第四十四話 交易~前橋 明智
(伊佐)明智、、光秀
伊佐は目つきの悪い男をにらむと そう言い放った
(目つきの悪い男 明智光秀)
おいおい 様が抜けてるぞ?小僧 服部の里は教育もロクにできてないのか?
そういうと篝がすぐさま 二人の間に割って入って
(篝)すいません 明智様 まだこの子は元服したばかりでして
ほら 伊佐
篝はそう言うと伊佐の頭に手をやり お辞儀をするように促した
(伊佐)明智、、様 ご無礼申しわけありません
伊佐は気持ちを押し殺すように 目線を下にやり 会釈をする
(明智)そうそう それでいいんだよ お前とわしじゃ 人としての価値が違うのだからな?
明智はそういうと 伊佐の頭をぐしゃぐしゃとかき混ぜるように 手で揉みしだいた
(明智)おや?これは?
明智は狂獣の槍に気づくと 丹念に調べだした
(明智)これは 素晴らしい槍じゃないか 殿への献上品ってことかな?
(伊佐)な、 何を言って
そう言った伊佐を制して篝が 話を続ける
(篝)そうでございます 明智様 我々の傑作神薙ぎイタチの細槍でございます
篝はにこにこと満面の笑みで 明智に話かけながら 左手を伊佐の背中にまわすと
伊佐の背中に文字を書いていた
ここは まかせなさい
伊佐は篝の手文字を理解すると 一歩引いてうつむいた
明智は満面の笑みで うっとりと細槍を眺めていた
(明智)これは 素晴らしい 殿は確実にお喜びになるだろう
生意気な服部の忍者衆もいい仕事するじゃないか? まあいいだろう
今回は 好きに商いをしていくがいいぞ?
篝は頭を深く下げると 深々とお辞儀をした
隣に居た伊佐にも お辞儀をするように促す 近くに居なかった家元達は状況を察して
よそ見をして 関係性の無いような ふるまいをしていた
篝の対応が功を奏したのか 明智は上機嫌で 槍を片手に雑踏に消えていった
(伊佐)篝さん あの槍は苦しい財政を立て直す為に 苦肉の策で売却する予定でしたのに
(篝)まあ もう一本あるからいいじゃないか
そう言うと篝は 伊佐にウインクしてみせた
(弥太郎)おおう もう一本あるのかね それはよかった
弥太郎がそう言うと篝が
(篝)家元さん 馬車に槍があるので もってきてくれませんか?
刀身は布で隠してもってきて
(家元)あ、はい
篝たちは面が割れているので また見つかったらとられてしまうのを懸念したのだろう
運搬役を頼まれた家元達は 馬車に足早に向かっていった
第四十五話につづく




