第四十五話 交易~前橋 競売
(弥太郎の部下) 弥太郎さま~ 明智様遊郭に入られましたあ
弥太郎の部下の丁稚と思われる 少年がかけあしで 弥太郎の元に走ってきた
どうやら明智の後をつけさせてたようだ
(弥太郎)おお そうか では競売始めるとしようぞ
競売が明智の目につくと また難癖つけられることを懸念して
家元達は弥太郎の蔵に隠れ 目立たないようにしていた
辺りは 夕暮れにさしかかっていたが 弥太郎が競売の声をあげると
沢山の人が集まってきた
(弥太郎)じゃあ 早速 掘り出し物から売っちゃおう
弥太郎はそういうと 神薙ぎの槍を取り出した
キラリと光る美しい刀身に 異常なほどの細さ 弥太郎はかなづちを取り出すと
刀身を軽く叩いて見せた
ギイン
鈍い音がしたが まるで金棒か寺の大鐘のようにビクともしない
細いだけじゃない とんでもない強度も 観客を魅了した
おおおおおおお これはすごい
観客たちがざわざわと騒ぎ出す その様子を見た弥太郎が
(弥太郎)じゃあ ちょっと時間無いので早速いきますよ 100貫から
150!
200!
250!
どんどん 手があがる 競売なので最も高い値をつけたものの買い取りになる
ただごとではなさそうな騒ぎを聞きつけた人たちが どんどん競売所に集まってくる
(弥太郎)さあ 250 他いないか? 現品限りこれ一個だけだよ!
300!
500だ!こんちくしょー
500の声が上がると 場内がおおお~っとどよめく 伊佐や篝も興奮気味である
(伊佐)800はほしい もうちょい頼む、、、
伊佐はそう言いながら両手で拝むように祈る 里全員の生活費がかかっているので
ある意味必死なのだろう
700!
いや850だくそー
また場内がおおおーっとどよめく そしてその値段を聞くや否や
(伊佐)よし! よおし!!
伊佐がこぶしを握り締めてガッツポーズをしていた
隣に居た篝も 興奮しながら伊佐の背中をたたく
(篝)よし いいよ! これで生きていける 里のみんなも喜ぶよ
彼らが安堵の声をあげてると
900!!
おおおおお~とまた場内がどよめく
外から足早にかけつけてきた 商人風の男が急に入札に参加してきた
くそ~950 もうこれ以上は無理
1000だ!
どんどん加熱する入札 商人風の男はまだまだ 余裕があるのか 矢継ぎ早に入札していく
1200!
またどこからか 今度は公家のような烏帽子をかぶった男が入札してきた
場の熱気は最高潮に膨れ上がり あちこちでどよめきが止まらなかった
伊佐と篝はあまりの出来事にあわあわと 開いた口がふさがらず ぼうぜんとしていた
が、そんな二人の事は気にもかけず
1400!
いや1500でどうだ
どんどん加熱する 競売そしてついに
2000!!!!
商人風の男が一気に値を上げた
他の参加者も流石に 沈黙を守る
(弥太郎)2000でた 2050いないか? 特別に2010でもいいぞ?
通常のルールでは50ずつあげるのだが 状況が状況だけに弥太郎が煽っている
が、流石に誰一人声は上がらなかった
(弥太郎)2000で落札!!
そう言うと競売場の鐘を弥太郎が鳴らす 弥太郎は商人風の男にその槍を渡すと
その場で2000貫の現金を受け取っていた
(伊佐)に、2000、、、
伊佐はフラフラとたちくらみのようにしりもちをついてしまった
家元達はその価値がイマイチよくわかってなかったが
狂獣討伐でもらったお金が150貫なのを考えると 相当凄いのだろうと印象は受けた
弥太郎は他にも競売品があるようだが 一時中断して 伊佐の元にかけよってきた
(弥太郎)ほら もっていきな 早くしないとまたあの野郎がきちまうといけねえ
そう言うと弥太郎は伊佐に2000貫入った布袋を渡した
(伊佐)あ、え、えと手数料 そ、相場いくらでしたっけ?
いつも冷静な伊佐があたふたしている 流石に動揺を隠せないようだ
(弥太郎)いいっていいってもっていきな 一本盗まれてんだ 残念賞ってことで
(伊佐)で、でも そうはいきません
(弥太郎)いいから 行けって こっちは忙しいんだ!
弥太郎は邪魔だと言わんばかりに伊佐を突き飛ばした
そしてにやりと笑うと足早にそのまま競売場の方にかけていった
(篝)弥太さんの心意気を無下にするんじゃないよ ホラ行こう伊佐
そう言うと足早に一行は競売場を後にした
第四十六話につづく




