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18話 仕事無シ

馬琴(まこと)は、ルティーナの職業でも存在感を示さす為に自分の『能力(ちから)』を有効利用する武器を模索し、鍛冶屋タリスで『手裏剣』の武器化を依頼することになった。

この世界では見た事もない武器であり、使い勝手をルティーナが示したことでタリスが興味を持ち、商品化する話にまで進展するのであった。


 ルティーナは鍛冶屋から手裏剣の商品化についての条件が提示された。

製造と販売権を、第三者――ギルド――から商人を通して契約させ、販売額の1割を著作権として受け取るということで、話をつくのであった。


とりあえず手付金で金1枚を受け取り、二日後に無償で手裏剣とクナイを20個づづ準備してもらえる事を約束し、鍛冶屋を去った。


「ルナリカっ、とりあえずギルドとの手続きは、こっちでちゃんとやっとくからまかしときなっ」


「はいタリスさん、よろしくお願いします」


ルティーナは思わぬところから軍資金と武器が手に入ったことに、自分が『白の冒険者』で登録されて落ち込んでいた事も吹き飛んでいた。


(こういう話はまかせなさい! ……ところで、シャル……ぐったりしてない?)


(え? ホントだ……。疲れちゃったかな?)


「シャルごめんね、お待たせしちゃって。カルラの宿に行くよ!」


「もうぅ、お腹ペコペコだよぉぉぉ。眠たいですぅ……」


((どっちだよっ……))


 ルティーナは、まわりのお店には興味があったが、シャルレシカを見るに見かねて日が落ちる前にカルラの宿に向かうのであった。

そして宿が見えた当たりで、待ちわびるようにカルラが手を振って外で待っていたのだ。

カルラのはしゃぎ声が聞こえた両親も慌てて飛び出してきた。

両親はシャルレシカを見るやいなや手をつかみ、感謝を述べ、助けてもらったお礼がしたいと話していたところへ、カルラが割り込み、助けたのはルティーナの方だと謝るように言われるのであった。

ルティーナは謝罪されながらも、自分達がしばらく泊まれるように部屋を少しだけお安くしてもらえればとお願いすると、あっさり了承され、むしろ住んでもいいとまで言われてしまった。


さすがに住んでいいというのは今後を考えると自由度が無くなると馬琴(まこと)に指摘され、ルティーナは格安の料金でしばらくの宿と食事をお世話してもらえる事で落ち着くのであった。

2人は早速食事をさせてもらい、その後、初めての宿の床ではしゃぐいでいたが、数分もしないうちにぐっすり眠ってしまった。



 翌朝、2人はギルドの掲示板の前にかじりついていた。

自分たちが受けられそうな任務はないかと探していたが、魔物退治や護衛の仕事の条件は想定どおり『戦士』『魔法使い』の職業であったり最低でも『銅の冒険者』でないと厳しいものばかりであった。


「おじいさんのぉ~言った通りぃだよぉぉぉ~」


(職業条件が無くても、逆に階級条件がついてるし……。こりゃ、骨が折れるな……)


(マコト、いつもみたく悪知恵、考えなさいよ!)


(おぃっ! ルナ~人聞きの悪いことを言うなぁ~)


2人が意識の中でもめていると、昨日の受付嬢が話しかけてくるのであった。

彼女の名前はレミーナ。このギルドでは若いながらもベテランの受付嬢である。

ルティーナはレミーナに泣きつき、こんな自分たちでも任務が無いかを問うのであった。

職業が無いと斡旋もしにくい現状を説明し、そういう場合は4つの方法を検討することを勧めた。


 ・職業を身に着ける

 ・他の冒険者の仲間に入れてもらい、その階級を利用して任務を受ける

 ・有能な冒険者とパーティーを組み、その階級を利用して任務を受ける

 ・軽作業――家の警備とか、魔物の残骸処理とか――を大量にこなし続ける



「レミーナさん、参考までに教えてください。軽作業って、どれぐらいの報酬で、それで、銅の冒険者になれるんですか?」


「そうね、内容にもよるけど、一日やっても、銀貨5枚から10枚。100案件ぐらいこなせば、なんとか認定されるかな……」


(ひ、100案件?)


(宿代・食事代込みで1人銀貨3枚――今は、2人で銀貨1枚にしてもらってるけど……ほとんど自転車操業じゃないか!)


(手持ちもあと金1枚しかないわよっ! 手裏剣もまだお金にならないし……あと10日以内に何か見つけないと)


(簡単な作業ねぇ……。あっ!)


(マコト? なんか悪だくみをひらめいたみたいね――)


(悪だくみっ言うなっ!)



 そして馬琴(まこと)の提案で、早速2人はなけなしのお金で馬車を捕まえ、アウリッヒ王国に向かった。


「ところでぇ、なんでぇ~突然ん、アウリッヒ王国にぃ行く気になったんですかぁ? ルナぁ~」


「ん、そっか話してなかったね。そこってドリネさん達が住んでるのよ」


ドリネ達に頼めば仕事を手配してくれるのではないかという安易な作戦であった。

日が落ちる前にドリネの館まで辿り着き、ルティーナは早速扉を叩いた。

すると、屋敷の扉が開き中からミリアが出迎えるのであった。


「えっ! ルナちゃん? シャルちゃん? 無事ったのね2人とも……こんなに早く再会できて嬉しいわ! ここじゃなんだから中に入って頂戴っ」


「おばさん達のおかげで、お父さんの噂、ちゃんと広がってました。本当にありがとうございました」


「今日は、ちゃんと王国にも、その事を話しておいたからね」

「バルストさん達は無事なの?」


積る話しはたくさんあったが、ルティーナは2人に相談したいことがあると話しを持ちかけるのであった。


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