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界の渡り人  作者: ホトトトギス
生と死の都
60/88

死へと誘うは

 晨弥と四病の戦闘音を背に

 残りのメンバーは疫病の厄災へとたどり着く。


 そこは

 死都となった旧聖都の中心

 厄災はそこにいた。

 今の聖都同様に美しい建築が建っていた

 はずなのだが

 その面影はどこにもなく

 ただただ広い空間が広がっているのみで

 厄災の寝床と言われても納得してしまうような

 そんな場所へと

 なり果てていた。


 聖都としての人の営みの気配は一切なく

 厄災の住処と化したこの死都

 その中心で


 騎士たちは厄災へと立ち向かう


、、、、


 疫病の厄災の見た目は蛇にちかい

 羽が生えていないが

 四病の蛇とは比べるまでもなく大きい。

 そしてところどころ

 肉体が霧状になっている。

 その霧の部分は

 おそらく 

 細菌が集まっているのだろうと

 これまでの封印作戦の結果から

 考えられていた。


 まるで我が住処だと言わんばかりに

 我が家に土足で踏み入ったのはお前たちだと言わんばかりに

 封印されているとは到底思えないほど堂々と

 騎士たちの前に立ちふさがる厄災

 

 とはいうものの

 厄災は今いる場所を離れることができない。

 それは厄災の真下

 そして周りにある封印に用いられた

 杭と魔法陣のようなものが移動できる範囲を制限しているのであった。


 聖女は常に九世入りをする。

 それは神託による厄災の復活の情報を得ることと

 疫病の厄災の再封印をするためである。

 聖女はこれを封印する役目を聖女となった時点で負うこととなる。

 今代の聖女ヌンク・ルーエルは

 まだ15歳ほどの年齢であるにも関わらず

 この厄災のおひざもとでの大仕事を任されていた。


 封印を解除し再封印をする。

 流れとしてはたったそれだけ

 ただ

 再封印をするまで1時間ほどかかる。

 その間は封印より解放された厄災が暴れまわる。

 騎士たちは1時間、聖女を守り切るのが仕事となる。

 仮に命を捨ててでも


 封印に失敗すれば

 どれ程の被害が

 どれ程の期間続くか、、、

 そんな状況これまでの歴史の中で一度もない

 しかし

 地獄と化すのは

 わかり切っていることであった。


 今回の陣形は

 モラレドが厄災の相手をし

 残りの騎士が

 戦いの余波が聖女に

 たどり着かないように立ちふさがる。

 晨弥はたどり着き次第

 モラレドと騎士たちの中間で

 状況に応じてどちらかの加勢をする。


「皆さん、準備はいいですね?」


「いつでも」


「万全です。」


「では、始めます。」


 宣言と同時に祈りを始める聖女

 少しずつ杭は光を失い

 魔法陣も光が消えていく。

 

 そして

 厄災は解き放たれる。


、、、、


 12月29日

 疫病の厄災復活 


グギュルオオオオオオオオオ!!!!!!


 咆哮を放つ厄災

 モラレドは気にせずに攻撃を仕掛ける。

 神聖と深淵のに属性による連続斬撃

 攻撃を受けながら

 ブレスをばら撒く厄災

 

 モラレドは騎士たちの

 真後ろへと退避し

 騎士たちは神聖魔法による

 防御魔法を展開する。


 1万年という長い年月

 10度目の疫病の厄災との戦闘

 これまでのすべてで再封印に成功してきた。

 

 そういわれれば聞こえはいいかもしれないが

 この戦いで多くの九世がなくなったのは

 変えようのない事実である。

 幾人もの九世が再封印成功のために

 命を懸けて時間を稼ぎきったこともあった。


 再封印までの時間稼ぐができないと判断し

 九世が命を代償に結界を貼り

 その間に聖女が一時撤退し

 他の九世が救援に駆けつけてから

 再度封印しきったことだってあった。


 九世が命をかけている以上

 騎士団の人々もまた

 それ以上に、、、

 

 再封印できなかったことはなかったが

 決して敗北がなかったわけではなかった。

  

 だからこそ

 聖都は魔法を考え続ける。

 発展させ続ける。

 そこに情報も必要な資金も惜しまない。

 

 1万年という長い歳月をかけて

 ようやくたどり着いた


 ブレスを完全に防ぎぎる。


 相当の実力は要求されるが、

 九世でもない一般人が複数名必要にはなるが

 厄災の攻撃を完全に防ぎきることのできる

 魔法へと


 それでも九世には天と地ほどの差がある

 そう騎士たちは思う。


 現に

 ブレスを受け止めている最中に 

 モラレドは問題ないとブレスの中を突っ切り

 厄災に一撃を叩き込んでいた。


、、、、


 戦闘開始してから数分

 厄災にブレスは多用させつつ

 それ以上の範囲攻撃をさせないように立ち回る。


 その時


ゴオオオオオ!

 

 という音の表現で正しいのかはわからない

 わからないが

 遠くで轟音を奏でる光の柱と

 神聖魔法の気配を確認し

 晨弥だと確信する。


このまま押し切る


 晨弥が到着した後のことを思考するモラレド


、、、、


 そもそも何故

 四病を全員で討伐した後に

 疫病の厄災と戦うという選択肢を取らなかったのか?

 別に難しい理由ではない。

 四病討伐後に

 厄災の封印を解くと

 復活したという記録が残っているからである。

 そして封印解除後に討伐した場合、

 四病の復活は確認されなかったため

 こういった形をとった。


、、、、


 光の柱を確認し

 今後の動きを思考しているうちに


「おまたせ」

 

 晨弥が厄災戦に参戦する。


「いいえ、想像以上に早かったわね。」


「固い奴もいたけど、、総評としては思っていたよりも柔らかかったね。」


「頼もしいわね。」


「そりゃどうも。それで?こっから1時間稼ぎきる流れで変更なし?」


「ええ。その予定よ。」


「了解」


、、、、


 そこから約20分間ほど

 九世二名による

 時間稼ぎが行われていたのだが

 それは唐突に終わりを告げた。


「モラレド、、下からなんか来てんだけど、、僕に言ってないスペシャルゲストいたりする?」


 地中を移動する存在を感知した晨弥

 少しずつ上がってきており

 予想だと晨弥達がいる地点に現れることになる。


「いないわよ。残念ながら。」


「ですよね。俺がやるんでいいの?」


「頼むわね。」


「りょーかい」


ズガーン!


 大きな音を立てながら 

 地中から現れたのは

 骨の竜?であった。

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