べトン捕縛作戦ー骸
1月19日いまだ午前1時にすらなっていない真夜中
ついさきほどべトン捕縛に参加している騎士たちが
刺客との戦闘を繰り広げていたであろう地点
その上空に晨弥はいた。
晨弥の眼と魔力感知で地上を確認する。
んーーーーと?なんか変な感じの奴がたくさん、、、、と。
んで?あぁ、あいつだ。あいつだけ違う。
その場にいる人は総じてなにか違和感を感じるのだが
一人だけ明らかに他とは一線を画すものを纏っていた。
それが本当に人であるという確信を晨弥は持てていなかったのだが。
なんだ?なんかいろいろおかしくね?
まずたくさんいる変な奴等の動きがおかしい。
あきらか宙浮いてるでしょあれ。、、、、、まぁ、今僕も上空で浮いてるけど。
浮くのはいいんだけどね。
雰囲気が明らかに違う顔隠れてるローブさんが何かしてるのかな。
魔力量的にはこっち来た時の僕より多い、、よなぁ、あのローブ。
変な奴らは、、胸と頭に刺された痕あるあたり、、、そういうことよな。
、、、、どうすんだこれ。
、、、仕方ない、、地上に降りるか。
空中から魔法を撃ち続ければ勝てるとは思うものの
今の立場的に勝つだけではいけないため
地上に降りることにした。
あー。やっぱり浮いてんだ。
ローブの周りを漂っている人たちを見て
釣りあげていたりするのではなく
ただただ空中に浮かんでいる事実を確認する。
地面に倒れたままの人たちは、、
死んでる、、よな?これ。
浮いてる奴等も、、刺された痕がない奴が見当たらないあたりこいつらも死んでる。
空中でも確認していた部分を再確認し
ローブに意識を向ける。
一番の問題さん。
顔も隠しているあたり魔眼ありそうだし、他にも何か隠していそうだな。
異世界人だったりするのかな?
魔力感知をローブに集中する。
あれ?こいつの心臓部にも刺された痕がある。
しかも左目、この感じ偽眼か?右目は普通に魔眼っぽいな。
両目ともに使用中っぽいのもよくわからん。
謎が謎を呼んでるだけじゃん。
「何者?」
直球もいいところだが、それ以外の聞き方がもはやわからない。
「オレハオマエヲシッテイルゾ?マトイシンヤ。」
んあ?声的には男っぽい?でもなんか直接声を聞いてる感じがしない。
「はぁ~~~~。よくご存じで。それで?ここで何を?」
「オマエニオシエルコトハナイ。」
「ここにいたのは死者と負傷者だ。そんなところに不審者がいるんだ。教えてもらわないと困るね。」
「コトワル。」
「申し訳ないが、、拘束する。」
「マガンナキオマエガカテルトデモ?」
「ほんっと。よくご存じで。」
めんどくさそうに答える晨弥
炎爪・一爪をローブに向けて放つ。
それを浮いている死体を10名ほど使いガードする。
10人くらいなら突破できると思ったんだけど。
何なら6人くらいで防ぎきれたよなこれ。
浮いてる奴等の強度おかしない?
仮に浮いてる奴を操ってるなら、自分でトドメ刺した奴だけを操れるって感じだろうな。
でも自分の体にも刺し痕があるのが謎よな。頭にはないけど。
疑似的なオート戦闘が可能とかか?神聖魔法つかえるの、、、か、、、
あ!偽眼で再生すればいいのか。踏み倒し可能なのか。
今も両方使ってるっぽいし、それか?
一つの可能性にたどり着き
偽眼を削り切る方へシフトしたいのだが
浮いてる連中が面倒だな。先にそっち潰しても、、、潰すのに意味あるのかな?
考えること多すぎて厄災と戦うよりめんどくさい!
などと考えている間にも
浮遊している死体たちが魔法を撃ち放ってくる。
え?マジで?それもできるの?
、、、操っているてのは間違い?
でもガードのタイミングとかは操られている感じしたし、、、
魔眼による命令が出ればそれに従って、それ以外の時は各々の判断ってこと?
ネクロマンサーとかそういう類の魔眼か?
そりゃ自分が殺した相手を動かすだけなわけねぇか。
となると
「インファイトかな。」
ボソッとつぶやく。
そうと決まればと言わんばかりに
浮いている死体からの攻撃を無視し
ローブの目の前まで駆け抜ける。
そのまま挨拶がてら一撃を腹に入れる。
ローブを使ってうまいこと立ち回れば攻撃止むでしょ。
ローブも距離を取ろうとするものの
晨弥が魔力を糸のように使い動きを制限する。
糸の最大距離の時は魔法を近いときは肉弾戦を
目まぐるしい速度で行う。
その中で
あれ?こいつ肉体再生してなくね?
距離を取ったタイミングで放った風切がかすったのだが
その部分が再生していなかった。
偽眼は使ってるっぽいし、、なんでだ?任意じゃなくて強制だったはず。
想定と違う結果が目の前にあり困惑する。
てことは偽眼の効果違うってこと?
んじゃなんだ?肉体の悪化を防ぐとかか?
一応魔眼の紋様を確認するか。
顔を隠している部分を切り飛ばす
やっぱり魔眼と偽眼の両方は確定、顔も日本人顔。
そんでもって魔眼の方が僕の知らない紋様。
、、、あ!そもそもこいつ異世界人か確定してないじゃん!
「お前日本人?」
今更ながら聞く。
天秤を持っているため嘘は分かるのだが
「ドウナンダロウナ」
なんとも曖昧な答えが返ってくる。
チッ!めんどくせえ!
とりあえず異世界人てことにするか。
そうすると解析鑑定の魔眼を偽眼に変えたのか。
偽眼にそれだけの価値ある?再生じゃないなら踏み倒しできないし。
刺されてる部分も何かあるわけでもない感じだし、、、
「ジパングについてどう思う?」
「ベツニドウモ」
つーかこいつなんで声変なのさ。
何て言うか遠隔、、例えばトランシーバを通した声的な、、、
「お前ここにいなかったりする?」
「、、、、、」
顔の表情は変わらないが、声詰まったのがわかる。
沈黙は肯定だとして
「てことはその眼が動かす道具ってことね。」
てことは、、、、、あれ?
「その体の本当の持ち主を殺したんだな?」
「アンガイアタマモマワルンダナ。ソレデ?オマエニデキルノカ?ドウホウノカラダニシタイウチスルコトガ」
「やっぱ日本人なのかよ。」
晨弥の「その体の本当の持ち主を殺したんだな?」
という問いをするまでの思考は
元の日本人の持ってる屍体の魔眼
これを欲した者たちが当人を捕縛し
当人を殺すことで安全に肉体を扱うことができるようになった。
というものである。
死体の魔眼が使えるのかなどの不明な点はあるが流れは正しいだろうと考えていた。
実際当たっており魔眼について以外は正解である。
「そんで、お前の問いについてだけど」
偽眼の視覚を覆うように手のひらをかざし
「これ以上好き勝手させないのが俺に唯一できることだよ。」
淡々と告げながら電撃を加える。
「グアアアア!!!」
叫び声が聞こえる。
偽眼を潰そうと考えていたのだが、操っている本体にもダメージが通ったようで
晨弥もあ、マジで?という顔を一瞬だけ見せる。
「フ、、ルナ、、、、、フザケ、、、、ケルナフザケルナフ、、、ナ」
壊れた機械のように同じ言葉を繰り返す。
もう一撃入れようとしたとき魔眼の輝きが増した。
何か感じ取った晨弥も大きくその場から離れる。
「コレデサイゴダ!」
この一言がトリガーとなり
日本人の肉体に漂っていた死体が吸い込まれていく
あ、これもう止めるのとか無理なやつだ。
などと考えてるうちに巨大な怪物?が完成する。
多分これが最後の奥の手ってやつだ。
操っている日本人も失うけど、、ってやつ。それはそれとして
「なんですぐ巨大化するかね。」
晨弥はせめて神聖魔法で終わらせようと
白雷と白炎を片手ずつ作り出す。
「万轟」
轟音を立てながら巨体を消し去っていく。
これ以上何かさせる前に終わらせてあげないとね。
「どうか安らかに眠ってくれ。」
晨弥は消滅したのを確認しべトン領へと戻っていった。




