序章 第十話
(家元)エイ! ヤァ!
動物の背骨と思われる2メートルほどの長さの骨を槍にみたてて
幼少期に習った槍術を駆使し大キツネを突いていく
キツネが前に出ようとすると、目、鼻を的確に突く
キツネは嫌がって中々前に出てこれなくなった
(よし!よし!これならイケる)
そう思った瞬間目を狙った突きが外れ
シャッ
家元の肩口に振り下ろされたキツネの前足をとっさに槍を横にして受ける
がきん
キツネの鋭いナイフのような前足を受けてもびくともしない
この骨の強度はかなりのものだ
そのまま少しずつ槍を斜めにずらしキツネのよろめかせる
そして槍を振り回しキツネの頭部に振り下ろす
ばかん!
ーーーーーーぐるるるるーーーーーーー
キツネは大きくバックステップをしてうなり声をあげる
骨の槍のおかげで間合いを制することができるようになった
だが家元の脳裏に一抹の不安がよぎる
(このままではじり貧だ、、、)
骨の槍で間合いは制せても決め手が無い
槍の一撃は軽く とても大キツネにダメージを与えれてると思えない
痛みを嫌がって逃げてくれればいいが
このまま槍でヤツを仕留める事はおそらくできないだろう
と、その時
キツネが急に家元に背を向け始めた
逃げるにしては何かおかしい
ゾッ
長い間格闘技をやっていた家元の直感である
背筋に寒気が走った
とっさに家元はそのまま地面に伏せる
キ-ン
空気を切り裂くような鋭い音
ばきばき、ずしん
そしてその音の直後に次々と周りの木々が倒壊していく
地面に伏せたまま視線を上げてみると
かかとについた刃のようなものが見えている
この刃を後ろ脚で振り回したのだろうか?
槍を見ると真っ二つに折れていた
いや、切られていたというのが正解だろう
伏せる時にとっさに槍から手を離した
支えもなしに一瞬空中に浮いてた槍をあのかかとの刃で大キツネは切ったのだ
とてつもない切れ味である
風圧?なのかまわりの木々も真っ二つにするほどの切れ味
まるでカマイタチのようだ
実際コイツはおとぎ話にしか出てこないカマイタチなのかもしれない
第十一話につづく




