晨弥の異世界漫遊記 屋台
これは国際平和祭が始まるまでの2月中のどこかのお話
「やっぱうまいの?あそこの屋台。」
晨弥は騎士団の訓練場で珍しく訓練していたこともあり
騎士団の近い歳の人々と談笑していた。
「あそこはうまい。まじで。欠点は不定期で場所も特定の場所じゃないこと。」
今回話題に挙がっているのはおでんのような料理を出す屋台のことである。
「2月になってから全然見かけないってみんな言ってる。」
「なんか、その屋台だけ民度がやたら高いって話は聞いた。」
「あの店はねえ、支払い能力があれば職種とか関係なく平等だから、高給取りも結構見かけるし、そういう場に来る人は基本まともだから気さくに話しかけてくる。」
「なんだそれ。絶対楽しいじゃん。」
「うまいし楽しいぞ。ちなみにオススメは、アンレーの奴がうまい。」
アンレー
この世界に存在する牛のような存在。
ただ焼いて食べるだけでもうまく、野生にいれば他種族にまず狙われる。
ということもあり
人間種族側が放牧やらをしていることが大半
「絶対見かけたら行こ。」
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数日後
「あっ、、、、あった。」
相も変わらず既定の地点の状況確認を行った後
空中をプラプラと漂っていた時
例の屋台を見つけることに成功した。
Q、見回り中にいいの?
A、問題ありません。既定の地点の見回りは済ませているので。
そういう契約というか、、半分ボランティア的な、、、ね?仕事はした。
というわけで、すました面をしながら屋台の暖簾をくぐる。
「らっしゃい。何にしましょう。」
「っとぉ、、アンレーの肉と、、他はお任せ、、でお願いします。」
「飲み物は」
「水で」
「お好きな席でお待ちください。」
らっしゃいからお待ちくださいに普通なるのか?
日本で屋台とか縁日くらいでしか経験ねぇよ。
屋台で有名なの福岡だっけか?行っときゃよかったな。
まぁ、行く時間も金もなかったけど。
「隣失礼します。」
ぼちぼち混んでいることもあり
隣に人がいるところでもしょーがないと言ったところ。
両脇が開くように座りたいものなんだけど、、
なかなかそうはいかないよね。
晨弥は隣に座られたくない。または座りたくない。
その理由なんてものは
科学世界でも魔法世界でも変わらない。
「よくいらっしゃるんですか?」
もちろん、話しかけられることである。
こういう場に来ている以上、話しかけられることは分かっている。
それはそれ。これはこれ。というやつである。
「いえ、はじめてでして、知り合いに教えてもらったんですよ。そちらは?」
晨弥はなんだかんだ知り合いが多い。
科学世界でも魔法世界でも。いろんな役職や立場の知り合いがいる。
だが、自分からそういうものを作るのは苦手だと考えている。
とはいえ、話さなければならない時というのは往々にしてある。
その際に頑張って話したりして
自分の中で話せる相手が存在になるように努める。
そしてその人経由でまた別の人と知り合うなど連鎖させて
いろんなところに知り合いを作っていた。
魔法世界に来てからは自分から話しかけるようになったが。
そのクセ
晨弥は友達を作る、知り合いを作るという行為は嫌いではない。
何とも矛盾しているような気もするが、
晨弥の努力の結果、上記までたどり着いたというのもあるが、
晨弥が嫌っているのは
話したくないという思考から知り合いになろうという思考に変えることなのだろう。
ゆえに
この世界に来てから自分の居場所というものを肯定するために
無意識に友人を作るために頑張った結果
自分から知り合いを作ることは
苦手ではあるができる。という認識に変わった。
なんとも面倒くさい陰キャである。
「私は、、、ちょくちょくといったところでしょうか。」
「不定期で場所もまばらと聞いていたんですが、、そういうこともあってですかね。」
「そうですね。不定期でもいいので場所は固定していただきたいんですがね。」
「いろんなところでこれをやると面白い絡みが見られるもんでね。」
店主がそういいながら晨弥の注文を提供する。
この店では注文が届いたタイミングで支払う方式なので支払い
代金をもらった店主はまた別の客の注文を取りに行く。
「仕事に面白さを見出せるのはすごいことですよね。」
「僕も別に面白さを見出せているわけではないですからね。勝手に向こうから面倒ごとと一緒にやってくるんすよ。」
「私は面倒ごとが連れてくるのは面倒ごとですよ。ははっ」
「、、、あ~、、、何飲みます?だしますよ?」
その後、なんやかんや仲良くなった。
なんで頑張って話すのかなど色々ありますが、、、
それは別に対して深い理由などないですけど、まぁ、別の時にでも。




