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界の渡り人  作者: ホトトトギス
王都騒乱
91/91

少し話をしよう。ー2

 食事を続けながら

 晨弥はモリディに聞きたかったことを聞くことにした。

「モリディさんにずっと聞きたかったことあるんですけどいいですか?」


「ああ。構わない。」


「モリディさん、、この世界の精霊って何ですか?」

 この一言にモリディが多少反応を示したのだが

 晨弥は気付かなかった。

「モリディさんの二つ名とか、パーティ名とか精霊って言葉が使われているのに、この世界って精霊いないじゃないですか。あと竜人に巨人に悪魔。存在しない種族であるはずなのに言葉だけが存在している。科学世界にも言葉は存在しています。それでもどういった書物に出てきた存在なのか、どういった役割を果たす存在なのか、どういった創作生物なのか、それは明確にされている。だけど、この世界は本当の意味で言葉だけが存在している状態。だから一番身近でその名称がつけられているモリディさんに聞こうと思って。」


「私が知らない可能性もあるだろう?」


「それも考えましたけど、、、知っている側だと思います。ぶっちゃけモリディさんて何者なんです?他のエルフ族の方とも会ってきましたけど、、何と言うか根本的な部分でモリディさんが異質というか。ハーフの方とかが純潔のエルフ族とは異なるのは理解できるんですけど、、純潔のエルフ同士でさえも違う。どれだけ生きたか、それだけかと言われると、、、それも違う気がする。多分ソーアさんもモリディさん側。ソーアさんに聞いてもはぐらかされるだけだと思ったので。」


「そうか、、、、。。そうだな。まず最初に謝ろう。晨弥、今のお前にすべてを教えることはできない。だが、多少の知識をお前に与えよう。まず、ソーアも二つ名がある。数千年前の話で最近はめっきりその二つ名を聞くことはなくなったから晨弥は知らないだろうがな。奴の二つ名は炎の悪魔。」


「悪魔、、、、」


「そして晨弥今お前が思っていることを言ってみろ。」


「え?っと、二人とも一万年前から生きている。」


「そうだ。が、それに関してはそれ以上は教えられない。」

 この世界の過去の記述はどういうわけか1万年前の初代九世たちが

 生まれる10年ほど前からしか記述されていない。

「そしてもう一つだけ。私の本来の名前はモリディではない。」


「え?」


「そこから先は自分で考えると言い。案外すぐにたどり着けるかもしれないがな。ただ、それを言うのはやめておくことを推奨する。面倒ごとにしかならないからな。」


「わ、、かりました。」

そりゃまぁそうか


「どれ、そろそろ出ようか。これだけの情報じゃ私も申し訳ないからな。少し相手をしてやろう。」


、、、、


 王都をでて、草原にて

「どれ。晨弥、お前は契約魔法を知っているな?」


「あれですよね。魔獣使いが起源とされてるっていう。」


「そうだ。おそらく無意識で使っていることもあるだろうが意識的に使えるようになるだけで色々と便利だからな。利点の一つは疑似的に現時点の実力で使えない魔法を扱える点だ。ただ欠点もある。契約魔法に頼りすぎると使い手自身の技量が向上しない場合があるが、晨弥なら問題ないだろう。」


「契約魔法が及ぶ範囲ってどんなもんなんですか?詠唱による魔法発動補助とか火力増強とか色々ありますけど、、詠唱も契約魔法に含まれるんですかね?」


「完全に肯定はできないが、そう思ってくれていい。さて、契約魔法そのものについてはこんなものでいいだろう。それで、だ。晨弥、お前の良いところであり悪癖のようなものが、魔法を覚えるとき詠唱に極力頼らない点だ。無論、詠唱による火力上昇、詠唱ありきで経験を積んだ魔法もあるだろうがな。私が重力の檻を教えた時すでに解析鑑定の魔眼を使用して飛べるようになっていたというのもあるが、詠唱による使用ではなく魔法に込められたものに着目している。魔法というものは如何にその魔法を自分の中で理解できるか。もっと言えば自分勝手な解釈ができるか、だ。無意識だろうが晨弥は自分が納得のいく解釈を見つけ出そうとしている。時間がかかる可能性があるが、、自分の中で解釈できていればその魔法の応用が容易になる。お前の強みはそこだ。そこで時間がかかる可能性の部分を契約魔法と結界魔法でできるだけ補う。」


「あぁ~~~~~、、、あ?」

分かるようなわからないような。

あるよね。こういうの。


「詠唱なしの場合の一番の近道は目的の魔法になるように魔法を撃ちながら理解を深めることだが、それをするには場所的な問題もある。だから結界を作り出し、その中で魔法を撃ち続ける。」


王都とか聖都ではそういう場所貸してもらえたけど、、

いつもそうなるとは限らないからね。


「結界魔法って普通のでいいんですか?星代騎士団御用達のあの結界とかではなくて。」


「もちろん構わないが、使う魔法によっては結界が壊れる可能性がある。自分の魔力で作られた魔法は結界維持のエネルギ―として吸収するでもなんでもいいがそういった契約か付与をするべきだろうな。おそらく言わずとも無意識で対処していただろうが、、ものは試しだ。失敗しても止めてやる。」


「よろしくお願いします。」

結界、、、結界か、、、つまるところ僕がイメージして作らないといけないのは

結界の外殻?を破壊しない空間を作れってことだから、、、

あ!あるじゃん。合成種の時は焦って見えてこなかったけど、、

今なら作り出せる。


 晨弥は一瞬のうちに手のひらの上に空間を作り上げる。

「晨弥、、空間魔法をつかえるのか?」


「え?あー、、、魔眼あればギリ扱えるってぐらいだと思います。色々あって魔眼使った時にそんな感じだったんで。」


「とすると、、、疑似的に空間魔法に近しいものを付与しているのか、、、?」


 晨弥の手のひらの上にある結界を見ながら考え込む。

 

「イメージしたのが、、、、」

ゲームって通じるのかな?


「確か、、科学世界について書かれた本で読んだのか、異世界人に教えてもらったのか忘れたが、、持ち運べるほどの大きさのいろんな世界を楽しめる、、、」


「ゲームですか?」


「あぁそれだ。それをイメージしたのか?」


「まぁそうですね。あの小さい箱にはいろんな世界の可能性に満ちていましたから。空間とか結界とかあの小さな箱に映し出される画面の世界がどうなろうともそれは外殻には何の影響も出ませんから。」


「私にはできない方法だな。知識として知っているだけだからな。」

 あいつらも似たようなものをイメージしたのだろうか

 とボソッとつぶやきながら

「晨弥、火の玉を出してくれるか?」


ぽん

「できました。」


「それをそのままの状態でその結界内部に入れられるか?」


「え、、、、」

ゲームイメージで作ったせいでこれ入れられるイメージができない。

「あ!だから契約魔法か。」


「まぁ、、、予定とは少々違うのだが、、まぁいい。契約魔法はイメージというよりできることとできないことの言語化だ。そこは付与と似たようなものだ。」


「となると、、結界を生成している人間と同じ魔力の人間が作り出した魔法は結界内部に入れられる。それ以外は不可、、こんな感じでいいですかね。」


「やってみるといい。」


すっ


「入ってっ、、、なんかめちゃくちゃ小さくね?この火の玉」


「それだけその結界内部の空間が広いということだ。誇っていいぞ?」


「あざます。」


「それができるなら問題はなさそうだな。契約魔法は言語化することで強制的に自分の中で解釈を作り出しているようなものだ。結界も契約魔法も訓練に使うにしろ何か別の用途で使うにしろ好きにつかえばいい。」


「はい。」

 一瞬のうちで結界を解除する。


「作るのも消すのも一瞬のうちでできるか。魔力制御技術が高い証拠だ。」


「ありがとうございます。」


「ではこれで今回は最後だ。かかってくるといい。」

 その一言と同時に超広範囲の空間を生成する。

「先ほどの結界を極めればこれはできるようになる。」

 

これが空間魔法か?僕なんかの結界なんかよりレベルが、、、

下手すりゃ言葉通りの意味で次元が違う。


「お願いします。」


「どこからでも。」


 短い言葉を返し

「では、、摩天楼!」

 空間内を満たすように高硬度の岩によってつくられた都市が作り出される。


 モリディは、、

なるほど

おそらくこの魔法そのものは晨弥自身が前から扱えるようになっていたもの。

そしてこの感覚、、この魔法内にいる間は晨弥には位置はバレているのだろうな。

 と予想を立てつつ、その場にとどまるのは危険と判断し

 晨弥を認めていることを示すように高速で移動する。

 が

ドカン!

 完璧なタイミングで岩が爆発する。


タイミング完璧だな。

それに、、爆発させた地点がすでに復活している。

試運転がてらどこかしらで契約魔法を用いてくるだろうと予想はしていたが

疑似的な無限の魔力のせいでどれがそうなのかわかりにくい。

「知れば知るほど厄介だな。」

 言葉とは裏腹に笑みをこぼす。

 そこへモリディの位置がバレているということを肯定するかのように

 降り注ぐ岩の剣たち

 その一つ一つが領主級程度の実力があれば見えるであろう速度で連射される。


 晨弥もまた移動しながら

 摩天楼に付与した魔力感知をもとにモリディの位置を補足し続けていた。

予想していたけどやっぱ当たらんよね。

モリディさんから反撃が飛んでこないあたり、もっと撃ってこいってことだよな。


「水鉄砲」

 晨弥はモリディの後ろを取り

 魔法名と指での発射の方向性をしているすることで

 火力ではなく速度に全振りの契約魔法をつかう。

 この契約魔法は一発限りであり、

 続いて同じ条件で撃つ場合でも、もう一度契約魔法を設定するほかない。

 

 晨弥が契約魔法をイメージする際に

 大学生活を送るため一人暮らしのための物件の契約を思い出した。

 そこから着想を得て というべきか得たせいでというべきか

 契約期間という前提が当たり前のように存在している。

 ここからは晨弥の感性も含まれるが

 晨弥としては、10000発を一気に契約魔法で設定するよりも

 同じ契約内容だったとしても10000発を1発ずつ契約したほうが

 最終的な火力などは高くなるという考えを持つ。

いちいち契約を結びなおさないといけないのは手間だよね。

 ということである。

 いちいち結びなおすうちにそれに慣れてほぼラグなしで

 契約魔法で強化した魔法を撃てるようになるが、

それは慣れでしかないから問題はない。

 ここに関してはいろいろあると思われるが

 晨弥はこう考えている。

 もはやいちいち結びなおすということを

 契約魔法との契約と言っていいほどに

 浸透させた。


 話を戦闘に戻す。

 先ほどまでの岩の剣とは隔絶した速度の水弾は

フッ、、、

 モリディには当たらず消え失せる。


「ッべ!」

 掻き消えたのを見て何かを察したのか

 重力の檻による高速移動で回避する。

 その瞬間

 晨弥が先ほどまでいた地点が炎に包まれていた。


どんな速度の炎だよ!

重力の檻の高速移動を見せてしまった以上

下手に対策される前に使い切るつもりで行く!

 

 モリディの移動先付近の岩を重力の檻に変化させ 

 晨弥はその重力の檻とモリディが一直線になるように位置取りをし

 高速移動の速度の乗った拳を叩き込もうとする。

 いや、

 した。

バチン!

 重力の檻を纏った拳はモリディによって止められ、

 重力の檻そのものもかき消されていた。

 そのまま岩の塔へと投げ飛ばされる。

 

バン!ガッ!ドガッ!ダン!

 一瞬のうちに大地に伏していた。


ドン!

 魔力を噴出させて体を強制的に

 その場から退避しつつ体を再生する。


予想はしていたけど、こう突き付けられるとくるものあるな。

近中遠距離全部負けてんじゃん。

となると情けないけど、、

 幽幻刀を抜く。


 その気配にモリディが気付く。

この気配、、やはり勘違いではなかったか。

晨弥が、、、

 その瞬間岩の柱を無視した斬撃がモリディを襲うが


フワッ


 モリディを透過する。

マジ?

 晨弥も目を見張る。

どうやったかわからんけど、、、

「星降り!」

 超広範囲の圧し潰し

 これで光学などの目の錯覚を使っているのか

 その他のなにかなのか見分けようとしたが


ズダァァァァァン!


 衝撃波が一撃で粉砕しきる。

 が

実力差的にこうなるの気がしたよ。

 粉々に砕かれたがそれでも元が大きいため近所の石か

 それより一回り大きい程度の岩が無数になる状態

 

ダダダダダダダダダ!

 小さい岩を振りまく


これでもだめか。

 平然と立っているモリディも見て心の中でつぶやく。

魔力が減っているのかさえ分からん。

そこらへんに漂ってる魔力でも使ってんのか?そう言ってくれ。

精霊さんなんでしょ?とりあえず納得するから。


「こちらからも行くぞ?」


あ、さいですか。

 その瞬間

 晨弥の腹の前に岩の剣があった。

ガン!

 ギリギリのところでバックステップと魔力そのもののガードと肉体強化をすることで

 防ぎきる。

 が

 複数箇所から炎が晨弥に迫る。

 これも重力の檻で回避するが

ヒュォ、、、、

 凍えるような風が晨弥の背を撫でる。

 その場を離れつつ肉体内部で魔力を回しつつ

 外側を炎を纏ってしのぐ

 

 この時の晨弥はすでに摩天楼に付与している魔力感知に

 割く余裕がなくなっていることにすら気が付いていない。


重力の檻(グラビウス)

 モリディが晨弥の真上で言い放つ

「あ」

 

バガン!

 晨弥は大地にたたきつけられ

 それを合図にモリディの張った空間が消える。


「あーーーーーーーーー。勝てねぇーーーーーーー。」


「私に反撃だけでなく攻撃をさせたんだ。誇っていいぞ。ツェルクは知っているな?あいつはここに来るまでだいぶかかったからな。」


「それ何千年前の話ですか?」


「さてな。それにしても重力の檻による移動と言い、重力の檻を纏った拳と言い、、昔も使っている奴はいたが、、、晨弥、お前が一番滑らかだったぞ。科学世界出身か魔法世界出身かでこうも違うとは。なにはともあれよくやった。」


「あざます。」


「晨弥、お前はもう魔導の域にいるな。」


「まどう?」

そういえば、魔導士団っていうよな。


「昔は魔法使いは魔法が使える者全員を刺した言葉だったんだ。そして今の魔法使いと呼ばれている人々や魔法の研究の道を選んだ者は魔道者と呼ばれ、それ以上の既存の魔法を応用し別の使い道を見出したり、新魔法を作り出す者を魔導者と呼ばれていた。だからといってこれ以上強くなれないという話ではない。ここまで来れる者にとって、スタート地点のようなものだからな。どうせまだ隠してる応用技あるんだろう?」


「別に隠しているわけではないですよ。」


 しばしの談笑後


「どれ、私もそろそろ行くとしよう。またな。」


「ありがとうございました。」


 ふっと 

 一瞬のうちに目の前から消えたモリディを見送り

 王都へと戻る。

 昇り始めた朝日が2月に入ったことを知らせる。

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