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☆見知らぬ世界で、少女のお目付け役になりました!  作者: うにかいな
第漆章 ~無明長夜《むみょうちょうや》~

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141話 洞窟探索 ~後編~

 先に到着したサーミャ達は先行して洞窟探索を始め、そこで不審な男を見つける。

しかし、それを追いかけようとした時、サーミャはブライアンと共に落石に巻き込まえれる。

そこは『マジックシール・ストーン』の影響下にあり、2人は閉じ込められてしまった。

その頃、ルティーナ達は西部にある峠の目前までに迫っていた。



洞窟潜入チーム(東部側峠班)

後方左から ヘレン/エリアル/アンハルト

手前はルティーナ

挿絵(By みてみん)

 サーミャ達が罠にはまってしまった情報をうけたルティーナ達は、希少な『マジックシール・ストーン』の罠が使用されていることに焦りを感じていた。


「やっぱり、向こうが本命なのだろうか? どう思う? ルナリカ」


「私達が追ってくるのを想定してなければ、そんな準備はしないでしょうね」


「それじゃ、ここはハズレなのか?」


(確かにそうなるよな……腑に落ちん)


「お~いルナリカっ、サーミャも心配だが、こっちも現場に到着だ」


ルティーナは、ヘギンズに少し離れたところで馬車で待機するように指示し、万が一、眼の前に突然、黒い空間が発生しても慌てないようにサーミャの転移魔法の事を説明しておくのであった。

そして馬車を降り、ヘレンは早速サーミャから借りた『エクソシズム・ケーン』を使い『ダーク・マニピュレート』を詠唱し広範囲に展開を始めた。

すると、1分も経たないうちに、大量の野ネズミが集まり始めた。


「この杖凄いですね……こんなに早く……しかもいっぱい」


(げっ、やっぱりネズミじゃんっ)


「むぅ~ルナリカは、またネズミ~って思ったでしょう?」


「あれれ……」


「もうぅ~この子達は、この辺に生息している子たちだから地理に詳しいわよ」


ヘレンは、ネズミは小回りが効き足も早く、狭い隙間にも入りこめ、暗闇の中でも不自由なく行動できる、洞窟内の索敵には適任な動物だと熱く語る。

そして指示を出し洞窟の中に潜入させた。


「でも、ちょっと時間かかるかもだけど、何かを見つけたら教えるから集中させてね」


「よろしくね、今はヘレンが頼りだからね」


「ところでルナリカ、ヘレンが探してくれている間に相談なんたが」


アンハルトは、洞窟への潜入の配置をルティーナに相談し始めた。

彼は、二刀流になったエリアルがこの戦力では最強だと語り、先導をお願いしたいという。

ルティーナの実力も認めてはいるが、どちらかというとサポートとして最強と考えていた。そのためヘレンの護衛をしてほしいと相談した。


「いえ、それはいいんですが……アンハルトさんは?」


(彼も、『碧き閃光』で(かしら)を名乗っているんだ……それなりに強いはず)


「俺は、最後尾でいい。俺の戦い方は連携に適していないんだ……」

「誰もいないとことでしか全力が出せないもんでな」


「?」


(だから、あのヘルグレンの森での戦いは、実力を出し切れていなかったのか)


「もしこの洞窟でも『マジックシール・ストーン』が使われていると判断したら、ヘレンとエリアルは魔法が使える場所まで下がってくれ」


「(そういえば、僕は魔法剣士で通ってるんだっけ?)」

「わかりました。様子を見て」


「(ところでエル、ドタバタでゆっくり話ができなかったけど、マコトの言う通りならあなたが想像した通り、私と『能力(ちから)』と同じなんだよね?)」


「(ルナと違って、持っている武器にしか使えないけどね……)」


ルティーナは自分が『マジックシール・ストーン』の効果範囲内でも漢字を使えたため、おそらくエリアルも使えると助言した。


「ルナリカの攻撃範囲を微調整できないだよな? その時は、2人を守って一緒に下がってくれると助かる」

「そうすれば俺の必殺技で道を切り開くっ」


(周りを巻き込んでしまうからなのか?)


するとヘレンが、野ネズミがロザリナらしき女性を見つけたと伝え、見つけ出した野ネズミに視覚共有をし確認し始めた。


「どうだ? ヘレン」


「ろ、ロザリナっ、ここにロザリナが居ましたっ! 間違いありませんっ」

「あと男が……3人居る」


(誘拐犯はもともt2人のはず……サーミャたちのところにも誰かが居たと言っていたな……仲間が居るってことか)


「それと、ロザリナの腕から管みたいな物が?」


「管?」


そしてヘレンはもっと接近しロザリナの状況を確認するために野ネズミを動かすが、突然、ヘレンは悲鳴を上げる。


「大丈夫ヘレン?」


「ねずみがロザリナに接触した瞬間、意識の共有が出来なくなりました。 もう一度、接続し直します」


馬琴(まこと)は、今までの状況と踏まえ、結論を出した。

つまり、ロザリナにだけ直接効果の範囲になるぐらいの、小粒の『マジックシール・ストーン』を持たせているのではないかと。

そうすることで、魔法の効果は彼女だけしか阻害されずに、誘拐犯は距離を置くだけで魔法が使えることになる。


続けて当日の誘拐の手口の糸も溶け始めていた。

2人の誘拐犯はもともとロザリナを誘拐するつもりはなかったのでシャルレシカに悪意を察知されていないのは確か。

そして襲撃する夜に1人が操られ、もう1人は脅されたか? なにかの報酬で協力させられたことになればすべての説明がつく。

おそらく、自分達の荷物から『マジックシール・ストーン』を、操られていない方が持ちロザリナに触れさせて、操られている方が、催眠薬か何かを施すだけだと。


こちらが本命だと確認できたため、サーミャ達が脱出したらこっちに合流してもらうようにシェシカに連絡するのであった。

その間にロザリナを見つけた野ネズミがヘレンの元へ戻り、ロザリナの居る場所まで案内役になってもらい、先程決めた体制で突入を開始することにした。


「こっちも罠の警戒しないと――」


「それは大丈夫よルナリカ、罠はすでに、この子達が無効化してるから安心して」


「……あはは、頼りになるわね」


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