序章 第七話
----村の門前、追い詰められたぺカルーーーー
4,5人の里の者がぺカルを取り囲む
(追跡者)放て!
そういうと 里の者達は左手から光る(何か?)を放つ
光る何かはぺカルの両手、肩、腰などに当たり
そのまま強力な粘着性で張り付く
(ぺカル)な、なんだこれ?
強力な粘着性で張り付いた光る何かをロープのように里の者たちはたぐりよせ ぺカルを四方から拘束をしようとする
ぺカルは両手を抑えられ身動きがとれない
(ぺカル)クソ、、はなせえええ
ぺカルが腕を振り回すとそのままぺカルを拘束していた里の者を
振り回してしまう
(追跡者)うわああ
里の者たちはそのまま吹き飛ばされ 壁や石垣などにたたきつけられてしまう
ぺカルは上着を脱ぎ 光る何かを体からはずすと
そのまま村の門に向けてかけぬけていく
村の門は5メートルはあるだろうか? 巨大な木製の垂直な壁になっている
壁に使われている丸太はとても太く
とても人間の力で破壊できそうな代物ではなかった
村の巨大門には通用口のようなものがあり
当然だが頑丈な閂がかけられている
そして閂には鉄製と思われる錠前がかけられており
カギが無ければ開けれそうには無かった
(ぺカル)クソ― ここまでかよ!!
ぺカルが後ろを振り返ると 里の者の追手がせまっている
ぺカルは半ばやけくそに 閂を蹴り破ろうとする
(ぺカル)クソ、折れろ折れろ!
がんがんがんがん べきっ
男性の胴回りほどありそうな太さの閂が鈍い音を立てて折れる
理屈はわからないが 亀裂でも入っていたのだろうか?
そのままぺカルは扉を渾身の力で蹴りぬく
ばーん
閂が外れた扉はそのまま前方に吹き飛ぶ
目の前に現れた人一人分のスキマに ぺカルは体をねじ込んで突破を試みる
ぺカルは扉を抜けて 目の前に広がる森に逃げ込んだ
(ぺカル)や、やった森だ
森ならうまく撒くこともできるかもしれない
後ろをちらりと振り返ると追手が数名来ていた
ぺカルは更に全力で森に向かって走りぬくのであった
(追跡者)待て、逃がすか
里の者が追おうとすると 他の追跡者が制止する
(追跡者の長)
待て 今、森は狂獣警報が出ている
一旦追跡は中止し、里長に状況を報告するべきだ
伊佐はいるか?
そう里の追跡者が言うと一人の青年が現れた
(青年)はッ ここに
伊佐と言われた青年は腰を折り軽く頭を下げた
(追跡者の長) ヤツを追跡しろ だが追跡するだけでいい
戦闘や捕獲などは禁止だ
常に離れず監視体制で追跡しろ
(伊佐と呼ばれた青年)御意
伊佐と呼ばれた青年はそういうとそのまま森に向かった
(ぺカル)はっはっはっ
ぜーぜー ま、まだ追ってきてんのか?
ぺカルが後ろを振り返ると追っ手は見えない
撒いたのだろうか? とりあえず逃げ切る?ことに成功したようだ
はーはー、と、とりあえず喉が渇いた、、、
川とか無いかな?
食料も確保しないと
あ、後は地理だな てか群馬だよな?ここ 車道に出ればタクシー呼べそうだけど
とりあえず あのイカレ連中は警察になんとかしてもらわないと
そんなことをブツブツ言いながらぺカルは森を歩いていく
ーーーギャーーーー
なにかしらの生き物の甲高い鳴き声がひびく
よく見るとキツネ?のような生物がこちらを見ている
(ぺカル)は?なんだこいつ 僕とやろうっての?
腹減ってきたし晩飯にしちゃうよ?
そう言いながらぺカルは(キツネ?)ににじりよる
するとキツネは突然前足を上げ2足歩行になる
そのままぺカルに向かって右手?を振り回してきた
シャッ
(ぺカル)うわっ あぶね
キツネの右手?がぺカルのズボンをかすめる
ズボンは鋭利な刃物で切られたようにスパッと切れてしまった
それを見たぺカルはゾッとして青ざめる
(ぺカル)な、なんだコイツ
キツネの脅威を感じたぺカルは一気にキツネまで間を詰めてキツネを蹴り飛ばす
サッカーボールのように蹴り飛ばされたキツネは土壁に激突する
そのままぐたりと倒れこみ動かなくなった
(ぺカル)はっ バカなやつ 僕を甘く見るからだ
近くにあった枯れ木を拾うと キツネにトドメを刺そうと近寄るぺカル
ーーペタッ ペタッ --
何者かの足音がする
ぺカルは捕食者として 狩った獲物を始末しようとする
そして足音の主は わが子を救おうと
息子を狙う(捕食者)を夜のおかずにしようとする
ーーガオオオオオーー
地響きのようなうなり声を上げると
子供の親は ぺカルの前に立ちはだかるのであった
第八話につづく