表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
界の渡り人  作者: ホトトトギス
生と死の都
64/88

カウントダウン

マジかよ、、、


 四病を討伐した地点から感じる

 先ほどよりも強大な魔力

 

 魔力がそのものの強さを表しているわけではもちろんない

 魔力量に振り回されているだけの可能性もある。


 ただ

 この場においてその可能性を追うのは自殺行為である。

 厄災のお膝元にいる以上

 自殺行為もクソもないという意見もありはするが、、、


 晨弥の腕の再生速度が落ちる。


さっきより明らかに魔力量増えてんだろこれ、、

増えてるだけじゃなさそうな感じもするし、、、


 ちらりとモラレドの方に目をやる

 モラレドもまた晨弥の方を見ており

 目で向こうの相手をしろと語りかけていた。


、、、、


 これまで想定外のことが起こっても

 聖女を守り続けていた騎士団の顔にも

 死守以外の行動をするべきなのでは?

 とでも考えているのか

 不安のような困惑のような

 そのような表情を浮かべていた。


 これまでの時間の戦闘のうちで

 20名いた騎士団のうち6名がなくなっている。

 数が減れば減るだけ

 残りの騎士団の負担が大きくなる。

 ここからもう数名

 再封印までに土へと還る可能性が非常に高い

 その状況で純粋に敵の数が増加する可能性

 その不安が

 騎士団たちの思考を閉ざそうとした。


 その瞬間


「「聖女死守!」」


 二人の九世が同時に叫んだ。

 その一声で閉ざされかけた視界が晴れた。


 不安はもうない

 九世はすでに動いている。

 一人は厄災相手に時間を稼ぐため

 一人は新たに発生した脅威を排除するため

 厄災討伐経験者たちが騎士たち(じぶんたち)をお膳立てするがごとく


 疫病の厄災戦において花形は聖女の護衛(われわれ)であると

 (無論他の仕事が簡単だとかそういったはなしではない)

 他の厄災戦ではきっと九世たちの邪魔にしかない者たちが肩を並べて戦える

 最初で最後のこの戦いで

 聖女の死守という大役をはたすという覚悟が

 閉ざされかけていたものが再び心に灯った。


、、、、


 モラレド視点


こっちは残り時間まで抑えきれどうだけど、、、


 左手につけている腕時計?のようなものに

 目を一瞬だけ落とす。


 晨弥を含めた厄災戦参加者全員に

 残り時間を把握するために

 腕時計型の魔道具を身に着けていた。


 攻撃パターンはこれまでの歴史(たたかい)で割れており

 情報との照らし合わせが済んだモラレドにとっては

 あとは初見の攻撃を決して見逃さず

 相手に隙をさらさないこと。


 淡々と

 ただ

 淡々と。

 厄災の攻撃をかわし

 予備動作の時点で潰し

 攻撃の回数を減らさせるべく

 攻撃を続けていく

 

、、、、


 残り時間10分を切ったころ

 厄災の動きが変わる。


 大気の菌を集めだし

 魔力をまったく使っていない

 菌のみで構成された玉のようなものを作り出した。


予想はしていたけど、、、嫌になるわね。


 ここまでの今までの厄災戦と比べて

 違う点が多くあったにもかかわらず

 疫病の厄災に関してだか言えば

 変化がなかった。


 疫病の厄災には変化がない

そんなはずがない

 きっと晨弥が厄災側を担当していたとしても

 悪態はつくものの

想定の範囲内

 そう思っていたことだろう。


 菌の塊

 それを肉眼で見ることができている。

 魔力による視力の補正もあるのだろうが

 そんな塊がいくつも厄災の付近を漂っている。


 このタイミングでの初見の技

 なぜこのタイミングなのか?

 ありとあらゆる意味を込めたこの問いを飲み込む。


再封印まで10分は切ってる。

なら、、、!


「光は闇を生み出し

 闇は光を肯定する。

 人はこれを否定する。

 相反する摂理を詠い

 均衡の意を違う。」


 モラレドの詠唱

 モラレドにのみ許された魔法

 いや


「神聖は人に

 犯してはならない領域を

 深淵は人に

 触れてはならない領域を伝える。」

 

 本来は魔法ではない。

 詠唱をもって

 それを制御しているに過ぎない

 

「伝えられし意味は同義である。

 それでもなお

 人は人が与えた意味に酔う。」


 モラレドはそれを完全に制御しきるに至っていない。

 

「ならば私が

 神聖と深淵を与えられし私が

 この身をもってその意を示そう。」


 九世モラレド・ラウア

 その二つ名(裏の名)は忌み子


混沌属性(カオス)


 この世界で唯一の混沌属性の所持者


 厄災と九世

 今のすべてをもって迎え撃つ


、、、、

 

 先に動いたのは厄災

 菌の塊から不可視の菌を放ち

 モラレドに着弾した。


 はずだった。


 モラレドに着弾したはずの菌は

 無効化され霧散する。


 続き

 モラレドによる連撃が菌の塊を襲う

 切られた部分から霧散していく。


 未完成の混沌属性

 それは猛威

 捻じ曲げる力


 厄災もまた

 霧散される前に菌を取り込む。

 そして

 取り込んだ菌を犠牲に

 自身を強化する。


 それが魔法なのか

 厄災に備わっているものなのかはわからない

 それ以外の何かかもしれない。


 これがほんの数秒で起こった出来事

 騎士たちには見えなかった

 世界の明日を決めかねない一瞬


騎士たちじゃ耐えられない

 モラレドはそう判断し

 騎士たちの前で

 素振りをし

 再び厄災へと向かう


 ぶつかりあう、剣と牙

        剣と鱗

 モラレドは厄災の体を足場にしながら

 攻撃を続ける。

 足場を自分で操作しようとしているのか

 厄災もまた常に動き続ける。


 ほんの一瞬だけ

 厄災とモラレドの距離が離れた

 その瞬間

 騎士たちに向けてブレスが放たれる。

 が 

 素振りをした際に

 モラレドが残した混沌により

 ブレスは掻き消える。


それを警戒するのなんて当たり前でしょ?


 と言わんばかりに

 表情一つ変えずに攻撃を続ける。

 負けじと厄災がモラレドにブレスを放つが

 一閃で切り伏せる。


 ブレスを囮に尻尾を地面から奇襲を仕掛けるが

 それも防がれる。


グガアアアアアアアア!


 咆哮をあげる厄災

 それと同時に地面が菌へと姿を変える。


 が

 それも意に返さないモラレド

 しかし

 少しずつモラレドにも変化が起こっていた。


「フッ、、、フフッ、、、」


 混沌属性は未完成でも強力

 その代償に

 自我が少しずつ染まっていく。


 混沌属性の可能性ははるか昔から語られていた。

 もしかしたら初代九世も何か知っていたのかもしれない。

 だが可能性止まりだった。

 神聖属性と神聖属性の両方を身に宿すことは

 ありえないのだから。

 

 ゆえに研究は進んでいない。

 進めることなどできるはずがない。

 ゆえに

 モラレドが初めて混沌属性を開放したその日

 暴走したモラレドを鎮めるために

 多くの犠牲が出た。


 その日からモラレドは神聖属性と深淵属性を極めるため訓練に明け暮れた。

 その結果

 詠唱による補助をもって15分間ならば扱えるようになった。


 それでも

 こんな状況で15分間フルで扱えるわけがない。

 今回は10分


ほぼアウトに近いギリギリ


 だとモラレドは思う。

 しかし

 モラレドも九世である。


だからどうした。

ここで先に行く

 この場面でその思考を持つ。


 刻々と時間が過ぎていく。

 それに伴い染まっていく。

 

 少しずつ自分が消えていく気がする。

 それでも


「まだ、、、!」


 その眼に陰りはなく 

 先を見据え続ける。

 

 見据える先は 

 すでに疫病の厄災の先


 ゆえに


ゴウッ!


 光の柱が顕現する。

 時間稼ぎの終了を意味する。


 光の柱は杭となり

 厄災に刺さる。

 さらに厄災を囲うように光の杭が円状に刺さり

 魔法陣が描き出される。


 これにて疫病の厄災の封印に成功する。

 あとは

 晨弥がどうなったのか。

神聖属性と深淵属性を両方持っている理由、忌み子、親の話

モラレド関連で現状出しているこれらをお話しするのは

かなり先です。


もっと言っていいのかは判断できかねるので

やめときます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ