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☆見知らぬ世界で、少女のお目付け役になりました!  作者: うにかいな
第漆章 ~無明長夜《むみょうちょうや》~

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150話 状況把握

 シャルレシカの予知夢「ルティーナが目隠しで拘束され、ノキア王に水晶を持ち迫られている様子」を見たことを逆手に取り、ノキア王の行動を関しすることにした。

そうすることで、今は誘拐されているルティーナは必ず接触することを確証していたからである。

そして、ノモナーガ城まで運ばされたルティーナは夢の通りに牢屋に拘束される。

馬琴(まこと)は機転を利かせ、治療の為、小さくしていたロザリナの漢字を解除することで元に戻すのであった。

それが到着したとのメッセージだと確信したサーミャは謀反を承知で、ノモナーガ城への突入を決断する。

 サーミャは着々と突入する準備を始める。

しかし、アンハルトはルティーナを誘拐した謎の黒魔法使いの対処を考えていない彼女を不安そうな顔で見つめる。


「あ? アンハルト、あいつらのことを気にしてんだろ? あいつらは、人が居るところでは活動しやしないさ」

「王宮には、あたいらに群がる兵がうじゃうじゃいるんだからな」


「だが……」


「それなら、私も1つ弟子に魔法を教えておくから、それがあれば――」


シェシカは、ロザリナに宿にの残さていたアンナからもらっていた杖を渡し、『シャイン・キャンセラー ――魔力阻害――』を伝授するのであった。


「この魔法は戦闘前に仕掛ける魔法だから、興奮状態でなくても杖があればなんとかなるでしょ?」


この魔法は、自分中心に決めた範囲の特定魔法を一定の時間だけ無効化できるものであり、それを聞いたサーミャに『歩くシールストーン』と揶揄されてしまう。

しかし、これは完全に魔法をかき消すものではなく、仲間が使う魔法は普通に通すことも、もちろん、自分の魔法は普通に使うことはできるのであった。

魔力範囲と効果時間は自分で決めることができるが、魔力を大量に消費するため使いところを見極める必要はある。


「さぁ、すぐ出かけるんでしょ? ぱっぱと使いこなしてみなさい!」


「お姉ちゃん、私が魔法を撃つから試そうよ」


ロザリナは、シェシカとヘレンと一緒に魔法の特訓を始めるのであった。


「ところでサーミャっ、このデブラクどうする?」


「とりあえずこいつは、ルナを助けたら、いつからいろいろ聞かせて……いや、シャル様に覗いてもらうさ」

「それまで、不気味かもしれねぇが預かっておいてくれ」


シャルレシカはノキア王の動きを監視していたが、移動を始めたとサーミャに伝える。

これからシャルレシカの予知夢の状況になる可能性が高かった為、魔法の練習をしているロザリナに突入を急ぐことを伝える。


それを聞いたヘレンは、城に放っていたネズミの状況を確認し、2匹が拘束されたルティーナを発見していた。


「ルナはノモナーガ王城の地下4階の牢屋に閉じ込められているみたいです」

「ルナには意識が無いような感じですが、椅子に縛られています。……他には監視は居ないみたいですね」

「もっと近づいて確認したかったのですが、また、魔力妨害されると困るのでここまでですかね」


「それだけ解れば充分だ、ありがとよ」


「さぁて、リーナは呪文を覚えられそうかい?」


「あまりにも長いので10秒ぐらいかかっちゃいますけどね……なんとか」


「んじゃ、さくっとルナを救出して、ノキア王の正体を暴いてくるわ」


「「姉ぇさんっ!」」

「ご武運を」

「気を付けて」


「ややこしいわよっ! あんた達っ」

「さぁ行くよ!」





 4人のモノナーガ城への乱入が開始されようとしていた頃、ルティーナは意識を取り戻しはじめていた。


「うぅ~……あ、頭が――」


(し~っ! ルナ、喋らず目を閉じてっ)


(え? マコト? 何よ……あっ、そっか私)


(誘拐されて捕まってるんだ)


(マコトは……そっか、私が寝てても関係ないんだもんね)


馬琴(まこと)はダブリス達の会話からある程度は情報を整理しており、それをルティーナに簡潔に説明した。

そして、ゆっくり目を開き様子を見るように指示をする。

しかし、眼の前は白い布が広がっており、目隠しされていることを理解した。


(見えないけど、なんかジメジメしてる感覚が……ここはどこなのよ? マコト)


(……ここは多分、ノモナーガ城のどこかは間違いない)

(そして、首謀者は――ノキア王)


(今回のリーナ誘拐を利用して、私を……)

(確かに私、可愛いけどさぁ~あいつ幼女趣味だったなん――)


(なんでそうなる)


(だってさ、それ以外に誘拐される理由が……)


(――冗談はさて置いて)


(ひ、酷ぉ~い)


馬琴(まこと)は、とりあえず次の手が打てるようにルティーナが今どういう状態なのかを確認した。


(うん、頭がぼぉ~っとするだけで体は痛くないけど……何かに固定されてるの? 全く身動きが取れない)

(それと手の平が……手の甲同士がくっ付けられてる? 背中側で縛られてる感覚……)


(『能力(ちから)』を理解されている対策だな)


(あっそっか……【(ばく)】を描いて転写が出来きずに起動しちゃったら、手がなくなっちゃうもんね)


(手から具現化できる漢字のことを知っている……やはり、ノキア王の中には俺と同じような人間が潜んでいるとしか)

(8年前にルナと同じく、王都爆破事件に巻き込まれた時に、勇者召喚した水晶に触れたんだ)


(ノキア王にも誰かが取り憑いてるってこと?)


(憑くって……俺は呪いか何かかっ! しかし、それだとルナみたいにノキア王は自分の意識を持っているはず……)



 2人はしばらく語りあっていたが、その時、牢屋の入口の施錠ははずされ扉が開く――。


ギギーッ!


(ん? 扉か何かが開いた? 誰かが来る?)


誉美(ともみ)、逢いたかった……もうちょっとまっててくれ、外に出してやるからな」


((!))


(誰だ? 間違いなく誉美(ともみ)と……俺が知っている奴なのか?)

(それに外に出すだと? 連れ込んだのはお前だろ?)


(でもマコト、この声って?)


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