表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆見知らぬ世界で、少女のお目付け役になりました!  作者: うにかいな
最終章 ~黒竜《ブラック・デンゴラド》~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

235/250

235話 召喚

 ルティーナは、来る決戦に迎えて、日々、サーミャ達の飛翔の訓練を繰り返えし続けていた。

しかし最近ギルドにも通わず、毎日の様にフォレスタ平原に通うルティーナ達に疑問視する冒険者が増え、ここ最近の近隣国でのもめ事の多発とルティーナ達の不在が関わっていると噂すら流れているとアンハルトから聞かされる。


それを聞いた馬琴(まこと)は誤解を生まないように、自然にフォレスタ平原に行くこと回数をすこしづつ減らしつつ、5人で交代交代でギルドの任務をこなすことにした。

ルティーナと組んで任務に出かけた者は、飛翔を兼ねた戦闘訓練をするようにした。

そして留守番になる者は背中に【(つばさ)】書かれた状態で、エリアルに連れられてフォレスタ高原で決められた時間の間だけ漢字を発動と解除をしてもらい、特訓を続けるのであった。



――それから半月、皆、飛翔も安定し、実践でも使える程度の技術が身についてきたころの朝の出来事。


「ルナぁ、お城の兵隊さんがぁ~例のものが準備できましたよぉってぇ、迎えにこられてますよぉ」


「ついに、この日が来たわね」


「あたいは気が進まねぇけどな」


「まぁまぁ、ある意味、都合のいい実験って思えばいいんだから」


(実験って……酷い言われようだな)


「マコマコだって、ちゃんと召喚できるって実績ほしいでしょ?」



 そして5人は城へ向かい、そこで待っていたダブリスに連れられ広場に案内されるのであった。

彼はその場所には誰も近づけないように手配しており、『カース・ストーン』をチョーカーのように加工し準備をしていた。


「さすがダブリスさん! 解ってますねぇ……え?」


だが、そこに用意されていた『カース・ストーン』は、首飾りのサイズの1,2cm程の大きさでなく10cmの大きさであった。


(おいおい、変な条件にすると10倍も威力か……)


「申し訳ありません、見つけ出した石でこれでも一番小さいもので、これでも小さく加工するには時間がかかってしまいまして……」


馬琴(まこと)は、少し動揺するも、脅しには効果的だと心に言い聞かせた。


(でもマコトも、お人好しよね。こいつをこのままにしておくつもりじゃないって言ってたけどさ……あんな目に逢わされたのに)


(まぁどっちらにしても、俺たちが帰る時が連れて帰ってやるつもりだったから、遅いか早いかの違いだよ)

(あんなやつでもな……元の世界に帰ってから『行方不明』扱いされてるって、あんまりいい気分しないだろう)


(そうね)



そして、シャルレシカが持ち帰っていた『サモナー・ストーン』を、朝時(あさとき)を強引に閉じ込めた『サモナー・ストーン』の横へ置き、サーミャは召喚魔法の詠唱を始めた。



(ねぇエルちゃん、あの石の中に朝時(あさとき)君がいるってこと?)


(そうですね、あの時は大混乱で――――。)


(そうなんだ……)

(でも、ルナちゃんの中に私がいると思い込んで、馬琴(まこと)を溺愛してたなんて……なんか笑っちゃうわ)


(他人事ですね……これからは僕がそんな目で見られるんですよ)

(どのような殿方かもわからない人に)


(あ……エルちゃんは、ぽっちゃりって生理的に無理かな?)


(突然なんですか? 体型にだらしない男性は……苦手ですかね)


(それじゃ、しばらく我慢し――あっ、そろそろ始まるわよ)



サーミャの詠唱準備が完了したことを確認した、馬琴(まこと)は『マジックシール・ストーン』と『サモナー・ストーン』に仕掛けていた【(まぜる)】を『停止(ていし)』させ、2つの石に別れさせた。

すぐさま『マジックシール・ストーン』をダブリスが影響のない場所までへ持ち出し、細かく破砕するのであった。


そして、サーミャは『サモナー・ストーン』に入っている朝時(あさとき)の姿を見ながら召喚魔法を発動させた。

 ――すると用意していた『サモナー・ストーン』が神々しく光始め、隣に置いた『サモナー・ストーン』を飲み込んだかと思うと、その中から中年太り姿の男の影が見え、朝時(あさとき)の雄たけびとともに外へ飛び出してくるのであった。


その場には、結婚式当時の姿のままの朝時(あさとき)が召喚されたのだ。


(えっ、俺達も召喚されたら、結婚式の姿のままかよ? そうだよな)

(えっ、私も召喚されたら、ウエディングドレスの恰好なの? それはちょっと)



召喚された朝時(あさとき)は外に出れたことに気づかず、まだ石の中に居ると思い込み荒れ狂っていた。

しかし、様子が違うことにようやく気づく。


「(……)」


「――た、タイヘイ、落ち着きなさいっ」


「き、貴様は……里見(さとみ)――ルナリカぁ~っ!」


怒りのままルティーナに襲い掛かろうとする朝時(あさとき)を、ロザリナが『シャイン・プリズン』で光の牢獄に閉じ込めるのであった。


「大人しくしてな。おじさんっ」


「全く反省してねぇのかよ」


「うるせえ、貴様らが化け物級の魔法使い共じゃなかったら~今頃ぉ」


「そんなことをしても、トモミさんはあなたには振り向いてくれませんよ」


「え、エリアル……姫」


「「「「「「「(エリアル姫?)」」」」」」」



「――里見(さとみ)ぉ~! てめぇエリアル姫をどこに」


朝時(あさとき)のエリアルに対する扱いは、あきらかに皆と違っていた。

その様子に馬琴(まこと)は、おそらく自分では言う事を聞かないと判断した為、エリアルを少し離れた場所に連れ出し説得役として立ち回るように指示した。

――例の件は言わないように。


(そっか、私が意識を持つようになった事を知ってないんだよね?)


(しかし、こんなにねちっこい男とは……僕、違う意味で手を出しそうです)


(ぷっ)


「つべこべ言ってんじゃねぇっ! あんたは、腐っても勇者として呼ばれたんだっ」

「その力を、役に立てろっつーの」


「俺の力だとぉ? こんなクソ闇魔法程度が? ほとんど役に立たなかったじゃねぇかよっ! ふざけんなっ」


「タイヘイ! 落ち着きなさい! それは、あなたが不完全な召喚をされてしまったからよっ」


朝時(あさとき)は最初は奇声を上げていたが、エリアルに宥められ、嬉しそうに冷静さを取り戻すのであった。


(いきなり、効果覿面かよ)


すると朝時(あさとき)が急に頭を抱えながら、光の檻の中で、のた打ち回わりだすのであった。


「おいおい、大丈夫かよ? こいつ?」


「ミヤぁ、詠唱間違えたんじやぁないんですかぁ?」


「しばくぞシャル!」


「おぉぉ~頭の中に……流れ込んでくるぅ」


「タイヘイ?」


「わ、わかるぞ、わかるぞぉ~っ! こんな闇魔法もあるのかぁ~ふはははっはっ! これは凄いっ」


「「「「「……」」」」」


「なるほど、これが封印魔法かぁ……なるほどな、俺様に厄災と対峙しろってことかぁ?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ