序章 第六話
----村の神社にてーーーー
家元たち9人は村の神社に集められた
両手はキツク縄で縛られ 腰にも縄を巻かれている
腰縄は前を歩くものに結ばれて 迂闊に逃げ出せないようにされている
9人はいわゆる数珠繋ぎの状態で神社中央に集められた
神社を囲うように槍を持った男女が 20人弱
にらみをきかせている
中央に居る ひげの老人が口を開く
(ひげの老人)
来訪者の諸君 私が里長の服部六郎だ
まず手荒な真似をしてすまないと侘びておこう
だが我々の里はちと(敵)が多いのだ、、
六郎はあごひげをなでまわしながら 口をへのじに結び
怪訝な表情をうかべていた
(ひげの老人)単刀直入に聞く 貴殿たちは何者じゃ?
その言葉に対して家元が答える
(家元)私たちはただの観光客です
その言葉を聞くや否や 里の青年が声をはりあげる
(里の青年)ウソをつくな ウソを
里の青年は大声でいきりたち 今にも家元につかみかかりそうな勢いである
(六郎)まあ待て五作殿
だが、観光に 我々の里にくるなど 申し訳ないがありえぬとしか言えぬ
我々の里は(隠れ里)で外部から来ることは基本できぬ作りになっておる
里の周りは絶壁で 唯一の陸路の森への道は
何重もの巨大な壁でふさいでおるからの
観光と言うのならどうやってここに来たのじゃ?
六郎はひげをなでながら首をかしげたずねてくる
(家元)私たちは宿舎で寝て朝起きたらここに居たのです
そういうや否やまた(五作)と呼ばれてた青年がいきりたって声をはりあげる
(五作)まだウソをつくか!! もう許せぬ
五作はそういうと腰の刀に手をかける
近くにいた仲間にとりおさえられるが 制止しなければ
そのまま家元に切りかかっていたであろう
(長髪の男)まあ、でも一理はありますぞ 五作殿
そう五作に語り掛けたのは齢50程度だろうか?
長髪で他と比べると不健康そうな体つきの男である 他の人々と比べると 知性的な目をしており 服装も魔法使いのようなローブに身を包んでいる
(長髪の男) 彼らが居た建物は見た事の無い材質でできておりました
加工技術もとても高く とても我が国では生産できるようなものではありません
やはり(伊邪那岐)の再来と見るのが、、、
(六郎)うーむ
六郎はぽりぽりとほほをかき
どうしたものか?と困り果てた表情をうかべる
すると
ーーーー逃げたぞー 追え 逃がすな― ----
突然里のものたちの怒声がひびく
よく見ると 座敷牢の面々の誰かが居ない 一番後ろでつながれてた者の縄が切れている
そう ぺカルが居ない
どうやって縄を解いたのだろうか? 隙を見て逃げ出したようだ
----ぺカル逃走中ーーーー
(ぺカル)じょーだんじゃないよ
あんなわけわかんない連中に付き合ってられるかっての
ドッキリじゃないって事はテロリストかわかんないけど
マトモな連中じゃないわけでしょ
ズラーたちには申し訳ないけど 逃げ切ったら警察くらい呼んであげるからね
もし殺されちゃったらそれは不可抗力ってやつで
そんな事をブツブツ言いながらぺカルは脱兎のごとく逃げる
過去様々なユーチューブのイベントで縄抜けの講師を招いたことがあり
その時に教わった技術がまさか役にたつなんて
ぺカルは運動神経は抜群で足の速さも自信があった
何より彼らは(武装)しているのでそんなに早くは移動できないだろうと思っていた
だが村はとても狭く あっという間に袋小路に追い詰められてしまう
里のものたちも武装してるとは思えないほどの
物凄い速度であっという間に追いついてきた
第7話に続く( ゜Д゜)