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その日、オレは夢を見た。

白い空間の真ん中で金の髪の少女を抱いて泣いている夢。オレは今とは違う灰色の髪色をして薄汚れた茶色のマント(ところどころ焦げている)を着ていた。コートのしたに何も着ていない変態おっさんのそれと同じようだったと思うが、その中の空気がとてもシリアスなもので静かにことが進むのをみていかなければならない気がした。金の髪の少女はこと切れる寸前にも関わらずとても嬉しそうな表情をしていた。


「私ね、ずっとこうしてもらいたかった」


「……わかってると思うけど最後にもう一度だけ言っておきたいから言うね」


「私はあなたのことが好き……大好きなの」


「答えをずっと求めてたけど……いいわ」


「だって……答えてくれたら死ねなくなっちゃう」


「だから、いつもみたいに優しく頭を撫でて。そうしたら私は心残りなしで逝けるの」


「……今日まで傍にいてくれてありがとう」


少女----姫は静かに息を引き取った。オレは優しく微笑むが涙がとまらない。言葉にできなかった想いたちを言葉にする。


「私も好きですよ、姫」


オレは姫を抱き上げて歩を進めた。


「初めてあったときから私はあなたに感謝の言葉しかありませんでした」


「それが例え仕組まれた出会いだとしても、私は優しく純粋なあなたを守れて幸せでした。ですが、最後の最期で守れなかった」


「あなたに酷いこともしてしまった」


外へ出て見晴らしのいい崖の上に姫を寝かせ穴を掘った。


「あなたは私に名前と居場所をくださったのに……」


その穴の中に柩に入った姫を入れる。そして大理石で作られた墓石をその穴の向こう側に置く。そうした後で穴を埋め、唄うために咲いた金盞花を土の上に乗せた。


「待っていてください。私ももうじきそちらへ逝きます」


「そうしたら今度こそ想いを伝えましょう」


夢はここで終わる。


この夢を見た日は大抵何かが起こる。祖父母が死んだ日、実家の旅館がなくなった日、両親が死んだ日、高校の合格発表がされた日--------。


さて、今日は何があるのだろうか。

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