表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆見知らぬ世界で、少女のお目付け役になりました!  作者: うにかいな
第漆章 ~無明長夜《むみょうちょうや》~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

143/250

143話 追跡調査

 ルティーナ達はロザリナを連れ去った男たちと遭遇する。

エリアルとヘレンはデダイパス化した男と対峙するが、ヘレンを蜘蛛の糸で人質に取られ苦戦を強いいられる。

2人にまかせて追跡を続けるルティーナとアンハルトであったが、洞窟の外に出ると海岸にたどり着いた。

そこに現れた男がデブラク化する。アンハルトは自分が引き受け、ルティーナを救援に向かわせる。

一方、サーミャ達は――。

 罠にはまり魔法の使えない土砂崩れに閉じ込められてたサーミャとブライアン。

ブライアンは気を失ったまま出血が止まらず10分近く経過していたが、焦る気持ちをおさえながらもサーミャは必死に『マジックシール・ストーン』が地中に埋めてあると信じ探していた。

馬琴(まこと)の予想を信じ、ひたすら想定される地面を突き刺し続けついに違和感のある場所を見つけ出す。


「ん、今のはなんだ、この感触っ……これか?」

「この野郎ぉ~っ!」


サーミャは『マジックシール・ストーン』を掘り起こし、粉々に破壊した。

それにより効果範囲が小さくなったおかげで、魔法が使えることが確認できた。


「よしっ! グルバスっ! 岩排除はもういいっ、さっさとそこをどけろっ」


「はぁ? みつけたのか? サーミ――」


 ――ドゴーンっ!

 

すさまじい爆音とともに、塞いでいた岩が崩れ道が開いたのであった。


「こ、殺す気かぁ~サーミャっ」


グルバスは爆発に巻き込まれひっくり返るも、それを無視するかのようにサーミャはシェシカを呼び、ブライアンの治療をさせるのであった。


「あんたは頑丈なんだからそう簡単には死にゃ~しないわよっ」


「(ひでぇ~)」


シェシカはブライアンを治療し始めるが、自分の『シャイン・レストレーション』による完全回復の効果時間を経過していたため、しかたなく最大の『キュア・ヒール』を必死にかけ、傷跡は残ったものの命をとりとめたのであった。

しかし、血液までは復元できないため、自然に目を覚ますのを待つしかなかった。


「足を骨折してしまってるみたい。間に合わなかったわ」

「ごめんなさいね……一時は白金とか騒がれてた私なのに……ロザリナちゃんなら……」


「そんなことねぇよ。あたいが不甲斐ないばっかりに……本当にありがとよ」



罠から無事に脱出したサーミャは、シェシカからロザリナは向こう側にいた事と、洞窟に突入した報告を最後にヘレンと連絡が取れなくなったという。

一刻も早くルティーナ達と合流したいサーミャであったが、冷静にグルバスにブライアンを連れて馬車に戻るように指示した。


その様子見ていたシェシカはサーミャが何をしようとしているかが手に取るようにわかり、自分もついていくと言い出す。


「やり返さないと気がすまないんでしょ? 私も行くわ、万が一の回復師は必要でしょ?」


「ふん、さすがにバレバレだな。ありがたいけどブライアンに急変があったら困る。ついて行ってやってくれねぇか?」


シェシカはサーミャの言うことを聞き入れ、3人は先に拠点に戻ることにするのであった。

そしてサーミャはシャルレシカを連れ、逃亡している男を捕まえ情報を得ることを優先するのであった。


「シャル、あたいに付き合ってもらうよ」


「勿論ですぅ~! あの男は補足してますよぉ」



 サーミャはシャルレシカの案内の通りに、洞窟の奥へと突き進んだ。

それから、たいした時間をかけることもなく、その男を追いつめるのであった。


「逃げ場はねぇぞっ!」


「ひぃ~っ……」


しかし、シャルレシカがサーミャを静止し、追い詰めた男から悪意が急に消えたと騒ぐが、サーミャはそれを振り切り男に掴みかかる。


「(だが、こいつのこめかみにドグルスと同じ痣があるじゃねぇかっ! 騙されるものかっ)」

「こいつ組織の人間に間違いねぇんだっ! なんでリー、いや、ロザリナを誘拐したぁっ!」


「くそっ、なんだてめぇらっ! そもそも、ここはどこだぁ~っ」


男は何もなかったかのように、自分がなぜこんなところに居るのかすら解らず混乱していた。

彼は、自分はノスガルドで知り合った男と気が合い、その男が泊まっていた宿に一緒に止まり、酒を飲んで大騒ぎをしていたことを思い出し口走る。


「はぁ? いまさら何言ってんだ! お前のこめかみの痣が証拠なんだよっ! しらじらしい嘘ついてんじゃねぇっ」


「さっきから、誘拐だの痣だの何のことだっ! 意味がわから――――」

「――い、いや……なんだ、この記憶は……俺が……誘拐?……なんでエレンを……」


「(……んっエレン……誰だ?)」



サーミャはその男に大人しくするように命令し、シャルレシカに彼を触れさせ、記憶を読み取ることにした。


――その男の名前はガベル。

ロザリナを誘拐する前日の話。彼は普段から目が届く範囲で、いつも自分が捨てた娘を密かに見守る生活をしていた。

その娘の名はエレン。彼女はおそらく友達と思われる冒険者達とカルラの宿に泊まっているのを遠くから伺っていた。

そんな中、見知らぬ男リブキンに声をかけられ意気投合し、その男に誘われ数日前から宿泊しているカルラの宿の部屋に案内され、宴会になり盛り上がるのであった。


一方でスレイナがアジャンレ村とルティーナの戦闘中に得た情報で、ナガアキは早速ガベルを洗脳していた。

それにより突然、何かの黒い意識に彼は飲み込まれてしまう。


そして彼は、一緒にいたカブランに、今からロザリナの誘拐をすると指示を出した。

リブキンは急変したガベルに驚きはしていたが、スレイナから何をするかも聞かされずガベルを誘い、ただ宿で待機するという意味を理解し、洗脳されたガベルと共に行動を起すのであった。


リブキンは意味もわからず持たされていた『マジックシール・ストーン』の首飾りと痺れ薬を荷物から取り出し、痺れ薬の方をガベルに渡し、2人はロザリナの就寝中に部屋の壁に土魔法で風穴をあけ押し込んだ。

何が起こったか解らぬまま目を覚ますロザリナであったが、ガベルは痺れ薬をかけ一瞬動きが止まった隙に、リブキンが首飾りをロザリナにかけて拘束に成功するのであった。


「だから、リプキンって野郎はもともと数日前からあたいらに対して悪意がなかったから、シャルも気づけなかったってことか……」

「……あの鷹女? 糞魔法でリーナしか居ないのを見抜いて」



そして、彼らはロザリナの部屋の荷物を回収し、わざと杖だけを残して翌朝、袋つめにしたロザリナを担ぎ出し宿を後にするのであった。

その後、他の仲間2人と合流しリプキンはロザリナを連れ一緒に去り、残された自分はこの罠だらけの洞窟の裏口から入り、1人でルティーナ達が捜索にくるのを待ち構えていただけなのであった。


「あの杖はワザと足取りがつくように……用意周到だなっ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ