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第1話 「出逢い」

俺は夏菅(かすが) 瑞稀(みずき)。野球が大好きだ。

でも自信がない。訳は、幼稚園のとき泣いてまで一緒にいたいと思った友達とは電話もしないし、

小学校のときずっと親友と言い合ってきた友達ですら会っていない。

だから、一度別れが来たらもう終わりなんだと思ってた。いずれ別れが来てきっと忘れてしまう。


小学校の頃ずっとやってた野球。その頃は男子に混じって野球をしてたから問題なかった。

でも中学校は女子校だ。野球部なんてある訳がない。もう野球は出来ないんだと諦めかけてた。

部活見学が始まった。この学校は全員が部活に参加しなくてはいけない。

だから、適当に体を動かせられる部活にも入ろうかな、と思った。スポーツは好きだからね、元々。

今日は火曜日、クラスメートに部活見学に一緒に行こうと誘われている。

そいつの名は萱嶋樹(かやしまいつき)。クラスの皆から親しまれてる。

俺がボーっとしてるとそばに来る。でもすぐに他の奴に名前呼ばれて行っちまうけどな。

クラスから俺は嫌われてるみたいだし。

俺が話しかけると走って逃げる奴もいるし。ぶっ倒れちまう奴もいる。

そんな俺でも、話しかけてくれる。こいつはな。


「夏菅さん、部活見学一緒に行こう。」


 敬語で話しかけられると少し気味が悪い。


「瑞稀でいいよ。そっちの方が良い。俺は樹って呼ぶからさ。」


俺にとっては呼び捨てが日常だったからな。まわり男子ばっかだったし。


「は、はい。えっと、夏菅君でも良いですか?」


また敬語。・・・君?


「え?ま、まぁ良いけど。・・敬語じゃなくてタメでいいよ。」


「うん。」


なんか、顔が赤い気が・・・。まぁ気のせいか?


「部活見学行くか、文化部?運動部?」


俺は運動部行きたいけどさ。


「運動部。」


「あ、あぁ。どこから回る?」


少しびびった。こんな可愛い顔してる奴が運動部か。なら、テニス部あたりが妥当かな。


「テニス部行っても良い?」


ビンゴ。


「良いよ。じゃあグランドな。」


「うん!」


夏菅君な、やっぱ男扱いかぁ。まぁ良いけどさ。樹と話しているのは心地が良い。

何事も深く追求しない。面倒くさくない。そう思ってる間にグラウンドに到着だ。


「あれ・・・野球?」


グランドのすみでグローブ持ってキャッチボールしている奴ら。


「テニス部の他にソフトボールもやってるらしいよ。夏菅君!」


なんかいきなり元気になったな、こいつ。・・・ソフトボール?

聞いたことはあるが全く縁のない競技だ。でも野球と同じ事をしている。

違うのは、ボールの大きさと塁間・ピッチャーの投げ方くらいだと聞いた。

でもテニスコートでやってる。しかも1面。そんなに金がねーのか。この学校は。


「樹、テニス部見てていいよ。俺、ソフトボール部見てるからさ。」


「うん。」


俺はグラウンドの隅に移動する。さっきと同じでキャッチボールをしている。

『ナイスキャッチ』『ナイススロー』などと声が聞こえる。野球が懐かしい。

この競技は野球とさほど変わらない。この部活に入るか?などと考えていたその瞬間、声を掛けられた。


「体験する?ソフトボール。」


この部活の人らしい。


「え?あっはい。」


とにかくやってみようと思った。俺がやりたい野球とどう違うのか。かなり興味がある。


「じゃあグランド入っておいで。」


声は女子って雰囲気ではない。容姿もどっちかと言うとボーイッシュだ。流石野球に似たスポーツだな。


「右利き?左利き?」


「右利きです。」


「ん、グローブ。」


少し小さいグローブを渡された。

体育などで使われているらしい、何故か番号が書いてある『10』。俺の出席番号だ。


「じゃあ軽くストレッチやってキャッチボールでもするか。」


「はい。」


腕、足などの筋を伸ばす。軽く走って筋トレ。いつも自分がやっているほどやらなかったが量としては充分だ。


「お前名前なんてんだ?」


「夏菅瑞稀です。」


「夏菅・・・ね。ソフト部入るの?」


「一応考えてはいます。」


人数は少ない。でも動けるのなら良い。ただ・・・野球とは違う。どうしようか?


「うちの部、毎年人数少ないからなぁ。中高合わせて20人くらいしかいない。

 是非入ってくれよ、夏菅。あっ、俺は三浦(みうら)(りつ)。三浦先輩でも律先輩でも呼んでくれよ。」


笑った。凄い素敵な笑顔だった。入りたい、野球とは違うけど入ってもいい気がした。


「はい、律先輩!是非、第一希望にさせていただきます!」


「おう!んじゃキャッチボールでもするか!」


「はい!」


心から喜んでしまった。


これから、この部活でどんなストーリーがあるのかは俺も知らない。

でもきっと楽しい。きっと。


ここまで読んでくださって、有難うございます。

これからも続きを書いていきたいと思います。

どうか、完結まで付き合ってください。

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