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界の渡り人  作者: ホトトトギス
生と死の都
58/87

死した都へ

 4日目にあった怪物たちとの戦いを乗り越えて


 晨弥たちはウール大陸へと

 再び海を突き進んでいた。


 12月22日午前9時ごろ

 ついにウール大陸が肉眼でも見える地点まで到達していた。


「とりあえずたどり着きはしたな。」


「ええ。ほんとうはここからのハズだったのだけどね。」


「気を引き締めていきましょう。」


 聖女のことばにうなずく二人


、、、、


 戦艦の一室に集まった晨弥たちは

 ここからの流れを確認していた。


 晨弥、モラレド、聖女の三名を含めた

 少数精鋭

 人数にして20名のメンバーで

 疫病の厄災が封印されている

 1万年前の聖都であり今は死都呼ばれている地へと

 1週間かけて向かう。

 残りのメンバーは

 晨弥たちが行っても戻ってくる

 2週間ちょっとの間

 ここを死守することとなる。

 死都へとむかうメンバーはすでに決まっているため

 本当の意味での

 最終確認の場であった。


 もし万が一失敗終わった場合は

 そのことを魔道具や聖橋をつかって報告を入れる。


 全滅の場合はさらにそこから

 生存者のみが聖橋によって戦艦レピオスへともどり

 そのまま聖都へと帰還する。

 そして戦艦に残っていいたものが聖都へと先に

 聖橋により帰還し

 報告する。


 今回の成功条件は

 再び疫病の厄災をこの地に封印すること。


、、、、


 最終確認も終了し

 上陸に向けて各々も終了

 

 ここからは全員が与えられた役割を果たす時間である。


 晨弥もまた準備は終えており

 これから起こるであろう戦闘に向けて

 神経を研ぎ澄ませていた。

 

「晨弥」


「ん?」


「ここではやらなくて良かったけど、上陸したら神聖魔法で自分を覆いなさいよ。」


「ああ。分かってるよ。」


 ウール大陸は1万年前から疫病の厄災を封印し続けてきた大地である。

 それゆえに疫病の厄災の影響がこの地に充満していた。


 仮に神聖魔法で自身を覆っていないとどうなるのか

 覆っていなければならないという情報しかない晨弥が

 モラレドに聞いた際にかえってきた答えは

「出血は当たり前、呼吸できなくなったりもする。身体の麻痺もある。」

 ここまでは科学世界でも存在はしている。

 問題はここから

「出血どころかいたるところから血が流れ出てきたり、吐血もする。でもまだ序の口で本当の問題は体が朽ち果てたり、崩壊したりする。」

 であった。

 さすがの晨弥もドン引きであった。


 ということもあり早々に神聖魔法で身を固める。

 そんな晨弥に


「これ持ってくれる?」


 モラレドが石碑をわたしてきた。

 とりあえず受け取る晨弥


「あなた飛べるわよね。」


「はい飛べます。」


「じゃあ、それ持ってあそこまで先に行ってくれる?」


なるほどね?パシリってことね?


「行ってきまーす。」


 自分の神聖魔法で問題ないか確認した後

 ウール大陸へと上陸する。

 疫病の厄災の影響があるとはあまり思えない程度には

 晴れ晴れとした空が広がっていた。


「んで?ここに置けばいいんだよな?」


 石碑を設置すると

 光が門へと変わり

 騎士団たちが姿を現す。


「ここで良かった?」


「ええ。問題ないわ。」


 門より出てきたのは

 死都へ向かう者たちと

 門を大陸で守る者たち

 聖女はさらに死都に近くなってから

 再び門を開けることになる。

 

「行くわよ。」


 はるか向こうの都へと

 走る。


、、、、


 死都を目指して数日

 一行は休息をとっていた。

 疫病の厄災の影響を受けているとはいえ

 それに適応する生物はいる。

 研究が進んでいるわけではないので

 適応なのか共生なのか不明ではあるが

 生物がいるという事実は間違いなく存在していた。

 こういった事情もあり

 休息が取れるポイントは限られていた。


 現状ここまでは予定通り来れており

 このままいくと最後の休息は

 12月28日となり

 そこで聖女を聖橋によってここへ呼ぶ

 という形になることを確認し

 再び

 動き出す。


、、、、


 何度か戦闘は発生したものの

 問題なく対処

 12月28日

 予定していた休息地点に到達


 遠くに死都が見える。  

 死都に近づくにつれて濃くなる疫病の気配

 いつか感じたあの感覚

 いる

 晨弥の直感が警鐘を鳴らす。


 晨弥があたりの警戒をしているうちに

 騎士たちは聖女を呼ぶための準備を進めていた。

 これほどまでに死都に近づいていることもあり

 魔道具が正常に動作するかどうか不明であるため

 旧時代の遺物を使用していた。

 そして


「皆さんお疲れ様です。」


 聖女が到着する。

 ここを出ると疫病の厄災を再封印するまで

 休みは取れないのは想像に難くない


 最後の休息

 戦いに向け神聖魔法を使わなければ

 まともに休めるような環境ではないが

 精神を整え 研ぎ澄ます。


、、、、


 それから数時間後


「では皆さん、準備はいいですね?」


 最後の調整を終わらせた晨弥たちは

 死都へと突き進む


、、、、


 休息地点から2時間ほどで死都へと入る。

 入ったものの

 1万年たっていることもあり

 ほとんどの建物が崩壊している。

 それでも多少の形が残っており

 建築技術が高いのか

 建材が特別製なのか

 晨弥にはわからないが

 1万年前まではここで生活している人たちがいたということを

 証明するかのように存在している建物の残骸と言っていいものなのかわからないが

 そういったものに感慨深いものを感じる。


 ちょっとした歴史の観光しつつも

 晨弥は魔力感知を怠ってはおらず

 晨弥達を取り囲む4体の存在に気付いていた。


「4体、取り囲んでますね。」


「おそらくそれが再封印時にも確認されている四病と呼ばれる存在ですね。」


 四病

 疫病の厄災の配下といってもいい存在

 疫病の厄災に適応した存在

 討伐されると次の存在に能力が継承される

 1万年という歴史の中で

 解き明かされている

 能力は

 ・病気にかかりやすくなる

 ・血の凝固による血流の停止

 ・空気から必要なものを取り込めなくなる

 ・脳の破壊 

 この4つ


「僕が相手するやつね。」


「そうです。」


 今回の晨弥の役割は四病を相手にすること。

 最低でも再封印が終わるまでの足止め

 できるなら討伐

 討伐しないほうがどれが何の能力かわかって楽かもしれないが

 仮にわかっていたとしても

 結局対策は神聖魔法で自分の身を守るであり

 なにがどの能力かというのは

 くらえば終わりみたいなものなので

 討伐しようがしまいが関係なく

 討伐せずに

 1000年後、今より厄介になっていた時の方が危険なのである。


「ここから厄災までは?」


「このペースで2時間ほどです。」


「ここも広いね。今の聖都と負けず劣らず」


「それだけたくさんの人がいたんですね。」


「さて、お話をしていい時間ではなくなったようだね。」


 4匹が晨弥達めがけて移動を開始した。


「晨弥、任せるわね。」


「任せな。」


 姿を現した4匹を魔力操作にて地面へとたたきつけ

 身動きを封じる。


 それと同時にペースを上げた騎士団たちは

 10秒ほどではるか遠くまで移動した。

 

 それを確認した晨弥は

 魔力操作を解除する。

 4匹は騎士団を追うような素振りは見せたものの

 晨弥から逃げきれないと感じたのか

 晨弥へと向き直る。


「犬に蛇にネズミ?に蝙蝠、、、、僕は別に医者じゃねし、薬関係の勉強をしていたわけでもねえから詳しくはないけど、、面倒ごとを引き起こす存在、、、ではあるよね。」


 4匹を見回しながら晨弥はつぶやく


摩天楼(まてんろう)


 晨弥を中心に大きなビルのような

 いやどこかの都市の中心のような

 岩で作られた街が完成する。


 摩天楼

 晨弥が土の干渉魔法を練習をかさね

 自分に有利な地形を街レベルで作れるようになった結果出来上がった

 自分の有利を押し付けるための魔法


 さらには逃がさないように街の周りを壁で取り囲み

 絶対に逃がさないという意思を見せる。


「科学世界でもいろいろ大変なんだわ。あの世界じゃ僕は何の役にも立てないだろうけど、せめてここではお前たちを潰して他に被害が出ないようにしてやるよ。」


、、、、


 聖女たちもまた疫病の厄災まであと数分といったところまで来ていた。

 先ほどは歩いていたため2時間ほどだったが

 ハイペースで来ているためあっという間に

 たどり着いていた。

 後方で大きな物音がしたが振り返ることなく 

 突き進む。

 役割を果たすために。

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