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☆見知らぬ世界で、少女のお目付け役になりました!  作者: うにかいな
最終章 ~黒竜《ブラック・デンゴラド》~

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237/250

237話 原因

 ルティーナ達は、テレンシリア王国でデルグーイが大量発生する原因の調査の為に、街の酒場で夕食のついでに街人から情報を集め、その夜、宿で対策会議を練っていた。


しかし、街人の証言はほぼ皆同じで、デルグーイが発生したかと思うと、街を襲わず南の方に向かって飛んで行くという。

デルグーイの発生場所はバイデルの森の湖ということは調べは着いたが、何故、大量発生するのかという疑問は馬琴(まこと)を混乱させる。


(突然の大量発生……鳥なら卵から生まれるはず……魔物は違うのか?)


「バイデルの森って小鳥がさえずる湖があるって、一度は行ってみたい場所だったんだけど……」


「魔物とは……無縁……の場所だよね」


「あの森で増えると言ったって、そもそも魔物ってどうやって生まれるのさ?」


(仮に生まれてすぐにあんなバケモンってありえない)


「うーん、マコトもかなり悩んでるみたい」


誉美(ともみ)は、魔物の発生原因の経緯とこの世界について知らな過ぎたので改めてエリアルから話を聞いた上で、今回の話を自分なりに整理していた。

そして――。


「あのトモミさんが、小鳥がデルグーイに豹変しているんじゃないかって」


「いやいやいやいやいやいや、容姿が違いす――」


(そうか、魔物化の薬があれば……)



馬琴(まこと)誉美(ともみ)の言葉を受け止め、嫌な考え死か浮かばなかったが、何故、誰が、どうやってとますます混乱するのであった。



「まぁすべこべ悩んでも仕方ねぇ、もう、遅いからよぉ、今日は寝ようぜ」


「そうね……んじゃ、明日は早朝から飛翔戦闘訓練を兼ねて調査しましょう」



 そして翌朝、国の警護団に依頼し人を森に近づけないように周知した後、ルティーナ達はバイデルの森入口に到着していた。

すると、いきなり森の空の上には、デルグーイが10匹ほど監視するかのように巡回しているのを目撃するのであった。


馬琴(まこと)は、とりあえず全員に【(つばさ)】を描き、早速、背中に翼を生やす。

サーミャとエリアルにはデルグーイを各個撃破を、シャルレシカはひたすら逃げる練習、ロザリナはそのシャルレシカが危なくなったら護衛するように面倒を見つつ、自分を攻撃してきたものには反撃するように指示を出す。

そしてルティーナは、皆にデグルーイを任せて自分だけ湖周辺を調査することにした。


「「「「了解!」」」」


「さぁみんな! 実践開始よ!」



 各々、空を舞い、まずは巡回しているデルグーイの討伐が開始される、。

サーミャとエリアルは魔法や武器を狙ったところに当てられず苦戦をしいていたが、デグルーイの攻撃力が明らかに低いためなんとか迎撃ができていた。

シャルレシカは意外にも、デグルイの爪や体当たりをかいくぐり、ロザリナに見守れていることで大胆に近づいたりし、楽しそうに空を逃げ回っていた。


「シャルは大丈夫そうね」

「あはは、ミヤとエルは苦戦してるけど……」


(だが、明らかにデグルーイが弱すぎる)


「そうね、湖の周りに居るデルグーイの様子もおかしいよね」


湖の周りを見渡すと、そこには複数のデルグーイが痺れているかのように苦しむもの、うずくまり動かないもの、翼を羽ばたかせて飛び立たないものも居た。

確かに、数は居るももの、発生している原因は全くつかめなかった。


しかし、シャルレシカに危険が及んでおらず暇を持て余していたロザリナが、空の上から小鳥が豹変しデルグーイになり見悶えながら地面を転がる姿を目撃する。

そして地上に居るルティーナの元へ、そのことを伝えるために合流する。


「どうしたの? リーナ」


「ルナ、いいからこっちに来て!」


ルティーナは自分を軽くし、ロザリナに目的地まで運んでもらうことにした。

そこで見たものは――。


「あれが湖……なんで紫色なの?」

「あっ、小鳥が水を飲んで……トモミさんの予想どおり」


「一体何がっ!」


その光景をまのあたりにしたルティーナと馬琴(まこと)は、長明(ながあき)が開発していた薬ではないかと確信する。


「まさか、あの水……デルグーイ化する液体!?」


「ちょっと! それって魔物化させた薬……ここで研究されてたってこと? お父さんを魔物にした薬……」


「落ち着いてリーナ。まずは、この紫の水の発生源を探しましょう」



馬琴(まこと)は、とりあえず被害を出さない為に、とりいそぎ手裏剣にできるだけ大きな【(こおる)】を描き湖に投下させ永久に凍らせることにした。

そもそも湖の中に住む魚なども薬に侵されていると判断したが、現状は無事だとしても今後何が起こるからなかったため、そうしておくしか手がなかった。


しばらく湖をたどっていく2人は、湖のほとりにあった怪しい施設を発見し、中に潜入することにした。


「これが……研究所ってやつ? 誰も居ないね」


「うぇっ、なんか変な標本漬けの魔物がいるよ、気持ち悪~い」


(成分か何かを抽出して研究していたんだな)

(あのバルブ、もともと湖に液体を流すような構造になっている……?)


(バルブってこれ? のこと? これって廻るの?)


(あぁ、ただ施設が放置されたぐらいでは、勝手に液体は湖に流れ出さないはず……)


(じゃぁ、誰かがやったってこと?)


馬琴(まこと)の想像では、おそらく長明(ながあき)が何かの目的で死ぬ間際に、洗脳した研究員か誰かに操作させたと考えた。

ルティーナは、まだ長明(ながあき)の部下が存在していると懸念をあげるが、彼が死んだことにより呪縛が解けて普通の人間に戻ってるはずだと馬琴(まこと)は言う。


(……そっか、でも、その人達は罪の自覚はないまま生きていくんだね)



「――ルナっ、この資料を見てっ!」


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