第四十二話 交易~蛇
ぱっか ぱっか
あいかわらずのどかな蹄の音がこだまする
漁村の親子はロクに食事もとってなかったようで 伊佐が干し柿を手渡していた
(漁村の父親)あ、ありがとう 本当に助かります
伊佐が渡した干し柿と 竹筒 竹筒は水筒になっているようで 男はごくごくと飲み干した
(漁村の父親)はあー生き返る 本当に感謝します
娘たちも同じように食事をいただき 満足感のある笑みをうかべていた
(伊佐)で、何に襲われたのですか? もしかして蛇ですかね?
(漁村の父親)そ、そうです 巨大な蛇で 妻はあっという間に 噛みつかれて
下半身だけ残して食いちぎられて、、、他の村民もひどい有様で 地獄絵図でした
私は隙を見て娘たちを連れて逃げ出したのです
(伊佐)蛇か、、、
伊佐はそう言うとうーんと うなだれて考え込んだ
すると御者席から顔を出して篝が
(篝)残りの村民とか助けに行くかい?
そう言うと 漁村の男が
(漁村の男)いや めっそうもない 我々は丸三日かけてここまできたのです
今更戻ったところで 誰一人生き残ってやしないです ましてや もしアイツがいたら
皆さんまで殺されてしまいます
(あかね)そんなやつ おじさんがやっつけれるんじゃないの?
あかねはそう言うとちらっと家元を見た
すると伊佐が
(伊佐)いや、蛇はおそらく我々がたばになってかかっても無理です
もし僕が知ってる蛇ならそいつは狂獣です
4匹の中でも最強の狂獣 とんでもない化け物です
(あかね)そ、そんな強いんだ ひえ~
(漁村の男)退治するなんてとんでもない あれは軍隊でもいないと太刀打ちできない化け物です
素人目にもわかります 神話級の化け物です
そう言うと男はブルブルと震えだした
(伊佐)とりあえずヤツは活動範囲は極端に狭いはずです
何故漁村が襲われたのかはわかりませんが 仮に漁村を根城にしてるのなら
しばらくそこからは動かないでしょう ただ我々が想定してた区域より大分移動してたのは
気になりますね
(あかね)漁師のおじさんは 新しい街 着いたらどうすんの?
そうあかねが尋ねると
(漁村の男)あ、いやまだ何も考えてないです 足も折れてますし どうしましょうか?
なんか売れるものがあればまだいいのですが
ホント何も持ってこれなかったですからなあ
男はごそごそと服の色々なところを探すが ゴミ一つ無いようだ
(長髪の女性)お父さんダイジョブよ お金はイザとなったら私がなんとかするから
(漁村の男)お、お前何言ってんだ その年齢で女手で家族3人養うなんてマトモな仕事じゃ無理だろう
(長髪の女性)そ、そのくらいは覚悟の上よ
長髪の女性は神妙な面持ちで そう男に言う この世界、この時代ではまだ女性に
そこまでの権利や権限はないのだろうか?
戦国時代のような基準なら女は、、、
(あかね)これ
あかねはそう言うと 布袋を男に手渡した
(家元)あー姫様それはー( ゜Д゜)
家元からふんだくった銭袋である
(あかね)町にいったら 服とか買おうと思ってたけどおじさんにあげる
まだ100貫くらい入ってるから 治療費や生活費の足しにはなるはず
(漁村の男)と、とんでもない こんなのもらえないです
しかもこんな大金 見たことも無い金額です
男はおそれおおいと言わんばかりにあかねにお金を返そうとする だが頑としてあかねは受け取らない
(家元)はあーーー 姫様はもう言い出したら神様でも止めれないので受け取ってくださいな
家元はがっくりとうなだれると どうぞと男に両手を差し出した
(漁村の男)し、信じられない なんてお礼を言っていいか
必ず 必ずいつかお返しします
そう言うと男は何度も何度もあかねに頭を下げた 同じく娘たちも何度も何度も
あかねはいやいやーいいんですよと言いながら あたまをかいていた
(シャイ子)いやー ド変態はマスターだけかと思ったら姪っ子の方がイカレテたんですねえ( ゜Д゜)
(あかね)ひっど どういう意味?
(シャイ子)ほめてるんですよう?( ゜Д゜)
家元は生気を失ったまま 全身の力が抜けていた
クロは家元の懐に入っていたが顔を上げて
(クロ)マスター魂抜けてますニャ?
(家元)抜けてますにゃ( ゜Д゜)
第四十三話につづく




