第7話 混乱と取引と旅立ち・前編
「現在主人公は混乱している」とテロップが流れそうな回です。少しテンション少女化や野生的な食事文などが出ますが、楽しく読んでみてください。(;´∀`)
:場所:死者の森内の崖底:主人公視点:
さて、蜥蜴の怪物の解体採取を再開してから数時間が経過しすっかりと周囲は
薄暗くなり夜へとなっていた。
(思いのほか蜥蜴の怪物の解体採取に夢中になりすぎて、すっかり太陽が沈ん
で夜になったけど、昼間程ではないけど、しっかりと周辺を見渡せているな。
もしかして小説とかでよくある『暗視』ではないだろうか?)
と自分は何故暗い夜の中、周辺を昼間と余り変わらずに見渡す事が出来るのか、
考えようとするが他にやりたいことがあったのでこの事は保留することにする。
(とりあえず今は獣除けの焚火を用意しないとな、どこかに燃やす物とかがあれ
ば良いのだが)
と自分はそう考えた後、何か燃えそうな物が無いか辺りを見渡して見る、そこら
十に乾燥した枝や枯草などが落ちており。焚火には必要な資材であり燃料だ。
なので自分は乾燥した枝や枯草を集めようと拾い始めたところでふっと気が付く。
(あ、そう言えば自分、火を付ける道具持ってないな、うーむ・・・腰鞄に火を
付ける道具類無いか探して見るか、もしかしたらキャンプ用に入れてあるかも知れ
ないし)
とそこまで考えた自分は腰鞄を開き、火を付ける道具が無いか探してみると腰鞄
の中から細長い金属の板が張り付けられた手の平サイズの木の板と黒灰色の四角い
石が出てきた。
(何だこれ?、金属が張り付けられた木の板と加工したような黒灰色の石?・・・
もしかして『火打石』かこれ?だとするとこの金属が張り付けられた木の板は
発火用の道具かな?、試してみるか)
と自分は腰鞄から出てきた金属が張り付けられた木の板に火打石と思われる石を
素早くこすった瞬間に火花が飛び散る。
(間違いなく、この石は火打石で間違いないな、これで火を付ける道具は確保した
し早速乾燥した枝や枯草を集めるか)
と火を付ける道具を確保したので自分は乾燥した枝や枯草を集めを再開する。そして
しばらくして、乾燥した枝や枯草を結構な量が集まったので自分は焚火の準備に取り
掛かる。
(まず、乾燥した枝を円状になるように組み立ててたら、枯草を円の中央にまとめる
ように配置したら、焚火の完成だ)
と自分は組み立て終えた焚火を見下ろす。
(始めてやったけど、まずまずの完成度だ。後は火を付ければきちんと辺りを明るく
照らして、獣除けとして機能してくれるだろう、ではさっそく)
と自分は完成した焚火の感想を脳内に浮かべつつ、焚火の中央に置かれた枯草の近く
で、カチカチと火打石を金属にぶつけるようにこすって火花を散らして枯草に引火
させる。枯草からはもくもくと黒い煙が上がり始める、そして数十秒も経たない内に
焚火の中央に置かれた枯草は激しく燃え上がって行くと乾燥した枝へと炎が燃え広がり
周辺を明るく照らしていく。
「オオオー!燃エル燃エル、行キ良イヨク燃エテルナァ!」
と自分は激しく燃えて広がる焚火の光景を楽しそうな表情で眺めながら、燃える焚火
の感想を声に出して呟く。
(おっと、いかんいかん、余りにも激しく燃える光景が楽しくて、ついつい声を
出して呟いてしまった。しかし自分自身で用意して燃やした焚火を見ただけでこんな
にもウキウキしてしまうとは。もしかして自分の精神は影響を受けて居るのか?自分
の外見相応に・・・)
と自分は激しく燃える焚火をウキウキとした感情で楽しんでいる自分に若干戸惑い、
自分の精神が幼体化しているのではないかと真剣に考えだすが、すぐにその考えを
脳内から追い出す。
(あー・・・うん、ここで考えても結論は出ないし、考えるだけ無駄か。とりあ
えずは焚火の前に座ってのんびりと夜明けを待つか)
と決めた後、自分は激しく燃え上がっている焚火の近くに座り、しばらくの間何
も考えずに焚火を眺めて居るとふと自分は思い出す。
(そう言えば、蜥蜴の肉って弾力感ある鶏肉の味がするんだっけ?)
とそこまで思い出したところで自分の視線が解体採取した蜥蜴の怪物の死体に視線
が移る。
(ふむ、改めて見てみると蜥蜴の怪物の肉って何か歯応えありそうで旨そうだよなぁ
・・・ちょっと試しに食べてみようかなぁ)
と自分は蜥蜴の怪物の死体を見ていると何故か衝動的な食欲が沸き蜥蜴の怪物の肉を
食べてみたくなったので、自分は地面から立ち上がり蜥蜴の怪物の死体まで移動した
ところで氷結の刺剣を使って死体から肉を削いで取り出し、そのまま血塗れの肉を
躊躇せずに食べ始める。
(・・・ふむ美味い、鶏肉に似た味でありながら食べた食感が固めの米国産の牛肉
のような弾力感なので噛めば噛むほど肉から旨味が出て来る、けど少し硬いかな)
と蜥蜴の怪物の食感を味わいつつ、自身の身体から溢れて来る衝動的な食欲に少し
だけ疑問を抱くが、それ以上に衝動的な食欲が勝って居たこともあり。自分自身
から溢れ出る衝動的な食欲が完全に収まった時には既に蜥蜴の怪物の足一本分の
肉を平らげていた。
(・・・あれ?、いつの間にこんなに食べたんだ?確か、蜥蜴の怪物を見ていたら
今日に衝動的な食欲が感じたと思ったらいつの間にか足一本分の肉を食べていた。
一体これはどう言う事なんだろうか?・・・いや待てよ、何か身体から感じていた
痛みが治まってるなぁ?一体何が・・・)
と自分は衝動的な食欲が沸いて、蜥蜴の怪物の足一本分の肉を食べたの考えようと
したところで自身の身体からの痛みが治まっている事に気が付き自分の身体を
見てみると、身体中に出来ていた傷が綺麗に治っていた。
(はぁ??何で傷が治ってるんだ?どう考えても数週間は経たないと治らない傷
だったはず、これは一体・・・そう言えば額の縫い傷はどうなっているか?)
と自分は何故か治っている傷に困惑しつつ、自分の顔にあった額の縫い傷がどう
なっているのか気になったので自分は手で触って確認するが、感触的に額の縫い傷
はくっきりと分かるくらい残っているようだ。
(額の縫い傷だけは残っているのか・・・どういう判定何だろうか?てかよくよく
考えて見ればあの量の食べたのに肉体には何の変化が無いようなぁ、まるで胃の中
で食べた物が消滅して、どこかに吸収されたような・・・)
と自分は額の縫い傷だけが治ってないことにどんな意味があるのかと少しだけ考え
ようとするが、あれだけの肉を食べたにも関わらずに自身の体型が変化してない事
に気が付き、色々と推測してみるが。
(うーん、駄目だ!分からないことが多すぎて何から推測したらいいのか・・・
しかもだ、あまり気にしないようにしたけど、今の自分が青白い肌で額に縫い傷の
ある少女の姿、しかも予測だがアンデットになっている事の時点で困惑しているの
に蜥蜴の怪物やら先ほどの衝動的な食欲や綺麗に治った傷やらとあと自分が持って
いる氷結の刺剣とか四次元腰鞄とか色々と前世の常識が歪む事ばかりで)
と体型が変化しないことを推測しだしたことがトリガーとなっただろう、自分は今
まで考えることを後回しにした出来事を再度認識するように思いだし、今まで抑え
ていた現状に対する不安や不満などの感情を脳内で爆発してしまいしばらくの間
脳内でこれからどうなるのかどう生きて行けば良いのか、何故自分はこんな事に
なってしまっているのかと脳内で文句を吐き続ける。そんなふうに自分は夜を過ご
して居ると。
「あーの、すみませんーそこに居る、ヒューマンの灰色の髪の少女ちゃん?」
と背後から気の弱そうな青年男性ような声が聞こえて来る。自分は脳内で文句を
吐き続けていたので突如聞こえて来た声に驚き自分は行き良いよく背後を向いて
みるとそこには。
と続きの次回は来週になります。それではまたー。