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貴族同盟の夏休み  作者: dodongadondon
序章 はじまり
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序章 第九話

や、やっぱりだ 俺の体に何か起きている

長さ2メートル太さは女性のウエストほどもある丸太を

いとも簡単に振り回せてしまう怪力

彼の握力は70ほどと同年代の平均より大分高いが

それでも軽く200キロはあるだろう丸太を振り回すなんてできない

通常なら持ち上げる事すらできないだろう

これだけの質量で殴られれば

どんな化け物でも吹き飛ぶのは当然である


(家元)だ、だいじょぶですか?ぺカルさんーー


家元は倒れているぺカルに近づく ぺカルは両手から大量の出血をしていた

あきらかに意識も、朦朧としていて 目もうつろである

ぺカルは家元に気づくと 涙目で訴えた


(ぺカル)た、助けて


(家元)だいじょぶ 助けますよ 一緒に帰りましょう


家元の返事を聞くとぺカルは安心したのかそのまま気を失ってしまった


(家元)速く止血しないと このままじゃ命が危ない


家元は医師ではないが止血の方法等は地元の講習会とかで習っている

自らの衣服の袖を破り それで応急手当をしようとしたその時


ーーグルルルルルーー


巨大キツネは起き上がり首を左右にふっていた


まるで(良いパンチもらっちまったぜ)と言わんばかりだ


家元はすぐに丸太をかつぎ 臨戦態勢を整える

巨大キツネは家元を(強敵)と認識したのか

ひたり、ひたりと少しずつ歩みを進める

前足を前方に構えいつでも攻撃ができるかのようにしている

お互いの距離が2メートルほどになった刹那


--ふんっーー


家元が仕掛ける

丸太を横振りに大きく振り回す

巨大キツネはバックステップしてそれを難なくかわす

一蹴りで3メートルは飛んだだろうか?物凄い跳躍力である


(家元)なんて脚力だ、、3メートルあったら一瞬で間を詰められるのか、、、


家元は頭から血の気が失せていくのを感じた

一瞬でも気を抜けば自分の首が飛ぶ

圧倒的な力量差をもつ捕食者の前に 自らの謎の筋力増加など

たいした意味が無かった事を思い知らされる


--ぶーんーー


家元は仕掛け続ける とにかく3メートル以内に入られたら終わり

丸太が当たるか否か ギリギリのところで横ぶりに振り回す

だが家元は大きな勘違いをしていた


(巨大キツネの跳躍が3メートルだと誰が言ったのだろうか?)


その(憶測)が危険だと認識したときには 巨大キツネはこちらに背中を向けていた すると突然大ジャンプをしてとびかかってきた


(家元)マズイ!!


彼の柔道家としての勘が死を予感させた

彼はとっさに丸太を離し目いっぱいバックステップをする


ーーシャッーー


空気が割れるような音がした

家元は空中でのけぞりながら

仰向けに倒れる


とっさに離した丸太は真っ二つに割れた 飛び込んで前足で切り裂いたのである


ーーーマズイマズイマズイマズイーーー


家元はあせっていた 額から冷や汗が大量に出て 呼吸も荒くなっていた 速く体制を整えないとあっという間に食われてしまう

すぐさま起き上がると 巨大キツネの方を見た


---がしっがしっーー


キツネは木々にどうやら前足が挟まってしまったようだ 家元の丸太を切断したあと そばにあった大木に刺さってしまったらしい ぐいぐいとキツネは前足を引っ張っている

家元はその様子を見るとすぐさま山道横の5メートルはある土壁にジャンプする

家元の跳躍力はすさまじく 土壁の中段およそ3メートルほどのとこまで 飛びついた

家元は伸びていた蔦につかまるとそのまま土壁を登っていく


(このままじゃ無理だ 何か武器を探さないと)


土壁を登りきるとあたりを物色しはじめた

蔦、きのこ、村の者が置いたと思われる石灯篭

小枝 めぼしいものは見当たらない


これは、、、


何か大きな動物?と思われるものの死骸を見つけた

死後かなり経っているようで 骨格だけになっている

骨の一本を手に取ると長さは2,5メートルほどだろうか?

ちょうど槍術の稽古をしていた時の槍と同じくらいの長さだ


(これは使えるかもしれない)


----一方そのころーーーー


(ぺカル)ここは、、


ぺカルは目を覚ました 腕がずきずきと痛む

うっすらと見上げると誰かが腕に包帯を巻いていた


(ぺカル)あなたは


そう言うや否や 何者かはぺカルの口をふさぐ

そして耳元まで顔を近づけると小声で


(謎の青年)

静かに 神薙ぎイタチは(音)に反応します

鼻はそれほどきかないので 音を出さなければまず見つかりません

腕の止血は終わりました 隙を見て里まで連れていきます


ーーのっし のっしーーー


あたりをうろつく 神薙ぎイタチの足音が聞こえる

謎の青年は茂みに身を伏せて息を殺す


(ぺカル)うわああああああ


ぺカルは恐怖に耐えかねたのか 猛然と走り出した

だが大量の出血をしているぺカルの足取りは重く

5~6歩走ると貧血でそのまま倒れてしまう


ーーーぐおおおーーーー


神薙ぎイタチは大声で吠える

そのままぺカルに向かって食らいつこうとしたその時


ーーバカッーー


鈍い音があたりに響く

崖から飛び降りた家元が骨の棒で思い切り神薙ぎイタチの頭部を強打する

不意打ちを受けた神薙ぎイタチはそのまま地面にたたきつけられる


(家元)さあ 第二ラウンド開始ですよ( ゜Д゜)


第十話につづく




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