表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆見知らぬ世界で、少女のお目付け役になりました!  作者: うにかいな
最終章 ~黒竜《ブラック・デンゴラド》~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

231/250

231話 再戦

 ルティーナの指示通りシャルレシカは騎士団を馬車の待機場所へ向かい、その場を急いで去っていく。

そして地上に這い上がってくる(デンゴラド)のせいで地震が激しくなっていくのであった。

遭遇まで数分も無い中、馬琴(まこと)は作戦を立てる。


問題なのは、たとえ一度に1人とは言え、誰か1人の思考の中を読まれてしまう事――。

そこを逆手にとり、エリアルには、誉美(ともみ)と単独行動で臨機応変にする様に指示する。


サーミャには土魔法で『岩』を使う物理攻撃で(デンゴラド)の行動を制限させるようにし、そして(デンゴラド)戦は初めてとなるロザリナには、『シャイン・デベロップ』がどの程度通用するのか、自分とサーミャを気にせずに攻撃させることにした。


「わかった。とにかくどう使えば有効か試してみる」

「だめだったら、『シャイン・ウォール』を使って、みんなの防衛にまわるわ」



 ガバババババーーーっ!



「みんな、来るわよっ!」



 全員が作戦を確認し終わるころ、地面が裂け、中から(デンゴラド)が雄たけびをあげながら飛翔を始めるのであった。



「堕ちろ~っ! 『ロック・バスター』っ5連打っ」


『貴様らっさっきはやってくれたな! 下等生物の分際でぇぇぇ~っ!』


「『ランス・オブ・インフィニティライジングプラズマ』っ」

(【(のびる)】×8っ【(かみなり)】)


『ちぃっ!』



 攻撃を裂けるように(デンゴラド)は地上に降下し、4人を踏みつぶすことにするのであった。それを逆手にロザリナは、『シャイン・デベロップ』で左拳に光を集中し1mほどの固まりを作り、踏み込んでくる脚に殴りかかるのであった。

その効果は絶大で(デンゴラド)の脚の甲羅を破壊するのであった。



『くそっ! こいつら順応しすぎだろ! 俺様が奇襲してくることを読んでやがっただと? どうなってやがる』



(やはり、さっきの爆弾の怪我が治ってる……自然治癒できるとしても早すぎる)



『(くそっ、こいつらの思考を探りながら、様子を見るか……)』

『そうだよな、気になるよな? この土地は資源に恵まてれいるみたいだな――』


「資源? ですって……まさか」



 (デンゴラド)は地割れに飲み込まれた時、彼は死を覚悟していたが、偶然、地下には『ヒーリング・ストーン』の原石が大量に存在していた。

(デンゴラド)の体質は、原石を捕食することでその特性を体全身に細胞レベルで反映することができる。彼は偶然、それを捕食したことで、時間はかかったが傷を全快することができたのだ。


(! まさかっ!)


『あぁ、そうさ食べたのさ』


(もしかして、魔法が利かないのも……)


『それか? よくわからんが、お前らの言う『マジックシール・ストーン』というやつの原石を捕食したらしいな』


(思考をまた……)


「それじゃ、『サモナー・ストーン』も食べる為に探してい――」


『! 俺が何を探していたか知っていたのか?』


(やはり! 召喚を食べて……まさか)


「ルナっ! 攻撃の手を弱まってるぞ!」



(デンゴラド)に思考を読まれたとしても作戦の事だけは考えないようにしていたが、誉美(ともみ)はまだ連携に不慣れであったため、そううまくいかない。


『(この女にも別の意識がある……だと……こいつら一体?)』

『(そういえば、さっき意識介入できなかった小娘は居ない? 隠れているのか? どいつもこいつも人間ではないのか?)』


(デンゴラド)はエリアルの攻撃だけ独立し皆と連携していないことを理解し、全員の攻撃をいなし始める。

そして、ロザリナに殴られ負傷した脚もほぼ治癒が終わっていた。


(くそっ、勝手に治癒しやがる……持久戦は不利だな)


『時間なら、いっぱいあるぞ……そうか、俺の事が知りたいみたいだな? 今度こそ、俺様に勝ったら話してやろう』

『その代わり、お前たちが負けた時は解ってるよな? 死なない程度でいたぶってやる』


自然に怪我が治癒する上、先の闘いとは違い油断しない姿勢で戦い始める(デンゴラド)に、ルティーナ達は動揺する。

それでもサーミャは力押しで、再び飛翔を始める(デンゴラド)の翼を『ロック・バスター』で再び攻撃を始めるが、(デンゴラド)は息吹を放ち、いとも簡単に粉砕するのであった。


『ふんっ、たかが岩の塊っ。先ほどの水蛇の攻撃の方がマシだったぞ』


(デンゴラド)が空に舞ってしまっため、エリアルは大剣を盾にし攻撃をしのぎつつ、槍でけん制を続ける。

ロザリナは攻撃する術がなくなり『シャイン・ウォール』で、息吹に対する防御に徹することにした。


『今度は、雨という隠れ蓑はないぞ! 不意打ちは効かぬぞっ!』


しかし、サーミャとエリアルの攻撃は無駄ではなかった。

その隙にルティーナは【(すける)】で姿を消し、同じく飛翔しデンゴラドの背後を取っていたのだ。


『(むっ! 男の意識を持つ小娘が消えた! こいつも転移魔法を?)』

『(どういうことだ? 意識もない……)』



(デンゴラド)はルティーナが隠れていないか、サーミャ達の攻撃をかわしながら探し始める。

その姿を見た誉美(ともみ)は1つの疑問を感じる。


(ねぇエルちゃん? あいつ、ルナちゃんを探してるよね?)

(もしかして、見えないと意識介入できなかったりして)


(まさか、そんな単純な――)


『そうかっ、ルナという娘は姿を消しているのかっ!』


(えっ、私の意識が読まれた? ごめ~ん、馬琴(まこと)ぉ~バレちゃったよぉ~)


((ぷっ) でも、トモミさんの考えは当たりかも知れませんよ)


『くそっ! どこだっ小娘っ』


エリアルは全然関係のない方向にむかって、(デンゴラド)は姿が見えないと意識介入できないことを大声で叫ぶ。

それを聞いた馬琴(まこと)は、作戦を考えても読まれないことに安心する。


『(余計なことを)』


焦る(デンゴラド)は、しきりに地上に向かって息吹を放ち続け、ルティーナを炙りだそうとしていた。

サーミャとエリアルにはルティーナの姿は見えないが、(デンゴラド)の背後にいることを知っているため、知らぬ顔で攻撃を続け、空にいることを悟らせないようにした。


(でも私達はどうするの? 空から攻撃したら一発で存在がバレちゃうわよ?)

(またあの爆弾を使うの?)


(いや……)

(外部からの爆発は結局耐えられてしまったからな、やはり内部からでないければ効果がない)


馬琴(まこと)は、次の一手を悩んでいた。

(デンゴラド)が地上に出てくる前に、仕込みで地面にいくつかの漢字を描いていたが、漢字を発動する前にその場を破壊されてしまったため消滅していたのだ。


「ルナぁ、出てくるなよぉ~っ! あたい達は大丈夫だから、こっちに来るんじゃねぇぞぉ」


次の行動を起こさないルティーナに、しびれを切らしたサーミャは白々しく攪乱を始める。


(助かる……だが、いつまで持つか……)


『くそっ! どこだぁ! どこから狙ってやがる!』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ