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☆見知らぬ世界で、少女のお目付け役になりました!  作者: うにかいな
第伍章 ~砂漠ノ王国~

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93話 平穏ナ一日

 ルティーナとシャルレシカはエリアルと共に砂漠の街道を馬で駆けていた。

シャルレシカはぐっすり眠っていたが、ルティーナとエリアルの2人は自分たちの能力について語り合っていた。

しかしエリアルは魔剣の能力がルティーナと近いことは解ったが、求めていた回答にはたどりつけなかった。

会話に詰まってしまう2人であったが、ルティーナは『イスガ砂漠』の噂を知っていないかとエリアルに問う。

すると、シャルレシカの見つけた『巨大な魔物』に近づく話を聞くことができたのであった。

そして、無事に宿場まで3人は到着し、サーミャ達と合流できた。

 エリアルと別れた後、ルティーナはサーミャ達に砂漠の報告と今後の話をすることにした。

ヘギンズも首を突っ込んだ以上、今日の砂漠の件について情報を共有してほしいと望んでいた。

 

「そうだよね、ギンさんには、また砂漠に付き合ってもらうから知っておいてもらったほうがいいよね」


「ありがとう、ルナリカ」


 

ルティーナは、砂漠の状況とエリアルから聞いた『イスガ砂漠』での噂話を交えて整理して皆に話すのであった。

しかし、4人は話の展開についていけず混乱していた。


「え~となんだルナ、つまり、砂漠の下にはエルの話していた王国が存在している可能性があるってことだな」


「そしたら、大きな魔物の反応って? まだ生きているってことか?」


「それはないと思う、その魔物が存在するなら……この世界は既に滅んでるはず」


その魔物がどうなったかは解らないが、話通りなら80年も経過している時点で、王国が消滅するときに倒されたかもしれないと。

そしてシャルレシカが見つけたのは別の魔物の可能性……今もこの世界に影響がないってことは、もしかしたら沈んだ王国を守っている守護神みたいな存在かもしれないとルティーナ達の想像は膨らんだ。


「ということルナリカ、砂漠に噂で調べに行った人間が行方不明になるって話は本当なのかい?」


ルティーナは砂漠が途中から違うものになっているので、そこに足を取られて飲み込まれるのか、それか、その魔物に襲われている可能性もあると語る。

そして、この調査は一旦保留にして、帰り道でもう一度調べることに決めた。


この後1週間ぐらいブクレインに滞在し、エリアルから聞いた話以外に何かあるか情報収集をすることにした。

明日ブクレインに到着したら、エリアルの居る孤児院を訪問することにして就寝することにしたのであった。




 早朝、一行はブクレイン王国に移動を再開し、昼過ぎには国境を越え中心街にはたどり着くことができたのだ。

ヘギンズはこの街に居る知り合いの所に世話になると別れ、ルティーナ達は1週間ぐらい宿泊できる宿屋の確保をするのであった。

そして夕方になろうとした頃、エリアルの居る孤児院を訪問した。


ルティーナ達を出迎えたのは、私服のエリアルであった。

その容姿はまるで別人で、4人は一瞬たじろいでしまう。


「ん? どうしたの皆」


(確かに王級の時もそうだったな)


「何? どうしたの皆、魂が抜けてるわよ? 昨日、飲みすぎたの?」


「「「「(可憐すぎるだろっ)」」」」


「?」


ルティーナ達はいつも宿暮らしの為、荷物がかさばらないように、たいした普段着も持っていなく、買い換えてもいつも任務の時に着ける防具ぐらいであったため、おしゃれなエリアルをうらやましいと思うのであった。

以前、ルティーナの『能力(ちから)』で小さくして持ち歩けばいいと気付くが、小さすぎて無くしてしまうことがあったのでほどほどにしていた。


「もしよかったら、明日、常連の服やがあるから一緒にいきませんか? それからぁ――」


そしてエリアルの提案で、みんなで朝から1日遊ばないかと提案される。

4人もせっかく息抜きで旅行に来たのだから、魔物の件は棚に上げてもいいと考えるのであった。

そして、翌朝に迎えにいくとエリアルはルティーナ達の泊まる宿の名前を聞いて、解散するのであった。



――翌朝、『武王会』では見せなかったぐらいの笑顔で、めかしこんだエリアルがルティーナ達が居る宿に訪問してくるのであった。

そして4人はエリアルに連れられて、常連のお店に入っていき、服を選び合うのであった。


「……どれも大きすぎるっ」


ルティーナはいきなりの服のサイズでショックを受ける。

以前、バルストが誕生日プレゼントでくれた服が大きすぎたトラウマが蘇り、確かに可愛い服はサイズが合わないことで父親の苦悩を理解するのであった。


「ルナの動きが止まってるぞ……感動でもしてんのか?」

「って、シャル? シャルまで動き止まってんだ?」


「ふ、服が入らない……」


「「「(『胸』がだろっ!)」」」


「ふにゃぁ? なんで皆の殺意がぁ集まっているのですかぁ?」


「私の魔法で……切り取ってあげましょうか」


「あ~リーナぁ、性格が怖いほうになっちゃってますよぉ~」


そんな2人はさておき、サーミャ達はそれぞれ自分に似合う服を試着し満足していたのであった。。


「私はぁ、これにしますぅ~」


「「「ブッ」」」


「おぃシャル、ほとんど胸が出てるじゃねぇかっ!」


「胸が楽ですぅ~」


「「「(……だろうなっ)」」」


そんなシャルレシカを見た、サーミャ達は自分たちの魅力に自信を失いかけたが、ルティーナが服を決めて割り込んで来たのであった。

しかし、その姿は皆が予想した以上のフィット感があり、尊く見えてしまった。


「ルナっ、なんで大人な衣装なのに服が着れるんだ……めちゃくちゃ似合ってやがる」


「あぁずる~いぃ、微妙にサイズを調整したい部分にぃ小さくする『能力(ちから)』を使ったのですねぇ」


「シャルっ正解っ!」


「そうか、そうすれば好きな服が選べるってわけか! さすがだなルナっ」


(シャル? その服は……俺には刺激が……)


(むっ!)


「ねぇねぇ~私が気に入ったぁ~この服の胸の部分だけぇ~大きくしてくださ~ぃ」


「「「「(けっ)」」」」


(エルまで仲間に加わってる)



そして皆の新しい服を買い添えたところで、お昼ご飯にすることとなった。

シャルレシカの要望があり、エリアルはおすすめの肉料理店に案内し、食後もエリアルの案内でいろいろな店に連れて行ってもらうのであった。


「エル、すごく楽しそうだね」

 

「うん、こんな楽しい1日は初めてだよ。年の近い女の子同士で遊ぶのって楽しい」


「よかった。私たちもいろんな場所を教えてもらったから、当分の滞在は退屈しなくてすみそうよ」


そして、エリアルは1日の最後にどうしても皆と行きたいところがあると移動を始めた。


「僕は昔っから、もし仲のいい女友達ができたら、この国にある大きな温泉施設に皆で入りたいっていうのが夢だったんだ」

「ダメかなぁ?」


「温泉施設? そんな物まであるのかい? い~じゃねぇかっ! いつも体をお湯で拭くばっかりじゃな」


「そうねぇ~おっきな湯舟にゆっくり入ってみたいですね」


「わぁ~い温泉温泉っ」


「んっ、ルナ? 顔色が悪いぞ?」


「あ、うん、温泉……ねぇ」


エリアルは少し悲しそうな顔をしながら、嫌であれば言ってほしいとルティーナに伝えるが、ルティーナは折角のエリアルの頼みを無下にしたくなったため施設に入ることにした。

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