序章 第十三話
(家元)
先手必勝!!おおおおおお
家元は鳥居をわきに抱えるとそのまま大キツネに向かって突進していく
がん
鳥居の笠木の部分が大キツネのあごに刺さる
大キツネは笠木に かみつき かみ砕こうとするがひびは入るものの砕けない
家元はそのままおかまいなしに押し込んでいく
うおおおおおおおおお
家元の勢いに押されじりじりと後退する大キツネ
両前足を笠木にかけ歯と爪で笠木を砕こうとする
みしみし ばりばり
少しずつひびが入っていくもまだ壊れない
どん!
そのまま大キツネを土壁まで押し込んだ
土壁に押し込まれた大キツネは首が笠木に挟まり息ができなくなっている
かは、がふっ
大キツネは苦しそうな声をあげる
家元は力いっぱい押し込み続ける
終われええええええええええ
みしみし ばきばき
ばりん!
笠木はかみ砕かれ真っ二つに割られてしまう
拘束を解かれた大キツネは家元をじろりとにらむ
笠木を砕かれ、ただの丸太と化した鳥居をもって家元はバックステップする
骨の槍のような小回りはきかない
相手のうちだしに一発でカウンターをあわせるしかない
相変わらず全身は寒気がたちつづけている
直感はずっと死を感じ続けている
するとキツネに異変が起こった
かは
あきらかに千鳥足のような足運び
だらしなくたれるよだれ
チアノーゼ?
もしかして脳に酸素がいってないのか?
笠木で首を絞め続けたのが効いたのか
あきらかにキツネの様子がおかしい
千載一遇のチャンスを家元は見逃さなかった
うおおおおおおおお
わきに抱えた鳥居を振り回す
うまく動けない大キツネはかわすこともできずにまともに右ほほに食らう
どーん
丸太で顔面を強打された大キツネは大きくよろめく
そのまま今度は左ほほめがけて振り回す
どーん
鳥居の強烈な一撃を食らった大キツネはそのまま倒れこむ
倒れた大キツネに向かって容赦なく鳥居を振り下ろす
2発、3発がんがんと叩いて叩きまくる家元
キツネは最後の力をふりしぼって 鳥居を後ろ足で弾き飛ばす
がきん
ため の足らなかった後ろ足では鳥居を切断することはできなかったが
家元の手からはじきとばすには十分な威力だった
ふーふー
なんとか立ち上がろうとする大キツネだったが
家元の強烈な攻撃を何発も受けて満身創痍である
足取りは重く今までのような目にもとまらぬ素早い動きはできないだろう
ぜー、ぜー
実際家元も満身創痍である
わきの下は出血を続けている 頭はふらふらしてきた
これだけの大戦闘を繰り広げた両足はもう乳酸がたまってパンパンである
右わきに鳥居を抱えてたせいで右手はもう萎えてマトモに動かない
家元は大キツネをにらみながらじりじりと下がり
吹き飛ばされた鳥居を探そうとする
きーきー
すると家元の前にキツネが2匹現れた
大キツネの10分の1ほどの大きさの小さなキツネである
小さいといっても柴犬ほどのサイズはあるのだが
見た目、毛色ともに大キツネそっくりである
大キツネは起き上がると
片足をひきずりながら立ち去ろうとしていく
きーきー
子供?キツネは大キツネについていく
どうやら母親?が子供を守ろうとしていた
そういうことだったのだろうか
家元は最後の力を振り絞り鳥居を抱えるが
どんどん遠ざかるキツネ親子を見て鳥居を投げ捨てた
(家元)もう悪さすんなよ
家元はそう言って追いかけるのを辞めた
そうしたら突然
突如空から誰かが飛び降りてきた
(空から飛来した男)ハアっ
空から飛来した何者かは大きく声を上げると 大キツネに向かって刀を振り下ろした
すばっ
一刀のもとに大キツネの首を切り落とした
きーきー
空から飛来したものに襲い掛かる小キツネ
そのものは容赦なく2匹の小キツネも切り伏せていく
すばっドシュ
一瞬で3匹の命を完全に奪った空から飛来した者
あまりの出来事に思わず家元は
(家元)なんてことするんだ! もう戦意は無かったのに
そういった家元に空から飛来したものは言い放つ
よく見ると齢15~16の青年である
(空から飛来した青年)
アナタこそ何も知らない
こいつは神薙ぎイタチそして
昨日里の者を6人も惨殺した殺人犯だ!!
その中には僕の親友もいた
彼はまだ15だった
そいつを生かして見逃せと?
アナタは後何人殺すつもりなんだ!!!!!
びくっ
青年の気迫に気おされて家元は身を震わせてしまう
彼はよく見ると泣いていた
たしかに自分は甘かったのかもしれないそう思わされるようだった
ぺカルの両手首も切断されていたのも忘れていた
青年はつづけた
(青年)
ヤツをここまで追い詰めてくれたのは感謝します
おかげで僕の刀が当たるほど動きが鈍り
切り殺す事ができました
我々の身体能力じゃここまで追い詰めることは難しかったでしょう
お友達の応急手当はしておきました
里に戻って治療をすればまだ助かります
(家元)ああ、よかった
安心したのか疲れがどっとでた
足は棒のようになり体はかつて経験したことないほどに重くなった
そのまま家元はひざをつき立ち上がれなくなってしまった
(青年)肩を貸します 戻りましょう
青年は家元を肩車すると立ち上がらせる
そして片手を差し出してきた 僕の名は伊佐 アナタのお名前をお聞かせください
(家元)僕は家元 葉月家元です
そして二人は堅く握手をした
第十四話につづく




