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105話 技術ノ知識

 見知らぬ地下の通路を進むルティーナ達であったが、3つの扉の前に立たされてしまう。

安全を期して5人で1つづつの扉を攻略する方法をとったが、扉にはおそらく王都での異常で誤動作をしたと思われ、サーミャの目の前からルティーナとロザリナ、エリアルとシャルレシカが消えてしまった。

残されたサーミャはやけを起こしながらも、開けていなかった最後の扉の向こうに1人進むことにしたのであった。


ロザリナとルティーナ

挿絵(By みてみん)

 1つ目の扉により転送されてしまったルティーナとロザリナは――――。

気づくと、目の前には見た事もない物が周りにあり、正面にはデカく黒いガラスのようなものに何かが写っている光景に、3人とはぐれてしまった事以上に呆然としていた。


(なんだこの部屋? コンピュータールーム? いや指令室のような……何故、この世界に)


(こ・ん・びゅ・…んっ)


(あぁ、ごめんごめん、俺の世界にあったものとそっくりだなってさ)


(マコトの世界にはこんなものが、普通に在るの?)


(軍事施設とかこんな感じだろうか?……知らんケド)

(ルナに操作説明は難しいか)


(この王国の技術って一体……マコトの世界と一緒なの?)


彼女たちの目の前にある『黒いガラスのようなもの』とは、天井から吊るしてある100インチ相当のモニター画面のことを言っていた。

そして周りには小さなディスプレイとそれを操作する端末やキーボードで囲まれていた。


「――ルナ? 聞こえてますか?」


「あ、ごめんごめん」


馬琴(まこと)はルティーナにわかりやすいように説明し、ロザリナに伝えるようにした。

彼女はこの部屋は何をする場所なのかを理解したが、ルティーナの知識にますます疑念が湧くのであった。

しかしルティーナはそれを察し、地上に戻るまで何があっても信じてほしいと彼女に願うのであった。


そして、ルティーナは馬琴(まこと)からの指示で、スイッチらしきボタンを押すように言われ、恐る恐る操作する、正面のモニター画面に映像が映し出されたのであった。

挿絵(By みてみん)



「ルナ、なんですかこれは? 」

「(あなた、本当に一体何者なのですか?)」


(これは、おそらくこの世界の地図だな)


(あぁ~もぅ、わけわかんないっ! もう、何も考えないっ)


馬琴(まこと)はルティーナに『地図』とは何かを説明した。

そこには、ムルシア語で国の名前との位置関係が描かれていた。


(どうやって画面の拡大をするのかわからないが……周りは海しかないのか?)

(でも、月とか太陽とか星は全く一緒なんだよな……この世界……)


「あのぉ~、ルナ? ルナぁ~? また、ぼぉ~としてますよ」


「あ、ごめんごめん」


(ルナ、とりあえず適当にボタンを押してみてくれ……地図を拡大できれば――)


(うん、わかった)


しかし、ルティーナはボタンを適当に押してしまい違う画面がどんどん映し出されてていくのであった。


(ちょっと、その画面で待ってくれ!)


(ん?)


(……これは、おそらくこの城の見取り図だ)


(よ、よくわかるわね。マコトの世界の文明と近いの? このイスガは)


「ルナ? こんどは一体なに?」


(これから言うことを、リーナに説明してやってくれ)


ルティーナはロザリナに、今、目の前に写っているものはこの地下の見取り図だと伝える。

悩むロザリナに、見取り図のある場所を指さし、自分たちが部屋から移動した通過した通路と扉の配置に見覚えがないかを問う。


「あ、本当だ。でも、私たちはどの部屋に居るの? この赤い点…5つって?」


そこには赤い点が、2つと2つの点はそれぞれが1箇所に固まり、あと1つの点が表示されていた。

1つの点は闇雲に動き、他の2つの点は全く動いていなかった。


馬琴(まこと)は、5つの点は自分たちの位置を表示しているものだと思っていたが、それであればサーミャ達が居る場所に3つの点が集まっているはずだと……。


(ミヤ達も分断されちゃったってこと? それじゃ……)


普通に1人になっているのは誰かを考えていた。

1人で闇雲に動く行動力を想定すれば、シャルレシカはありえないと。なぜなら、彼女は索敵ができるため誰かに近づく行動をするはず。

つまり、2人のほうにシャルレシカがいるのは間違いないと。


「1つの点は……ミヤかエル」

「そして部屋の中の2つの点は私たち」


「じゃ、この通路でゆっくり動いているのは……シャルと誰か?」

「でも、もう1つの鍵を持っているのはミヤだから、エルとシャルが目的地にたどり着いてもどうしようもないじゃない」


馬琴(まこと)はシャルレシカが居れば、こちらの位置を把握しているはずであると。

そこで、この画面の見取り図を、絵のうまいロザリナに、その辺りに散乱している紙に書き写してもらうように頼む。

その間、3人の同行を見守るルティーナと馬琴(まこと)であった。


(2人の方が真っすぐ、こっちに近づこうとはしている動きだけど、そのまま進むと大きな部屋に突き当たるのか)

(扉をあけたら転移されなければいいけど……これ以上分断されないかは見てから移動すべきだな)


(なんか、おかしくない? これじゃ、鎧の人形が正常に襲ってこなかったとしても、ミレイユさんなら迷子だよ)


(そうなんだよな、本当にこんな仕組みだったのかな? 想定外の異常が発生して故障して、防衛機能が動いているとしか……)


そして、2つの点が大きな部屋に無事に入ったことを確認し、移動していないことに戦闘にはなっていないと安心するのであった。

その頃、ロザリナは見取り図を綺麗に模写し終わるのであった。




(げっ、め、めっちゃめちゃ精密だな)


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