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界の渡り人  作者: ホトトトギス
王都騒乱
83/91

裏で色々するための根回しって案外大変ー竜

 山脈は多くの種が息づいた土地であるが

 種の大部分を竜が占めている。

 竜以外の生物の変異種が発生したとしても

 竜が人の知らぬ間に処理する。

 では、竜の変異種が現れた時には?

 それはもちろん元の竜の強さに依存する。

 とはいえ竜は基本知能が高く

 変異種であったとしても他モンスターのような異常行動はないと言っていい。

 討伐できる者がどれほどいるのかという問題もあるのだが、、、


 では、今回の影の主はというと


「ディープさん、何かあったら九世たる俺の名前を使って何としてでもギルマスに伝えてくれ。 防御態勢を整えたらこっちにきてくれ。 頼んだよ。」

 

 九世の名を使えと言う言葉の意味  


「必ず」

 一言残して全速力でかけていった。

 

 それを確認した後

「変異種だよな?あれ。」

 誰にというわけではなく独り言をつぶやく

 晨弥の眼がとらえている3つ首の竜を見ながら。

 3つ首の竜の種がいないわけではないが

 山脈のさらに奥に住まう竜であり

「あいつ俺より魔力量多いし、、、、。これでも異世界人で魔眼も覚醒させてんだけど。つーかどんだけ上空飛んでたんだよ。」

 今の晨弥の魔力量には遠く及ばないはずである。

 そして

 晨弥が球状に広げていた魔力感知の最上付近から感知範囲内に入ったことから

 上空を飛んでいたことが見て取れた。

 

 晨弥はどうするべきか脳を回す。

 変異種と思しき竜がいる地点が問題であり

 ギルド本部とは真逆におり

 竜の討伐に向かっていた冒険者がまだいる。

 ・晨弥がいる地点で魔力を開放してこっちに意識を向けさせる。

 ・先制攻撃

これやったらどっちみち向こうにいる人たちの逃げ道を潰すことになる。

ってなると

 ・本部の反対側にいる冒険者が最低でも晨弥より本部に近くにいる

 ・ギルマスの準備が完了する

このどっちかが最低条件か。

 と動くタイミングを決めるが、 

 それは晨弥あるいは冒険者側の都合でしかない。


「チッ」

 無表情のまま舌打ちをする。

 変異種と思しき竜が攻撃を開始した。

向こうは確か、、、王級が二人と伯爵級が、、、

 思考を置き去りにする速度で竜の攻撃と冒険者たちの間に割って入り

 晨弥が一瞬のうちに出せる最大火力

 蒼華炎爛をうち放つ


ドオン!

 爆音が鳴り響く中

 冒険者たちに逃げろと合図を送る。

「ありがとうございます。リアさん。」

 王級のエルフ族リアがその場に残ってくれた。

「私のこと知ってるんだ。」


「そりゃもちろん。」


「伯爵級の子たちはあいつに任せておけば本部まで行けるだろうけど、こっちは、、、私、あなたより魔力量少ないわよ。」


「でも僕より経験量は上ですし、魔力量は向こうに弱技で魔力つかわせ続ければこっちが勝てます。」


「わかった。じゃあ、あなたが前衛で私が隠密の後衛。」


 その言葉を聞き言いたいことは大体わかったと

 晨弥と変異種の空中戦が始まる。


 変異種の上を取った状態でブレスを吐かせ、

 高度管理は

 地上のリアが所々で魔力を放出して大地に向けてブレスを吐かせる。

 晨弥はどうやってかわしているのか考える余裕はない。

 が

 とりあえず生きているので ヨシ と判断した。

 余裕ができた一瞬一瞬で魔力感知の範囲を広げ

 ギルドに向かっている人がどこにいるのか

 山脈に他の冒険者がいないかの確認は怠らない。

 

よし。大分距離できた。他の人もいない。

 その事実に安堵するが

問題なのはこいつの尻尾と胴体につなぎ目があること

 つまり

こいつ合成種か。

 正確には

変異種+合成種

 戦っている最中に3つの顔がそれぞれ別の形をしていることは簡単にわかる。

 通常、3つ首の竜の顔は瓜二つ

 つまり別々の竜の顔を持った変異種になる。

 さらに

 尻尾までは深い緑色をしているのだが

 尻尾は真っ黒であり

 他とは明らかに違う赤黒い爪がはえていた。


====

 

 晨弥は疫病の厄災討伐後の暇なときに考えていたことがある。

 それは晨弥の強さ。


 確かに晨弥は嵐の厄災を討伐し

 疫病の厄災封印の成功にも貢献したと言える。

 それでも

 

 嵐の厄災を討伐した時には魔眼が両方とも使えていたこと

 それでも自分の力だけでは討伐には至れなかった。

 あの時たまたま他の厄災が討伐されたから勝てただけ。

それなのに自分の実力としていいのだろうか。


 疫病の厄災に関してはそもそもが封印であること。

 なによりこれまでの経験が聖都にあり

 それに沿って準備ができたこと。

 確かに想定外は発生したが

あれを自分の実力として肯定するのは、、違う気がする。


 考えれば考えるほど晨弥は自分のことを英雄と認められるのか

 わからなくなっていった。


そもそも魔眼使うなって言われてるからって使わない僕はどうなんだ。

それでも使わなければならない時がなかったって本当に言えるんだろうか。

無かったとして今後その状況になった時に使えるのだろうか。


 そもそも晨弥は帰る手段を見つけることが目的であるはずであり

 それは嵐の厄災戦で厄災の討伐に参加し

 討伐(自然消滅でもいいのかは不明)すれば何かしら得られることはこの2回で確定と言っていい。

 だとすれば晨弥は厄災と戦っていればいい。 


 何故厄災でもないのにも関わらず、

 命を落とすかもしれないのに戦いに参加するのか。


それは多分、、優しい人たちに、正しい人たちに生きていてほしいから。


 晨弥は死んだときに誰かに感謝されたいわけではない。

 別に家族葬さえ行わなくていいと思っており、

 誰かに泣いてほしいとは毛ほども思ってない。

 もちろん、泣いてくれる人がいるならうれしくは思う。

でも

一番は僕が死んだとき

そんな人たちが行きやすい世の中になるように何かできたか、、、、なんだろうな。

 晨弥は正直者が馬鹿を見るのは好きじゃない。

 

====


 戦いは合成種有利に相変わらず進んでいた。

クッソ!こいつ魔力量の底は理解できてんのに、、

 ブレスは肉体内部にある器官が主であり

 魔力は喉が傷つかないようにしたり

 ブレスの起爆剤としての役割が主である。

 これは普通の竜と同じであり

 さほど魔力を消費しない。

 だというのに

 広範囲に甚大な被害をもたらす。

 それが りゅう が生物の最上層に君臨する理由


今までの厄災戦よりやばいかも。

嵐の厄災戦時見たいな高揚感的なアレも

疫病の厄災の時みたいな準備も何もな、、、!


 合成種の動きが変わる。

あ、そう!今まではお遊びですか!そうですか!

 何かしらに切れながら上空でブレスを高火力の魔法で相殺し続ける。

 一瞬でも反応が遅れればどうなるかわからない。

 神聖魔法による再生があったとしても

 被弾箇所によってはどうにもならない。

 それほどまでに広範囲に高火力をまき散らしていた。


 こうなっては地上で動いているリアも迂闊に動けない。

 下手をすればギルド方面に攻撃が飛んでしまう。

 ギルドの準備がどうなっているかわからない以上

 それは許されない。

 それゆえに危険を冒してでもギルドとは反対方面に陣取り晨弥が落とされたときに

 囮になる準備をしている。

 いくら王級冒険者と言えど、

 竜の変異種かつ合成種が相手となると太刀打ちできるものなど

 それこそモリディやソーアといった王級とは言われているものの

 実質、国級の実力を持つ者たちのみである。

 リアも王級としての実力はある。

 が

 今闘っている存在に勝ちうる存在などそれこそ

 九世とそれに準ずる者、厄災、調停の獣

 それぐらいしか思いつかない。

 

この膠着状態が続けば

 そんなことを考えるリアだったが

 それは唐突に起こった。


 合成種がその莫大な魔力をため始めた

 その瞬間

「あ、マズイ。」

 晨弥は焦るなどという行為すらできず

 その事実を淡々と言葉にした。

 もし仮に放たれた場合

 ギルドも含めた広範囲が消し飛ぶ

 火力だけで言うなら 

 厄災に届きうる。


、、、、これ以外、、、止められないよね。


 晨弥の解析鑑定の魔眼の紋様が輝きだす。

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