海人族の上辺
人族
人間族や獣人族、エルフ族、ドワーフ族、海人族といった者たちの総称
人間族
科学世界の人間とは魔力の有無でしか違いが無いような存在
2月16日
「晨弥君、いきなり呼び出してしまってすまないね。」
晨弥は国王に呼び出されていた。
「いえ。お気になさらず。それで?どうしましたか?」
「国際平和祭まで残り数日、王都内にも人が増えた。」
「そうですね。暗部と情報交換して不穏な連中の監視も続けていますが、、多いですよ。不審な動きしている連中全員がただの不審者だと楽なんすけどね。そりゃぁ、僕だって不審者の相手なんかしたくないですけど、実際にいるんだから、、そう願うほかないというか、、、」
「苦労を掛けてすまない。」
「それは僕以外に言ってあげてくださいよ。」
「では、そうするとしよう。」
「、、、、それはそうしてほしいんですけど、、、どういったご用件で?」
「、、、あ。」
忘れてたな、この人。
「僕は何をすればいいんですか?」
「今すぐにという話ではないんだけどね。平和祭期間中のほかの九世の動きも頭に入れていてほしくてね。もっと早く言うつもりだったのだが、、、遅くなってしまい申し訳ない。もうそろそろ、、下手をすれば今日にでも各国から来賓が到着するだろう。そうなると話すタイミングがなくなるからね。」
「他の九世の動き、、、ですか?あれですよね?九世はオーシャルとか帝国とかの王に護衛依頼を受けて一緒に行動するっていう体を取っているから、何かあれば王様のそばから動けなくなるっていう。だからソーアさんとか呼んだんですよ?」
「それも正解なのだが、、それでは完全ではないんだ。平和祭会議中に何か発生した場合、その国の兵士と契約をした九世以外は動けない。仮に今回、ここ王都が陥落することになっても。」
「は?え?ん?いやだって、、、大勢九世がいて陥落するなら、他の九世の立場も、、」
「それは多分、晨弥君が九世というものを少し勘違いしているからだろうね。」
「?」
「科学世界の価値観による弊害ともいえるのだろうけど、、晨弥君も知っての通り、九世は各国の王と同等の権力を有している。それは厄災に対する対抗手段として認められているから、それは理解しているね。」
「はい。」
「そしておそらく、厄災に対する対抗手段であるはずの九世がそろっていて王都が陥落したのならばその実力に疑問を持たれるとか、、そのあたりのことを考えているのだろう。ただ、この世界の価値観では国を守るのはその国の兵士たちであり、九世がどうとかは誰も気にしないから関係ないんだよ。」
「どこまで行っても九世は厄災戦の戦力でしかない、、と。」
「簡単に言ってしまえばそういうことだね。」
「なんというか、、、大事な部分の価値観の理解ができていない感じがしてすごい怖いですね。」
「そうだね。基本的に近しい価値観で成り立ってはいるんだろうけど、この世界は戦闘が根底に近い部分にあるから、その部分で違ってくるのだろうね。」
だと思って勉強していたつもりだったんだけど、、、。
なかなかうまくいかないな。
などと国王と話しているうちに
「失礼いたします。ぺロア帝国の皆様がご到着なされました。」
「ありがとうすぐに向かう。晨弥君も一緒に行くかい?」
「そうします。」
、、、、
帝国到着の報告を受け
出迎えに来てみたのだが
「オーシャルもいるじゃん。」
同タイミングでオーシャルも到着していた。
「よお!晨弥!元気そうZYAN!」
「グーエンさんこそ相変わらずチャラいね。」
「あらあらぁ?私には何もなし?晨弥ちゃん?」
「モーリンさんに何かあることあります?」
「確かにモーリンに何かあるとは思えないよNA。」
つまり九世も護衛という体でいるということである。
王たちは王たちで
九世は九世で
各々が会話をし、
その場はちょっとした挨拶にとどまり
日付を超えたころ、晨弥はオーシャルの女王に呼ばれ足を運んでいた。
「夜分遅くに呼び出してすまない。」
部屋に入って早々、晨弥に女王が話しかける。
「いえ。お気になさらず。」
女王と國宗爺さん、グーエンさん、あとは、、、護衛の皆さん
、、、あ。二人お子さんがいらっしゃる。寝てるけど。
「それで、、、どういったご用件で、、、」
「いや何、新たなる九世となった者に先達として会議の終わりにでも話そうとでも思っていたのだが、、色々あってな。」
「話は聞きましたけど、、、」
海人族の集落が全滅したって話なんだろうけど、
僕がどこまで口にしていいのか、これがわからん。
「ん?あぁ。そこの心配はいらないぞ?」
「って、言われましても、、、」
「ふむ、、、ならば、海人族についてどこまで知っている?」
「性別という概念が存在せず、生まれてから数年は繭?の中で過ごす。そして、、、、、現状、最後に人族としてみなされた種族。エルフ族やドワーフ族といった長命種の働きかけと、今の魔法の分類の基盤を作り上げた功績をもって承認された種族、、としか。」
「公開されている情報としてはそれくらいなものだな。性別の概念が存在していない。それに一番近いのは、、ゴブリンだ。人間族は性別の有無がもちろん存在している。獣人族やドワーフ、エルフも性別が存在している。そこを受け入れられる側と受け入れられる側での小競り合いが起こった。」
「そしてそれは次第に種族間での争いに発展していった。それが原羅戦争」
原羅戦争
ざっくり5000年前におきた戦争であり、
2大戦争と言われる全ての種族が参戦したと言っても過言ではないほどの戦争
その一つ。
もともとは海人族を人族として認めるか否かの人族の小競り合いであったが
エルフ族によって領地にしてはならない土地というものがあり、
いつしかそれの撤廃を条件とする動きが小国間で強まり
領土拡大に積極的だった小国たちが組んで提言。
これをエルフ族が拒んだことで
本格的に対立を深め、大規模な戦争へと発展していった。
その時代、小国は多く、人材もいたこと
さらに魔道具やアーティファクトを惜しみなく使用したことで
残りの人族とその他種族を相手どることができた。
結果としては小国側が敗北しいくつもの国が滅んだ。
また、使用されたとされる魔道具やアーティファクトは
すべての回収には至らず、現在も行方不明となっているものも多く存在している。
「その通り。ではあるのだが、人間族が海人族を拒んだ理由はもう一つ、というよりも、こっちが本命と言っていい理由がある。魔力量と肉体だ。前提として魔力量はエルフ族に次ぐ。海人族の肉体もかなり特殊でな、肉体は魔力を増幅させる。簡単に言えば同じ魔力量の同じ魔法でも海人族が使ったほうが火力が出る。どういうことかわかるか?」
「、、、、、奴隷ってことですか?違法な」
「そうだな。今の世界の価値観で行くと違法ではあるのだが、あの時代は海人族は人族として認められていなかったからな。違法でもなんでもなかった。私も母からとその時代を生きた海人族から教わったのだがな。もちろん、エルフ族を筆頭に長命種たちは人族への加入を認めるように何度も打診したのだが、いつの時代人間族が一番数が多い、人間族の大国がいくら認めても小国は海人族を使うことが一番簡単に大国と渡り合う手段として存在していたせいで、多くの小国が拒絶し続けたようだ。」
「、、、今更なんですけど、、、」
「?どうした?」
「それ、僕に話して良かったんですか?」
「構わん。」
「あ、はい。」
さいですか。
「ここからが本題なのだが、二人の子供がいるのには気が付いているのだろう?」
「え、まぁ。随分と魔力量の多いお子さん、、、あ。」
「察しの通り、海人族だ。それも」
「その襲われたって言う海人族の集落の生き残り、ですか。」
「話が早くて助かる。そしてここからは他言無用なのだが、、、」
あ、はいわかりました。
言いたいことを察したのか、暗部から言われていた
晨弥の護衛としてついている暗部に離れるようにサインを出す。
魔力感知も使い問題ないと判断し
「なんでしょうか。」
「今私の護衛として来ている者は全員知っているから話すのだが、あの子らの親は異世界人だ。」
「、、、、マジ、、、なんですね。海人族への転生者、、、」
「そうだ。出身は、、、、、ヨー何とか?だか何だか。私の古くからの知人だ。」
ヨーロッパかな?だいぶアバウトだな。クラウドもそんなだったっけ。
などとクラウドを思い出す晨弥を他所に女王は続ける。
「科学世界にいたころの名前は知らんが、この世界ではルカという名前だった。そして強かった。海人族は元来、戦闘を嫌う種族であった。その中でも自身の強さを自覚し、守るために戦いに身を置いていた。戦闘地点には日数があったというのに、あやつの魔力を確認できた。それほどまでの魔法を行使したということだ。それでも本人は現れず、死体もない。、、、そういうことなのだろう。まぁ、ここまではお主が気にしようがしまいが良いのだが、、この平和祭の終了後、あの二人を預かってほしい。」
「はい、、、、、、はい?それって、、、、」
それってつまり、厄介ごとの押し付けなのでは?
晨弥はその言葉を飲み込む。
「いろいろと理由は聞かないでおきたいですけれども、、、一つだけ。なんで僕なんです?」
「國宗が信用しているからだ。」
「あなたがそれで僕を信用するというならばそれ以上は聞かないでおきます。それと答えは、、、もう少しだけ待ってもらえませんか。」
「平和祭が終わるまでに決めてもらえるとありがたい。」
「わかりました。では、失礼します。」
晨弥体質後
「かれ、いいですね。いろいろと察しているのでしょう。」
高齢のドワーフが女王へと話しかける。
「ただ、危うさもある。であろう?ゴカラ。」
ゴカラ
1000年前の津波の厄災戦において
津波の厄災の影響により大量の海竜種が暴れだした。
その際にオーシャルの軍のトップであったゴカラは戦艦で出撃
九世が厄災の討伐に集中できるように
大量の海竜種を誘導し、鎮圧。
その際に負傷者こそでたものの
死者を出さなかったことから
オーシャルの伝説的な英雄の一人へと至ったドワーフ
「そうですね。おそらく心に暇がないのでしょう。おそらく彼自身は自分の強さを自覚はしているのでしょうが、その力のせいで無理ができてしまう。分かってはいるものの、どうしたら良いのかわからない。というのが正しいのかもしれませんね。ね?國宗殿。、、、国宗殿?」
「あの子らと寝ているぞ?」
「孫として接してますよね。」
「だろうな。」




