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☆見知らぬ世界で、少女のお目付け役になりました!  作者: うにかいな
最終章 ~黒竜《ブラック・デンゴラド》~

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218話 復興

ルティーナは今まで抱えていた秘密を皆に吐き出すことができ、久しぶりに笑顔で皆との時間を過ごしていた。

しかし、彼女達は黒竜(ブラック・デンゴラド)を討伐する前にやらなければいけない事が残されていた。


「ところでルナリカ、ハルトさん達はこれからどうするんだい?」


「このまま、ここでお母さんたちに面倒見てもらって、アジャンレ村で余生を過ごしていただこうかと」


ルティーナは、昔の勇者の出来事から長明(ながあき)があのような所業を行った理由も説明しており、アンハルトやバルストはあえて、ノキア王の事やそれに仕える暗殺部隊の事に彼女が振れなかったことを気にしていた。


しかし、ルティーナはノキア王を信じていないわけではないが、8年前の勇者召喚が成功していたら、どうするつもりだったのかの真意を確認するまでは春斗(はると)達の事を隠すつもりだった。

そして、その旨を皆に説明するのであった。


「そうだな……でも、そんな話、俺達に先に話してよかったのか?」


「皆さんとは運命共同体ですよ。今さら隠し事する仲でもないでしょ?」

「それに、黒竜(ブラック・デンゴラド)の件で力を貸してもらわないといけませんしね」


「お前らなら全員でかかれば、たかが魔物一匹? 楽勝じゃねぇのか?」


「相変わらず、筋肉脳だな? グルバス?」


「あぁ~ん? やんのかサーミャ」


「僕達は、イスガで赤竜(レッド・デンゴラド)と戦ったんです」


「「「「「「!」」」」」」


「それに勝ったのなら楽勝じゃないんですか?」


「いいやそうでもねぇよブライアン、あたいの不意打ちで動けなくなった奴を、なんとかルナとエルでトドメを刺せたんだが……」


ルティーナ達は、その赤竜(レッド・デンゴラド)は下っ端だということと、他にも居るといわれる(デンゴラド)はさらに強いことを示唆していたことを伝えた。


「それだけじゃないんだ……そいつよりさらに強いって言ってやがった」


「――言ってる?」


「彼らはムルシア語で思念のように語り掛けてきます」


「もう何がなんだか……」


「では、その時に、お姉ちゃんが居たとしても苦戦したのですか?」


「そうだね。奴は空を飛ぶ上に、思考を読んくるし、攻撃力も半端なかったからね」


「おいおい待て待て、お前らは俺らを差し置いて、ギルドの冒険者ランク序列1位なんだぞ」

「『零の運命』が全員揃ったら、国を滅ぼすなんて冗談で言われているぐらいなのに、それでも苦戦するって……ますます俺達が出る幕なんて――」


「なので、これから皆で何ができるか? 残り半年で計画していくべきだと、マコトが言っているんですよ」


「そうだな。この国をほろぼされてはたまったもんじゃないしな」

「みんな、俺達も自分たちが出来ることをやって、ルナリカ達を支援する。文句はないな?」


「あぁ」

「そうね」

「はい」

「わかりました」


「私たちは?」


「お母さん達とヘルセラ様は、この村で討伐を祈りながら村を復興していてください」


「そうね」


「うむ、わしももう歳じゃしの。予言する力ももう弱まってきておる……あとはシャルレシカに任せて、大人しくお前らを見守っておるよ」


「ヘルセラ様のおかげで各国の国王と色々結びつきができたので助かりました」


「そう言ってくれるなら本望じゃて」


「ところでルナリカ……いやルティーナ、いつノモナーガに戻るんだ?」


「ルナリカでいいですよ、アンハルトさん」


「ありがとう」

「あと2日ぐらい復興作業に時間がほしいんだが……せっかくここまで付き合ったんだから、復興作業をやり切りたいんだ」

「で、正直、お前たちが居ないとノモナーガに帰るのが一苦労どころじゃないからな」

「だから、ノキア王への報告は待ってもらえないか?」


「そうですね。では、私たちもあと2日ここに滞在することにします! みんなで戻りましょう」


(ノキア王……)




 ひと時の平和を取り戻したルティーナ達は、翌朝から早速アジャンレ村の復興を分担して作業を開始した。

ルティーナとサーミャは、アンハルト達が設定した『バリア・ストーン』の場所へ赴き、大きさを元に戻し魔物結界用に魔力を充電を行ていた。

ロザリナはヘレンとシェシカと一緒に怪我人の治療やケアをし励ましていた。

シャルレシカとエリアルは孤児院の子供達と、家を壊されて元気がなくなっている子供達の面倒を見る。

そしてアンハルトとブライアンとグルバスは、バルストの指揮の元、壊れた民家の復旧を進めていた。


数時間後、結界構築が完了しルティーナとサーミャがシャルレシカ達と合流し、一緒に子供達と遊んでいた。


そんな中、ルティーナは浮かない顔をしていた。

いつも絡んでくるアジャンレ村の子供達すら、気を遣っていたのだ。


(マコト、子供達、私に寄ってこなくない?)


(俺の悩みがルナの顔に出てるんじゃないのか?)


(え? そ、そうなのかな? 意識していない……)

(と言えば、嘘になるわね)


(ルナが気にすることじゃないさ、ノキア王に何を質問しようか頭が回らないんだ……不安になるような独り言ばっかり言っててゴメンな)


(だけど、返答次第では……だよね)

(んん私は、マコトがどんな選択をしても信じてるからね! みんなも一緒の気持ちだから)


(ありがとルナ)



「――ルティーナぁ!」


「はぁ~い、お母さんどうしたの?」


「ハルトさん達がお話したいことがあるって! あとロザリナにも声をかけて5人で来てほしいって」


(?)

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