第三十二話 煮沸
(クロ)にゃふつ?( ゜Д゜)
(家元)あ、いやしゃふつです( ゜Д゜)煮沸
家元はクロに井戸水を煮沸して飲料水にしていることを説明していた
だが一向に理解しない
(クロ)なんであっためる必要があるにゃ?( ゜Д゜)
(家元)だから 井戸水のままだと飲めないからですね
(クロ)クロは井戸水も泥水も川の水もなんなら便所の水だって飲んだことあるにゃ( ゜Д゜)
飲めるにゃ 問題ないにゃ
(家元)いや 我々ネコじゃないから お腹壊すのですよ
(クロ)下痢したことくらいクロもあるにゃ 大体半日で治るにゃ( ゜Д゜)
(家元)だから下痢したくないじゃないですか?( ゜Д゜)
(クロ)井戸水飲んで下痢した事は0回ですにゃ( ゜Д゜)
クロはとても聡明だった
我々の知ってる常識や知識を知らないってだけで 記憶力はとてもよく
理解力も素晴らしい ただ聡明で知識欲が高いため 納得いかない事にはとことんつっかかってきた
(家元)ですからこっちの水は飲めないのです
家元はそういうと クロが注いでしまった飲料水入れの水瓶をひっくり返した
(クロ)あーなにするにゃ クロ一生懸命運んだのに( ゜Д゜)
いやがらせにゃ? ひどいにゃ あんまりにゃー
家元がそうじゃないといくら説明してもわかってもらえない
クロは泣きだしてしまった そこにいつの間にか戻ってきたりんごが話しかけてきた
(神野)(通称りんご) マスターたぶんこのタイプにはしっかり説明しないといけないのでは?
そういうとりんごが本当に1から煮沸する理由を延々と話し始めた
井戸水の中にはカンピロバクタ―やピロリ菌がいる事があること それは目には見えないほど小さい事
一回お湯を沸騰させることで 熱に弱いため死ぬことなど
ネコは泥水や細菌類に耐性があるため 腹を壊さないが 人間は無いのでお腹を壊したりすること
何よりそういう習慣で長く生きてるため (井戸水飲むこと)自体気持ち悪いと感じる事など
(クロ)にゃるほど そうだったのですか( ゜Д゜) わっかりましたにゃ
じゃあ 一回井戸水をお鍋に入れて火にかけて 殺し水にすればいいにゃ?( ゜Д゜)
(家元)う、、、ま、まあそうです( ゜Д゜)
そういうとクロは鍋に水を入れ 昨日レヌルが石を並べて作った簡易囲炉裏に鍋を載せて
お湯を沸かした
(クロ)ぐつぐついったら 左の水瓶に入れていいにゃ?
(家元)そうですね お願いします
それからは クロは完璧に仕事をこなしだした 楽しそうに 鍋に水を入れては
湯をわかし その湯を飲料水用の水瓶に入れる 単純作業だが 楽しそうにいつまでもやっていた
家元は激戦の疲れもあって もう眠くてフラフラしてきた
(家元)じゃ、後お願いしますねクロさん 僕は寝ます
そう言い残すと家元は宿舎に戻っていった
―――翌朝ーーー
(家元)ふああ よく寝た
家元は宿舎から出てあくびをしていた
軟膏が効いたのか肩の調子は昨日より大分よくなっていた
だが ちょっと動かすとまだ痛い 安静にしてれば痛くはないので もうしばらくかかりそうだ
ふと 囲炉裏のとこを見ると何かが倒れている
(家元)く、クロさん?? どうしたんですか
クロが囲炉裏の前で倒れていた 家元がクロを急いで抱き起すとクロが目を開けた
(クロ)ん?マスターおはよーですにゃ
え?なんでこんなとこで寝てるかって?
クロの話によると あの後煮沸中に火が消えてしまって
火の付け方がわからないので 小枝を探しちゃ詰め込んでたって話
よく見ると 囲炉裏の下が 無数の小枝でパンパンである
(家元)ハハッ 六郎さんが僕に預けたわけがわかった気がする( ゜Д゜)
第三十三話につづく




