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☆見知らぬ世界で、少女のお目付け役になりました!  作者: うにかいな
最終章 ~黒竜《ブラック・デンゴラド》~

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227話 銀竜《シルバー・デンゴラド》 ~中編~

 急に動かなくなったサーミャだけでなく、迫り狂う火炎にあわてふためくシャルレシカは、サーミャから『エクソシズム・ケーン』を取り上げ、『フリーズ・ゲージ』を身の回りに向かって唱え難を逃れるのであった。

しかし、辺りの木々がなくなり2人は(・デンゴラド)の目の前にさらけ出されるのであった。


「ミヤっ、しっかりしてぇ~」


「! 続けてぇ――はぁ?」

「つ、杖がねぇっ……て、なんでシャルが持ってんだ?」

「それに、辺り一面丸見えじゃねぇか!」


「み、ミヤが急に動かなくなってぇ、丸焼きになるところだったんですよぉ」



サーミャは自分の時間が止められていたことを理解し、何故、そうなったのかがわからずにいた。

そんな時に(・デンゴラド)が2人に語りかける。


『そうか……先ほどの攻撃はおまえか? さっき魔法が当たった気配があったのは気のせいではなかった』


「やはり当たっていた……なのに何故」


『そうそう残念だったな、我の体には魔法は効かんぞ!』

『(反射され己に跳ね返されたのだろうが、攻撃魔法ではなさそうだな? 今……時間を止めただと?)』


「! やべ、こいつら、意識に介入できるんだった……」


『というか奇妙だな……なぜ心を読めることを知っておる? それに我の事を知っているようだな?』

『ん、おかしいな1匹しか意識を読みとれん! ……何者だ、そこの小娘っ!』


「『小娘』ってぇ~わ、私ぃ?」


サーミャは、シャルレシカが意識介入されないことを理解したが、作戦を考えるとバレてしまう現状に動揺していた。


『良くわかっているじゃないか? 魔法使い、色々話を聞かせてもらうぞ……』

『さっきいたやつらより有力な情報を期待しているぞ』


「(やはり、近衛騎士団はこいつに)」

「(!考えたら駄目だ……シャル、おまえが作戦を考えろ!)」


「(ほへぇ~無理無理無理ぃ~)」


(・デンゴラド)は、勝手にサーミャの記憶をあさり始め情報を得ようとしていた。

サーミャは自分の頭の中で何かされているような感覚に不愉快な気分になり、覗かれていることを悟った。

そして、すぐにあることを決断する。


『ん、転移? ルナ? 貴様、何を考えているっ!』


「そうか、転移を知らねぇのか? よかったぜ銀野郎っ! じゃあな」



 サーミャはこのままでは情報を探られることと、自分の魔法が通用しないと判断するやいなや、シャルレシカをかかえてルティーナの元へ転移していった。


『くそっ! 消えた……だと? 逃げられたのか?』

『転移とは……魔法なのか?……どこかに行ける? そんな魔法があったのか……ルナ? 国の名前か?』


(・デンゴラド)は、サーミャ達に逃げられたことに危険な存在と感じ処分しなければならないと考えたが、彼には時間がなく、今は自分の目的を遂行することに頭を切り替えるのであった。


『(しかし、兄者とリュウガは何処にいるのだ? あれから何年たったのだ?)』



 一方、ルティーナ達は負傷している近衛騎士団を発見し、ロザリナが治療を始めようとしていた。その時、想定外にもサーミャ達が転移してくるのであった。


「えっ! ミヤ? どうしたの?」


「っつ、すまねぇ! 作戦変更だっ!」


ルティーナはサーミャから銀竜(シルバー・デンゴラド)との出来事を聞き驚愕するのであった。

とりあえず負傷している全員を安全な場所まで自力で移動してもらい隠れながら治療を続けることにした。


「でもミヤ、懸命な判断だったわね」

「『マジックシール・ストーン』っと同じで魔法が通用しないってこと?」


「いや、それだけなら……」


サーミャは魔法が通用しないと(デンゴラド)に確かに言われたが、それだけでない違和感と、自分が『クロノ・モラトリス』にかけられ時間が止まっていたようだったとシャルレシカが言うのだ。


「ミヤがぁ、呪文を放った時ぃ、デンゴラドのウロコがぁギラギラしてましたよぉ」


「……ウロコねぇ」


(赤い奴は、相当な強度だったよな……もしかしたら、デンゴラドによって特徴があるのかもしれない)


「どうするルナ?」


馬琴(まこと)は状況を踏まえ、作戦を立てた。

とりあえず、サーミャを小さくして2人で(デンゴラド)の近くまで近寄り、その後、エリアルを召喚して3人で戦うことにした。

そしてロザリナはこの場に残り治療と介護を続け、シャルレシカは火山の影響がありそうであれば状況を彼女に伝えるように指示した。


「はぁ~い」


(うれしそうだな)


(うれしそうね)


そして、作戦を開始しようとルティーナが飛翔する頃、落雷と共に雨が強く降り始めた。

多少時間がかかるが、低空飛行でゆっくりと(デンゴラド)の元へ向かうのであった。


「ルナ、こりゃ悪天候の中、戦わなきゃならねぇぞ」


「そうでもないわよ!」


(あぁ、好都合だ)


「?」



そして(デンゴラド)の姿が見え、ルティーナはサーミャと遭遇してから10分程が経過しているにもかかわらず、移動せずに何をしているのか気になる。


「消えたミヤたちを探してるのかしら?」


「いや、違うと思うぜ」


「どういうこと?」


「あたいらと遭遇する前から、なんか探しているようなんだ」


「探し物? 何だろ……」


(対峙して、直接、聞くしかなさそうだな)

(そこに着地して、エリアルを召喚しよう)


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