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学園大戦ヴァルキリーズ(現行シリーズ)  作者: 名無しの東北県人
学園大戦ヴァルキリーズ アフターマス
4/23

◆1984年2月15日

『行方不明。死亡した可能性大』

 本日BFから届いた報告書を見た瞬間、修は「そうだろうな」と思わず呟いてしまった。こうなることは最初からわかっていたし、恐らくこれ以外の選択肢も最初から存在していなかった筈だ。

「兄さん……」

 修は続いて、幾らか非合法的な方法——エーリヒ・シュヴァンクマイエルとの個人的な繋がり(コネ)——で手に入れた兄の手紙を読み始めた。送られないままBFで回収されたこれは、あちこち血や泥で酷く汚れている。紙本来の白などほとんど残っていない有様だ。

 だが、そこには何もなかった。

 人生に対する絶望!

 死に対する憤慨!

 弟に対する八つ当たり!

 ただそれだけが書き殴られていた。

「そうかい」

 これもまた修にとっては予想通りだ。最後の最後で愚兄が正気を取り戻すとか「苦しませて悪かった」と心から謝罪してくれるとか、そういうものは最初から何一つ期待していない。血の繋がった家族だからこそ、期待したら馬鹿を見ると確信していたのだ。

「親を泣かせた時点でな、テメェは人でなしだ」

 だから修は手紙を丸めてゴミ箱に放り込むと、自分なりの方法で兄と決別した。

 自分達の人生を守るために。


 終劇

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