたる。年齢にたいした差はないが、入社時期が早かったこともあり、姉は「加賀先輩」と呼んでいた。

 2人目、今井花いまいはな。彼女は姉の中学時代からの友人だ。姉とは違って、好奇心旺盛で活発な女性だ。以前会った時、とても親切にしてもらった覚えがある。

 3人目、広河未来ひろかわみらい。彼とは何度もあったことがある。おそらく姉と交際をしていた。妹の私にも優しくしてくれて、姉のことをとても大事に思っていた。


『…と、主に3人です。』

『3人か…。主にってことは他にもいるってこと?』

『…交流をしていた人は、他にもいると思います。私が特に覚えている人はこの3人だけです。』

『そっか。ありがとね。丁寧にまとまってて分かりやすかったよ。また呼ぶかもしれないけど、よろしくね』



 

 そして今日も警察の方から呼ばれていた。


「…まだ、何かあるんですか」

「今日は、ちょっとお話しようかと思って」

「…特に話すことなんてないですよ」

「まぁまぁ、そんな事言わないで」

「…なんですか?」

「協力したいなーって」

「は?」

「探そうとしてるんでしょ?犯人」

「まぁ、」

「だから、協力するよ」

「からかってるんですか?」

「え?なんで?」

「唯一の姉を殺された惨めな私を、からかってるんですか?」

「えー…どうしてそうなるのかな」


「ただ協力したいだけなのに…」と、小さな声で言った、警察のお兄さん。分かってる。ただの八つ当たりだって。お兄さんを見れば、からかってないってことくらいはすぐに分かる。でも、今の私には全部が嫌味に聞こえる。さっきの「協力したい」という言葉も、「(どうせ誰も頼れる人がいないんだろう。可哀想だから)協力したい」と感じ取ってしまった。本当に、嫌な奴になってしまった。お姉ちゃんが死んでから、私はずっとこんな調子だ。


「ちょっと?聞いてる?」

「聞いてないです」

「……」

「今日はもう、帰ります」

「え、あぁ、気をつけて」

「では」

「ほんとう、何かあったら協力するから言ってね」

「……失礼します」


 警視庁を出て見上げた空は、3日前よりは曇ってなかった。


 家に帰ろうとした時、誰かとぶつかった。


「あっ、すみません」

「こちらこそすみません…って、あなた、朱里あかりちゃん?」


 そこには、姉の中学時代からの友人、今井花さんが目を大きく開けてこちらを見ていた。


主人公

羽田朱里はねだあかり


加賀義信かがよしのぶ


今井花いまいはな


広河未来ひろかわみらい

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