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☆見知らぬ世界で、少女のお目付け役になりました!  作者: うにかいな
序章 ~覚醒~

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13話 疑惑

救援を求め近くの街まで羽ばたいていたルティーナであったが、途中で魔物よけの結界で設置されている『バリア・ストーン』を破壊した2人の男の姿を目撃する。

その男達に透明になり近づき話を聞いているうちに、一連のデフルウ襲撃の実態は、父親バルストの暗殺目的であったことを知る。

怒りを覚えながらルティーナの尋問が始まる。

 ルティーナは、日も落ち始めた焦りとバルストが暗殺されかけたという事実に動揺しながらも、馬琴(まこと)の存在がわずかな支えとなっていた。


「……ところで、なぜ、おと――、バルストを殺そうとしたの?」


ルティーナの声は、わずかに震えていた。

ギーダンはニヤついた笑いを浮かながら、まるで他人事のように言葉を放つ。


「し、知らね~よそんなこと、なんか秘密でも知っちまったんぢゃねぇ~の?」


ルティーナは眉をひそめながら


「待て待てっそれじゃぁ、死体を確認する以前に、生き残ったデフルウに襲われるとは思わなかったの?」


ギーダンは得意げに首にかけた首輪を指さした。

それは、依頼主にもらった『祝福の首輪』の恩恵らしく、この首輪は魔物が装着者を敵と認識しなくなる効果があると聴いている。

完全に父親の暗殺がはっきりした中、ルティーナの心の中は怒りが最大になりかけていた。

その時だった。

気を失っていた男が、突然首輪に手をやりながら苦しみ始めた。


「ぐ、首がぁ……じ、閉ま――」


首輪はみるみる縮み始め、無情にもその首を断ち切り、男は絶命した。

馬琴(まこと)は結末を見る前に咄嗟にルティーナの目を閉じるように指示した。


(あの首輪が? まさか実行犯も始末するために、魔除けだと思い込ませて着けさせたというのか?)


ルティーナは衝撃で言葉を失った。


「て、てめぇー! よくもよくもぉ兄貴を殺りやがったな! 俺から聞き出すことがなくなったから、もう人質はもう要らねぇってかっ、くそっ!」


ギーダンは先程まで仲間だった男の死体を睨みつけ、怒りを露わにした。


(何が起こっているんだ? とりあえず、こいつが生きてるうちに、もう少し詳しい話を聞き出すんだっ!)


ルティーナは毅然とした声で言った。その男を首輪のことを主張し依頼主が犯人だと言い聞かせ、自分達に協力するように促した。


「は、ハッタリをこいてんじゃねぇ~ぞ……あははは、俺は生きてるじゃねぇかっ!」


ギーダンは嘲笑ったがしかし、ルティーナは冷たく言い返す。


「祝福なんて嘘よ! もし魔物が居れば、魔物に襲われて殺される」

「もし魔物が居なくて、バルストの死体を確認をしたら、その首輪で確実に絞殺されるのよ」


ギーダンは外せない首輪に気づき、ルティーナの言い分を理解した。自分たちはデフルウを使ってバルストを暗殺すればそれで用済みだったのだと。

そして詳しいことを語りだした瞬間、時すでに遅く突然にギーダンの喉を締め付けられ、苦悶の表情を浮かべた。

そして、先程の男と同じように、首が切断され絶命した。


(くそっなんてことだ……、この事を皆に伝えないと……)



 ルティーナは二人の男の無残な姿を前に、強い衝撃を受け疑惑と不安が入り混じる中、ルティーナはその場を去り再び、救援を呼ぶより5人の身を案じ戻る事にするのであった。

そんな帰り道、2人は現状を必死に理解しようとしていた。


(……なんで、お父さんが殺されなきゃならないの?)


(バルストさん程の人に対して、暗殺は難しいだろうし、普通に襲撃したら、後に証拠を残してしまう)

(今回の事は、完全な殺人計画だよ。実行犯も、ちゃんとそれなりの理由でこの場に誘導して、始末することまで考慮して……。依頼者はかなりの手練れだぞ、用意周到すぎる!)

(このまま、バルストさんが街に戻ってしまったら……生き残ったことが知れたら……間違いなくこの先も命は狙われ続けるだろうな……)


(だったら、どうすればいいのよ! それじゃ、お父さんだけ身を隠すしかないってこと?)


(いやバルストさんが狙われってことは、アンナさんやルナも一緒に始末しようとしたと考えたほうが正しいだろう)。


(そ、そんな……)


ルティーナはショックのあまり黙りこんでしまった。


(しっかりしろっルナ! 俺たちでバルストさん達を守るんだっ! お前があきらめてどうする?)

(怖いだろうけど、お前は1人じゃないっ! 俺の『能力(ちから)』と知識で絶対なんとかしてやる!)

(ルナから元気をとったらルナらしくないだろ? 絶対、二人で真実を暴いてやろうぜっ!)


馬琴(まこと)は必死に、ルティーナに寄り添おうとしたのであった。


(う、うん、ありがとうねマコト)


ルティーナは顔を上げ、わずかに微笑みながら皆のもとへ力強く羽ばたき始めた。


しかし日は完全に堕ちてしまったため5人がどこに居たかわからなくなってしまったが、それを察知したシャルレシカが火を焚き目印にしたことでルティーナを導くのであった。


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