裏で色々するための根回しって案外大変ー聖都
1月22日の夕暮れどき
晨弥は聖都への橋を渡った。
「報告は受けたけど、、本当なの?」
聖都ではすでにモラレドが晨弥を待っていた。
「僕だって勘弁願いたい。」
言葉を返しながら騎士団に礼をしつつ
場所を移す。
晨弥とモラレドは聖都の宮殿内を移動しながら
情報のすり合わせを行う。
「それで?偽眼の話なんだけど、肉体の乗っ取り?操作?していたってことでいいのね?」
モラレドがもう一度確認を取る。
「多分だけど操作でいいはず。相手が魔眼使ってたから最初は惑わされたけど、魔眼を使っていたからこそたどり着けた。とんだ皮肉だね。」
「死体を操る魔眼だったかしら?聖都側で過去に確認された魔眼の能力と照合してみたけど、似ているのはあったけど死体の操作は確認できなかった。」
「まぁそれはしょうがないでしょ。あとでその似てるの教えてもらえる?」
「もちろんいいけど、、よく魔眼能力特定できたわね。」
「あ~、、、タイミングが良かったって言うとアレだけど、、相対した場所が死者とそれ以外の負傷者とか特に何事もない人がいるはずのところだったからね。なんか宙に浮かんでたし、そいつら全員に頭と胸に刺された痕もあったし、自分でトドメを刺した相手を操るんだろうなってな感じ。」
「確かにそろっては、、、いるのね。」
「そ。んで普通、異世界人は解析鑑定の魔眼を持ってるじゃん?その代わりに偽眼だし、そいつ自身の胸にも刺された痕があるもんだから、自動戦闘でもするのかと思ったんだけどね。」
「偽眼で一番多く確認されている肉体の再生で、どうにかする。」
「って思ったら、なんか声が機械的っていうかなんかから聞こえてくる声だし、まぁそれは自動化による副作用の可能性もあるけど、、あとは相対した時の感覚だね。誰が相手したとしても多分おのずとたどり着くんじゃない?」
「それで偽眼を破壊しようとしたら偽眼がある肉体は何もないのにダメージの通った声が聞こえた、、と。」
「そうだね。あれで確定したかな。偽眼の視界を自分の手で覆い隠してたからあきらか口動いてないのに声聞こえたもん。」
「確かに、そこまで行くとね。」
「そう、、、あ!そうだ。偽眼も魔眼も消し飛ばしたこと謝ろうと思ってたんだ。すまん。」
「魔眼に関しては確認したいところではあるけれど、偽眼は神聖属性を持ってないと無理そうじゃない?」
「そんな感じはする。個人的には神聖属性が行けるなら深淵属性でも行けるだろって思うけど、、深淵属性でアレを取って保管するって今の僕じゃイメージできないかも。無理やり考えるなら、、偽眼の材料に着目して、、、」
「負の感情と共鳴させてその状態を保存。その後に取り出せば可能性があるって感じかしらね。」
「そうなる、、よね?ちなみに両方持ってるモラレド的には現実的だと思う?」
「ダークエルフの最上位レベルの技量があれば、、って感じかしらね。」
「ダークエルフかぁ、、、あんまり知り合いにいないんだよなぁ、、ソーアさんならそのレベルにありそうだな。」
「ソーア、、あぁ。王級冒険者の?」
「そう。」
「あの人ならできるかも、、、」
「会ったことあるの?」
「何度か。」
「あの人だいぶ神出鬼没だよね。」
「ふとした瞬間現れるわね。」
若干話が脱線したタイミングで
いつも通り
目的の談話室(来賓室?)に到着する。
中ではアンジスという
科学世界で言うところの枢機卿レベルの役職についている男
がすでに待機していた。
「晨弥様、情報の共有有難うございます。」
入ってそうそうアンジスが晨弥への感謝を述べる。
「魔眼の紋様だけになってしまい申し訳ありません。」
そう返す晨弥とモラレドに飲みものを出しながら
「いえいえ。紋様がわかるだけでも十分助かりますよ。なにせ魔眼の能力確認は命がけの側面もありますから。今回の能力的にも。」
アンジスが言葉を返す。
「死者を操る能力ですものね。」
モラレドが同意する。
「魔眼を持っている本人の性格も考慮しなければいけませんしね。あの能力だと特に。」
「情報によれば死者が魔法を使ったとか。亡くなると魔力が身体から消えるのが通常ですから」
「そう僕も聞いていたんだけど、、あれは全員が自身の魔力を使ってた。」
ここからが本題
「なぜそれが可能であると向こうは知っていたのか。偽眼も使ってることだしおそらくリ、、、リ、、なんだっけ?」
「再構築ですね。」
「それだけじゃないわね。晨弥、あなたがその出会った場所が場所だったって言っていたけど、、」
「そこに負傷者がたくさんいることを知っていた可能性があるね。知っていたって表現があってるかまでは分からないけど。」
「たまたまという可能性も否定しきれない ということですね。」
仮に向こうが僕たちがべトン領に向かっていることを知らず
戦力の向上を目的として来ていたっておかしくはない。
というか送り出したタイミングでは知りようがない、、はず。
そんで途中で死傷者がわんさかいた、、、、まぁ、わからんでもない。
「死体でも魔法が使えるのは魔眼という存在そのものがおかしな性能していて、あの場に居たのもたまたまだったとしても、遠隔操作している死体の魔眼を使うことができたのだけは本当にわからない。」
「あとは能力をどのように知ったか。」
「仮に狙い撃ちしているなら、、」
「ええ。聖都よりも魔眼を熟知していることになります。組織なのか個人なのか」
「、、、アーティファクトか、魔眼か、、?」
「確かにアーティファクトなら我々が知らない物があっても不思議ではないですし、魔眼もすべて知っている訳でもありませんし不思議では、、、ないですね。」
この世界の良くないところは可能性が無限にありすぎて答えに他者がたどり着けないところ。
「そうなってくるともうお手上げになってきますよね。」
「アーティファクトとか魔眼によるものならまだいいわよ。あなたが言ったように狙い撃ちしているなら、、それに偽眼による乗っ取ったから魔眼が動いているとも限らないし。」
「ナベリウスの呪問だっけか?確かにこっちとしては確認したくとも、、か。」
ナベリウスの呪問
深淵属性の使い手として有名なナベリウスという男が
神聖属性の使い手として有名だった友に投げかけた質問の数々のこと
例
・仮に腕を切り落とし再生させ、その腕を再び切り落とした場合
最初に切った腕と今切った腕どちらが身体と結びつくのか?
からはじまる神聖魔法、属性としてのある意味で危険性を着いた質問
始めの頃は許容の範囲だがその先に進むにつれて
倫理的に検証を行うのははばかられることもあり、
現代でも検証は行われていないものが多くある。
現代の研究では友はその答えを知っていたのではないかと言われている。
「似たような物ね。」
「平和祭の警備も難しくなりますね。」
「今更中止になんてできないですもんね。」
「そうなるとやはり、、回収に成功した偽眼の解析を急ぐ他ないですね。」
「難航している聞きますし、急かすわけにはいきませんよ。」
「解析鑑定の魔眼持ちを呼んでも難航しているみたいよ?」
「マジで?」
うなずくモラレドを見て うへぇ といった顔をする。
その後も会談は続き
気が付けば夜が明けていた。
「なんか最近おおいなこれ。」
ひとり呟く
階段も終わり
晨弥は聖都から冒険者ギルドの本部へ向かうため
聖橋を使ってもらうのだった。
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話はさかのぼり
晨弥と戦った操縦者視点
「バンテス!なんであそこに纏晨弥がいるんだよ!」
「、、、おそらく奴隷を移送しているのがばれましたね。」
「魔力感知の対策もしているはずだろ。」
「纏晨弥の魔力感知が特殊なのか、別の手段でばれたのか、はたまた纏晨弥以外の何者か、、か。それで?あなた的にはいかがでしたか?纏晨弥は?」
「あれが九世なのは納得だ。ビーヌには悪いが、、ビーヌを九世にするって発想をあれを見てなお思うあいつがおかしい。」
「聞きたかったのはそこではないのですが、、まぁいいでしょう。というかその状態で良くそんな元気でいられますね。治してもらってください、手を貸しますから。」




