表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆見知らぬ世界で、少女のお目付け役になりました!  作者: うにかいな
最終章 ~黒竜《ブラック・デンゴラド》~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

225/250

225話 火山

 ルティーナはノキア王の意図を理解した上で、黒竜(ブラック・デンゴラド)討伐に協力することになり、対策を検討しようとしていたその時に兵士が会談の場に飛び込んでくる。


「無礼ですぞっ、来客中にっ!」


「も、申し訳ございませんっ緊急事態でございます」

「が、ガレイド王国西部の山脈で、今朝火山爆発が発生し甚大な被害が出ており、救援要請が来ております」


「なんだと!」



 ――ガレイド王国

王国の7割を山脈が締め、主に鉱山での発掘を国益としており、ノモナーガ王国の西側に位置し友好関係で貿易も盛んである。

山脈では『バリア・ストーン』の材料となる石が発掘されることがあり、それが起因してか、魔物はほとんど住み着いていない場所としても有名なのだ。

しかし、直近では15年前にフォルブレア火山が大噴火して大騒ぎとなったが、もともと活火活動が激しい土地柄であり、そもそも魔物が少ないのは、その事が起因しているのではないかと言われていた。


「あの国は何度か噴火はあったが、大噴火以降、ここ数年は小規模だったのに……」

「救援要請が来るとは、それほど甚大なのか?」


(フォルブレアって、アンナさんが『ヒーリング・ストーン』を見つけたとこじゃなかったか?)


(そうだったね)


「どういたしますか? 至急返答をいただきたいとガレイド王より依頼が……」

「現在、大使館にいるガイルには詳細情報を入手するように指示しておりますが、今からの調査では半日はかかると」


「――ノキア王」

「そのガイルさんのお顔を誰か、ご存知ででしょうか?」


ルティーナはノキア王に、シャルレシカとサーミャが居れば転移でガレイド王国に転移ができると説明し、(デンゴラド)討伐まではまだ時間があるので、緊急事態を対処するために先遣隊として自分たちが調査に行くと伝える。

「確かに、それならば迅速に救援部隊を送ることができる……」


「私ならガイルの顔がわかります。連絡担当同士の付き合いですから」


「じゃシャル、お願いね」


シャルレシカは水晶にガレイド王国に居るガイルの顔を浮かばせサーミャはじっと観察していた。

ルティーナは、早速、転移魔法で転移するため、ガイルに1人だけ部屋にこもり、黒い空間が現れてもあわてないように伝えてほしいと指示した。


「て、転移魔法ですと!」


「一部の者だけの極秘事項だ! 知っている人間を必要最低限にしたい……わかるな?」


「はっ!」



そんな中エリアルは、自分がこの場に残り4人で向かって欲しいと言い出す。


「先遣隊なら君たち4人が適任でしょ」

「リーナは治療できるし、シャルは被害拡大を予知、防止できるかもしれないからね」

「僕は、壊れてしまった剣の代わりの武器を作っておきたいんだ」

「それに、トモミさんとの調和の時間に充てたい」


ルティーナはエリアルに感謝しつつ、サーミャにガイルの顔を覚えたらエリアル用に連絡用の小鳥を用意するように指示した。

その話を聞いていたノキア王は、エリアルにこれからギルドに行ってもらいブランデァに声を掛けられる限りの冒険者と馬車、そして救援物資を準備し待機させておくように伝え、ルナリカからの情報が入り次第、大至急ガレイドに向かうように依頼した。


「じゃぁ、武器はとりあえず後日でもいい? 今日はギルドで待機しててね」

「もしエルの力が必要なったらミヤの魔法で呼び寄せるからね」


「あぁわかった。その時は遠慮なく呼んでくれ」



「ではルナリカ、申し訳ないが状況確認次第、エリアル経由でギルドに報告を頼む」

「エリアル、連絡の者をよこすので逐次状況を教えてくれ」


「「分かりました」」


「ルナっ、顔はバッチリ覚えたぜ」


「ルナリカ様、ガイルに話を通しておきました。これからすぐで、よかったでしょうか?」


「そうですね。ありがとうございます」

「では行ってまいります」


「うむ、お前達、頼んだぞ」



 そして、ルティーナ達はガレイド王国の大使館へ転移していった。

無事にガレイド王国に到着したルティーナ達はガイルに連れられ王城まで案内される。

その途中――。


「あレか……かなり向こうだが、噴煙が凄いな、今朝からってことはもう5時間ぐらいずっとかぁ」


「なんか不気味な空ですねぇ」


「人は住んでいないって聞いてはいるけど、鉱山で作業している人達はどうなんでしょう?」


「それもあるけど、あの火山灰とか溶岩はどこに向かっているのかしら? 城下には来ないわよね?」

「シャル、危険は感じる?」


「う~ん、大丈夫だと思いますがぁ……」


「が?」


「未来視したわけではないですがぁ、私たちのぉ行動がきっかけで状況は変わるかもしれませんよぉ」


(あ、確かに……でも現時点では、この場所まで被害はないってことだな)


「だけど、こっちに近づいているように見えるぞ……」



そして、城に到着したルティーナ達は王宮の災害対策本部へと迎え入れられる。


「そなた達は? ノモナーガからの支援なのか? あまりにも早くないか?」


「ガレイド王、お初にお目にかかります」

「私たちは、ノモナーガで冒険者をしておりますギルド序列1位の『零の運命』、私がその(かしら)で、金の冒険者をしておりますルナリカ=リターナと申します」


そしてルティーナは全員を紹介し、自分たちは付近で任務をしていた途中にノキア王から現地に行くように指示を受けたと状況をごまかす。

ガレイド王は、現状の報告として現地調査に行った近衛騎士団が連絡がとれなくなり困り果てていたことを説明する。


「連絡が取れないですって? ――急がないといけませんね」

「私達は直接現地に行き状況を確認後、ノモナーガから冒険者を救援に向かわせる段取りでございます」

「もし、近衛騎士団が負傷等しておりましてもロザリナが居りますし、危険はシャルレシカが察知できますので、ご安心ください」


ガレイド王は言葉に甘え、早速ルティーナ達に調査に行くように依頼をした。

そして馬車を手配し、現場近くの入口付近の馬車で行けるところまで案内させるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ