弟に、そんなに似てますか?
「君にこの花束を贈ろう。」
という言葉と共に、
前の扉から突然20人ぐらい人が入ってきた。
全員15、6歳ぐらいに見える。
私の同級生だろうか?
と、思ったが見たことない顔ばかりだ。
そのうちの黒髪の男子に大きな花束を差し出される。
さっき言ってた花束ってこれか?
どういうこと?あなたたち誰ですか??
「は?」
驚きすぎて空いた口から音が漏れる。
えーっと?今は体育祭の片付け中で、私は1人で多目的室にダンボールを取りに来たところだった。はずだ。だが目の前の色とりどりの花束を前に行動が停止する。
しかも皆さんニコニコ笑っている。何が面白いんだろう。
ちなみに、私は全く笑えていない自信がある。
口が中途半端に空いていてとてもダサい顔してると思う。
そしてどうしてこうなったんだろう?んん??
混乱しすぎて思考も固まった私をみて、花束を持ってる人の右側の人が口を開いた。
「とりあえず受け取れよ。」
すると花束を持ってる人が
「はいどうぞ。」
と私の手に花束を押し付けた。
「あぁ、はい。ありがとうございます…?」
あーいつもの癖で受け取ってしまった。
渡されたものはとりあえず全部受け取っちゃうんだよねー。
しかもこの人押し付け方丁寧か。
いや、そうじゃない。その前にもっと大切なことがある。
「えーっと…
あなたたち、誰ですか?」
うん。これだ。私たちには情報のすり合わせが必要だと思う。
この人たちはいったい誰なんだろうか。
なかなか重要なポイントだと思うんだよね!
ただし20人ほどの方々は、
「は?」「えっ……?」「ん?」
と花束を渡された頃の私のような顔になっている。
え、知らない人ですよね?皆さん初対面だと思うんですけどね…?
ん?あーもしかして…?誰だか知らないこの人たちは、
「…お前カイト·ルーアだよな…?」
「私はケイト·ルーアですっ!カイトは弟!」
「え、ウソだろ…!?」
「嘘じゃない!」
やっぱり、双子の弟と私を間違えている。