準備ー2
1月18日
クォルトンという貴族にダルがらみされたことで
幸か不幸か
明らかに隠されている人々を感知した晨弥は
周りへの配慮を若干無いものとし、
王の元へとたどり着いていた。
「話は聞いているよ。非合法な奴隷を移送している可能性があるみたいだね。」
「カモフラージュ頑張っていましたね、あれ。どうします?」
「王命を使えばこの国の貴族相手に奴隷が売買されているならばどうとでもできるのだが、、、」
「べトン領に移送していた奴隷がすべて売られていれば楽だけど、、そもそもべトン領に寄るのか、寄ったとして売るのか問題も残ってますね。」
「売られていない場合、どうなることか。」
「それに関してなのですが、暗部でべトン領への入領を確認しております。現在確認できている情報としまして、べトン領での奴隷の売買は行われるようですが、詳しいことまでは分かっておらず、移送した奴隷をどれだけ売買するのかまでは分かっておりません。」
「べトン領が会場なのかべトン家が買うのか、、、」
「会場なだけなら王命使っても、、厳しい、、、、ですよね?」
「厳しいかと。」
「とはいえ会場であれ、べトン家であれべトン領に留まっている期間を最優先で情報を集めるように伝達してくれ。」
「承知いたしました。」
控えていた暗部のうちの数名が動き出したのがわかる。
「僕は、、どうしましょうかね。あとクォルトンの処遇も。」
「話に聞けばクォルトンにダルがらみされたみたいだけど、大丈夫だったのかい?」
「特に何もなかったですね。愛すべきおバカさんぐらいの印象しか受けなかったですし。」
「あ、愛すべきおバカさん?、、、、まぁ、、君がそれでいいなら問題はないか。それで、、、ええと?どうするかだったか、、、。晨弥君はどうしたい?」
「人手が足りてない今、働く気はありますよ?」
「ならこのままこの件を任せてもいいかな?」
「もちろんです。」
「べトンが取引相手だった場合はできれば生きたまま捕縛してくれると助かる。ウィルトンに関しても同様。殺してしまっても問題はさほど起きないができるだけ穏便に済ませたいからね。」
「わかりました。それじゃあ、何かあれば王城内にいますので。」
「わかった。なにかわかれば都度情報を渡す。」
「よろしくお願いします。それでは失礼します。」
「あ!そうだ。晨弥君。」
「?どうかしましたか?」
「また言うかもしれないが、ありがとう。助かっているよ。」
「気にしないでください。僕もこの国が好きだから。」
「ありがとう。」
晨弥が出て行った部屋で一人残る国王は
もらった言葉に浸る。
「、、、、、、よかった」
、、、、
「♪~♪~♪~」
鼻歌を歌いながら
晨弥は訓練場で岩の柱を魔法で作り出し
とある訓練の準備を行っていた。
「こんなもんかな。」
無造作に多くの岩の柱を見ながら
「さて」
満足気な表情をしながら
指輪の中から幽幻刀を取り出す。
晨弥が所有しているもの
その全ての中で群を抜いて強力であると同時に不明なもの
それが幽幻刀である。
疫病の厄災に備えて聖都にて訓練を行っていたころに
國宗とともに使い方を研究していた。
その結果
幽幻刀の持つ力の一部
・この刀には刃という概念は存在せず
任意の距離を切ることができる。
・任意の距離に伸ばした後
切りたい部分だけ切ることができる。
この二つの力までは理解することができた。
この能力が晨弥がまだ理解していない本来の力から来るものなのかは不明なままではある。
任意の距離に伸ばした後切りたい部分だけ切ることができる。
例えば三人が並んでいて二人目だけを切りたいとき
仮に三人目まで届くだけ刀身を伸ばしているとしても
二人目の部分だけを実体化させて切ることができる。
岩の柱をこれに見たてて任意の柱だけを切る練習を始める。
、、、、
切っては生やし
切っては生やし
これを淡々と続ける。
静止した状態で刀を振るう。
目的の柱以外も切ってしまったり
目的の柱も透過してしまったり
目的の柱までのすべてを切ってしまったり
聖都にいたころから練習はしているのだが
静止した状況であったとしても6~7割といったところであった。
「あ゙ぁ゙ーーーー。またミスった。静止した状態で9割は超えたいんだけどなぁ、、。動きながらだともっとひどいからなぁ、、、。敵しかいないなら振り回しまくれるけど、その場合、これ使う理由特になくなるからなぁ、、、、。頑張んないと。」
、、、、
それから
どれだけの時間がたっただろうか。
晨弥の魔力感知内に反応が現れる。
現在している訓練は他者を巻き込む可能性がある危険なものであるため
訓練場よりも広い範囲を感知範囲に設定していた。
「お疲れ様です。」
声をかける。
「修練中失礼いたします。べトン領の件でご報告に参りました。」
「あ!すみませんありがとうございます。」
「ではご報告させていただきます。べトン領に入領した者たちはべトン領に移送してきた非合法な奴隷8名全員をべトン家と売買することがわかりました。入領した者たちのべトン領の滞在期間は3日。べトン家からも非合法な奴隷を売るようで、国際平和祭中に非合法の奴隷のオークションが行われるところまでは確認いたしました。場所と日時は現在調査中です。」
「3日、、、、か。今っていつの何時ですか?」
「1月19日、午前3時を過ぎたばかりにございます。」
「じゃ、今日の夜行きますか。」
「、、、なるほど。念のため国王陛下ならびに首領にも確認を取ってまいります。」
「ありがとうございます。」
「僕はここで待っていますので、どうなるにしろよろしくお願いします。」
「かしこまりました。」
、、、、
それから1時間もたたない間に
「国王陛下ならびに首領からの認可がおりました。陛下からはべトン領での戦闘は発生する可能性は高いため、それまでは極限まで隠密行動に徹するように、首領からはすべての領にいる暗部に向けて動向に細心の注意を払うように伝達すると同時に人員もべトンとつながりの深い領は増やしておくとのことです。」
「王命は紙媒体でしたよね。」
「その通りです。」
「首領殿には感謝の意を伝えておいてください。」
「承知いたしました。騎士団、並びに魔導士団にはいかがなさいましょう。」
「そっちは僕が。」
「かしこまりました。」
「ちなみにべトン領には暗部は何人いるかってわかりますか?」
「5名です。」
「今からバリアス団長とアンス団長にお願いして機動力のある人たちを先行させて、夜に僕と暗部の数名でべトン領に向かう形で大丈夫ですかね?」
「かしこまりました。そのように。」
「あ!あと、べトン領にいる暗部にも報告をお願いします。どうなるにしろ連絡を入れると言っているので。」
「かしこまりました。」
ここで晨弥はふと思い出す。
あ、暗部って人手足りてないんじゃなかったけ?まずくね?
それを察してか
「御心配には及びません。何なりとご命令を。」
「、、、、本当にありがとうございます。」
暗部の皆さんに負担を押し付けるわけにはいかない。
しっかり働くか。
お久しぶりです。
気が付けば1周年、過ぎてましたね。
これからもボチボチやっていきますので
暇なときにでも読んでくださればと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
あと体調にはご注意ください。




