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☆見知らぬ世界で、少女のお目付け役になりました!  作者: うにかいな
第弐章 ~仕事探シ~

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23話 魔法使イ ~其ノ肆~

 ルティーナ達は偶然にもサーミャを発見することが出来上が、自分たちを盗賊団からの刺客ではないかと疑われてしまう。

自分たちの事情を説明しその場を納めることにした。

馬琴(まこと)はサーミャの首輪により殺されていないことから、色々考察していた。



サーミャ=キャスティル:攻撃5属性が使える 元 金の魔法使い

挿絵(By みてみん)

 馬琴(まこと)は、サーミャの首輪の発動条件か制約があるのではないかと睨むが、決定打がなかった。

それを詳しく探るため、当時何があったかをルティーナが気を利かせて話してもらえるように踏み込んだ。


サーミャは、悲しい目でルティーナを見つめながら、その日に何があったかを話してくれた――。



 事件前日、グレダリオ共和国の峠に潜伏する盗賊団を討伐する依頼を受け、サーミャとヴァイスは2人で、専行して盗賊団の居場所を調査していた。

そしてその調査した内容を持ち帰って、今後の方針を決めようとしていた。

しかし、調査していた時にサーミャは存在を気づかれていたらしく、逆に『碧き閃光』の事を調べられてしまった。

 

そんな状況になっていることも知らずに、盗賊団を包囲するべくサーミャとヴァイス組と残り3人の二手に分かれて突入したが、ヴァイスが盗賊団の罠にはまってしまい人質となってしまうのであった。

作戦は失敗した『碧き閃光』に追い打ちの脅迫状が届く。

部屋に引きこもってしまったサーミャには誰も伝えず3人で作戦を考えていた。


「どうして? シェシカに『エクソシズム・ケーン』を……」


「シェシカは回復師だからな、一番害がないやつに持ってこさせるのは当然だろう?」


「それは無いぞグルバス。あれは攻撃魔法を知っていれば誰でも魔法が使える杖だぞ、シェシカにわざわざ武器を持たせるようなもんだ」


「確かに……杖を狙う意味がわからんが、とにかくヴァイスを助けることが第一優先だな」


「だけど、あの杖は……サーミャがヴァイスに誕生日にもらったやつよ。そう簡単な問題じゃないかもよ」


「作戦を考える時間が無さすぎるな……明日、他の冒険者にも相談するか――」


だが、そのやり取りをサーミャは偶然に聞いてしまっていた。

自分のせいでヴァイスが捕まり、そしてシェシカまで危険にさらす事になるなんて事は出来なかった。

しかし気が付くとシェシカの法衣を身にまとい、盗賊の指定した場所に向かってしまっていた。


シェシカと思われ油断したところを魔法で攻撃しようとしたが、なぜかそこで魔法が発動せず、逆に捕まってしまった。


「あの回復師じゃねぇぞこいつ! (かしら)っ、どうします?」


「まさか、てめぇが来るとはな。残念だったな魔法はココじゃ使えねぇのさ」

「俺は用心深けぇんだよぉ~残念だったな」

「しかたないな、その捨て身の努力のご褒美に彼氏に会わせてやろう」


彼らは目隠しをしたヴァイスを連れてきた。

その姿はそうとう痛めつけられ、なぜか綺麗な宝石のついた首輪をつけさせられていた。


「ヴァイス……無事だったのね。良かった……」


「そ、その声は、サーミャなのか――」


「おっと、まずは『エクソシズム・ケーン』と交換だ。 そいつをそこに置け」



その時は杖と交換で簡単にヴァイスを連れ出せた事が腑に落ちなかった。

しかし、好機を逃したくなかった彼女は、魔法が使えないその場を離れた瞬間に土魔法『アース・クエイク ――地面に振動を与え地震を起こす魔法――』の詠唱を始めた。

瞬間――。


「えっ、ヴァ……ヴァイス?」


ヴァイスの身の異変に気づいたが時すでに遅かった。首が飛び絶命してしまったのだ。

攻撃魔法は詠唱が破綻し発動すらできず、混乱で放心状態になってしまい再び盗賊団に囲まれてしまった。


「ぶはははははっ、残念だったな! やっぱり魔女だったなっおまえ! あの場からで出たら仕掛けてくるのが見え見えだったぜ」

「おまえだぜ……そいつを殺したのは」

「あいつに首輪がついてただろ? あれは『呪いの首輪』、条件が成立したら首が飛ぶのさ。面白いだろ?」

「『お前が魔法を使ったら発動』するって条件にしておいてやったんだぁ、傑作だろぉ? 傑作だよなぁ~」


 無防備なサーミャの後ろから首輪をはめられた。


「くくくっ、愛しの彼氏に逢いにいきたけりゃ、ちょいと呪文を詠唱すればいいんだ……簡単だろ?」

「その首輪を外してほしいなら、今度こそ回復師を連れてきなっ! それと交換だ」

「もともと俺らは、そいつが本命だったんだからな!」


 奴は、あざ笑いながら去っていった――。




(なんてこと……)


(自分の恋人を殺させるなんて……とんだ畜生野郎だな……反吐が走るっ)


「あたいは、これ以上、仲間に迷惑をかけたくなかった」

「何度も、ただ、詠唱を始めるだけ……楽になれると……」

「憎たらしい奴が夢に出てくる……悔しくて苦しくて、死んでも死にきれない……でも魔法が使えないんじゃ、復讐すらできない……」


(もしかしたら、シャルが闇で見えないと言っていたのは、その首輪のせいだったなのかな?)


(――今まで、どの占い師もサーミャさんを探し出せなかったのは、そういうことだろうな……)


「……この首輪だけは、どうしようもないんだよ……」


(とんでもなく鬱だな……)



馬琴(まこと)は首輪は発動条件が満たされなければ大丈夫だとわかった。


「仕組みはよくわからないけど、外せばいいんでしょ? それ――」


「はぁ~? 適当なこと……これだからお子様はっ! それができないから……もう放っておいてよっ!」


「見てなさいっ! 絶対はずすわっ! その時は暴言を撤回しなさいっ!」


ルティーナは馬琴(まこと)に、シャルレシカのときのようにサーミャを小さくすればいいと提案するが、それは無理だと言われてしまう。

なぜなら、シャルレシカの時に服も小さくなった……つまり身に着けているものも小さくなるという効果の特性のせいであった。


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