表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
界の渡り人  作者: ホトトトギス
生と死の都
55/89

拝啓問屋殿 いい加減にしろ

 12月15日

 最後のゆったりとした休息をとった晨弥たちは

 出航直前の準備を行っていた。


 行っているのだが晨弥は特にすることがなく

 聖女もまたすることがないので

 二人でおしゃべりをして待つのだった。


 聖女もまた科学世界についての知識はあるようで


「学校へ行くのにも手段がいくつかあるのですよね?」


「そうだねえ。学校と家の距離によって手段が変わるねえ。」


 などと1時間ほど話している間に


「出航の準備整いました!」


 出航の準備が整うのだった。


、、、、


 ウール大陸まで晨弥達を乗せる戦艦レピオス

 全長は300m近い大きさを誇り

 全幅は40m近くと

 科学世界に負けないほどの大きさを誇る。

 600名近い人数を乗せて運ぶことができる。


 今回ウール大陸へ向かう人数は200名ほどであり

 残りを食料と武器、魔道具に全投入という形をとっている。


「ほんと、でかいな。」


「今回は乗っている人数が人数だから広く感じるわね。」


「僕はそもそもこういうの乗ったことないから、ちょっとテンション上がる。後のこと考えると嫌な気持ちになるけど。」


「ほら、そんなこと言ってないであなたの部屋教えるから」


「はいはい。」


、、、、


「まじ?」


 晨弥の目の前に広がる晨弥が使う部屋に

 ビビる晨弥

 

「こっちに来てからこういう部屋を使わせてもらえることは多いけど、、、やっぱなれねえなあ。庶民には雲の上の存在だよ。」


「九世なんだし、これくらい当然よ?」


「わかっているつもりなんだけど、、つもり止まりなんだよね。分かる。」

 

 などとぼやきながら設備の位置を確認などをしているうちに出航の時間がやってくる。

 午前6時30分

 上り始めた日とともに

 戦いに向け出航


 これから1週間をかけて約1万Km離れたウール大陸を目指す。


「船って戦艦だとしてもこんな速度で進めるもんなの?、、、魔法の力ってすげー」


 戦艦レピオスの速度に驚きを隠せない晨弥

 どこかで見たような聞いたような言葉をこぼす。


 天気は晴天

 海も穏やかであり

 晨弥のテンションも若干上がっていた。


「ああ~。風が気持ちい~。」


 転移したことによって肉体強化されている今の晨弥にとっては

 船の速度+自然の風 という強風が

 心地よく感じる風となっていた。


 そんな速度で移動していることもあり

 一瞬のうちに海洋生物たちの楽園へと

 到達していた。


「あれブレングじゃん!ははっ!」


 ブレング

 エイのモンスターであり集団で行動する。

 ステルス戦闘機のような見た目をしており

 非常に薄く肉体も鉱石でできているのでは?

 と調査が進んでいない頃は思われていたほどの硬度を誇っている。

 口は開いている状態になっており

 そこから取り込んだ水を体の後方から噴出し

 移動するという 

 移動方法はジェット機のような手段を取っている。

 食事もとりこんだ水からプランクトンを取り込んでいる。

 大型のモンスターを集団で狩り

 捕食することもある。


 そんなこんなでテンション高めで楽しんでいた晨弥

 気が付けば

 出航から数時間経っており

 さらには


「酔った、、、、、」


 酔っていた。


「楽しそうにしてたじゃない。」


「お恥ずかしい。」


ザバーン!


 すでに陸は見えず

 本当の意味で海洋生物の楽園に到達していた。

 それもあってか

 海が生命の母と呼ばれるのもうなずけるような

 巨大なマンタが大ジャンプをしている姿が遠くに見える。


「あれは、、なんだっけ、、、、?」


「あれはナンタね。ここらへんで見かけないわけではないけど、、、珍しいわね。」


 ナンタ

 マンタのモンスター

 非常に大きく

 記録上最大級は500mを超えている。

 今回晨弥たちが見たナンタはあっても200mほどであり

 ナンタは平均か少し小さいくらいである。

 大きさの割に穏やかな性格をしている。


「ああいうのが水面に上がってくるときに見える影、、苦手だなあ、、、」


「、、、それ、、オーシャルの調停の獣(ちょうていのけもの)に会えないでしょ。」


「さいしょからふじょうしていてもらいたいね」


 なんとも九世とは思えない弱音を

 酔って寝転んでいる状態で言い放つ晨弥に


「あなた、、厄災討伐したのよね?」


「僕もなんで勝てたんだかよくわからん。」


「あなたねえ、、、」


 などと言い合える程度には

 順調に1日目は過ぎ去っていった。


、、、、


 2日目明朝


「おはようございます。」


 午前2時ごろまで見張りをしていた晨弥は5時ごろまで休息をとり

 再び甲板へ戻ってきていた。


「晨弥様。まだおやすみになっていて良いのですよ?」


「異世界人は睡眠時間短いですから。まあ、昼間に1時間ほどいただきますけど。」


「あなた様がそうおっしゃるなら。」


「ありがとうございます。」


なんかこの1カ月頑張ったけど、

聖都の騎士団の人たち九世を特別視?するせいで

仲良くなってるんだかよくわからん。

なんというかモラレドは騎士団出身だから軽口叩けるみたいだけど

僕は、、、よそ者って感じだから、、しょうがないか。

でもなあ、、戦闘しているときとかうまくいくか不安だな、、


 そんなことを考えながら

 毎朝のルーティーンをはじめる。


、、、、


 2日目は曇り空が広がり

 午後からは雨も降りだし

 海が荒れるなど

 昨日とは正反対の状況となっていたが

 モンスターの襲撃などはなく

 荒れた海を進み続けた。


、、、、


 朝から濃い霧に覆われた3日目

 昼に近づくにつれ

 霧は晴れていき

 綺麗な青空が広がっていた。


 ここから数日間は

 これまでのウール大陸までの航海の記録から

 モンスターとの戦闘多発海域へと突入する。

 騎士たちは気を引き締める。


 午後1時を過ぎたころ


「進行方向10時の方角、感知内に反応あり!」


 騎士が叫ぶ


「晨弥、あなた気付いていたんじゃないの?」


「、、、コワクテ、、、」


「はい?」


「海、、、怖くて、、、」


「、、、あなた、、、九世よね、、、」


「九世にもあるよ。怖いもの」


「まぁ、、そうだけども、、」


「でも、、、僕の役目は討伐だからね。果たすよ」


「なら問題ないわ。國宗さんに剣術教わったんでしょ?」


「そうなんだけど、、戦闘に対する考え方として剣術は向いてないって言われた。まあ、異世界人が武器振り回すだけで脅威だから一通り教わったけど。」


「向いてない?」


「うん。剣で勝つってより剣を手段の一つとしかとらえてないから剣術での戦闘の組み立てはしないほうがいいって」


教えてもらってるとき

じいちゃんとキャッチボールしているような感覚で楽しかった。


 騎士たちが戦闘に備えているのを他所に

 あの時間を思い出しながら


「遠くにもう一匹いるな。」

 

 感知を再開する晨弥がもう一匹を見つける。


「進行方向11時の方角、こっちは明確にここ狙ってる」


 晨弥が騎士たちに情報をながす


「両方いっぺんにはやりたくないな。めんどうだし。」


ドウン!


 遠方からの水の砲弾が戦艦めがけて飛来する


 それを感知した晨弥は

 手刀で海面を叩き大きな水しぶきをあげる。

 激突する砲弾と水壁


「小学生のころどれだけ高くできるかゲームやったのを思い出すな。」


こんなに大きくできました。


「晨弥様、ここよりわれらが防衛をいたしますので攻撃に集中してください。」


 騎士たちが数名ずつの班を作り神聖魔法での防御を展開する。


「モラレドどうする?どっちがどっちやる?奥から来ている奴の方が大きそうだけど。個人的にはデカい方とやりたい。」


「それは助かる。私、魔力の回復速度は普通だから」


「んじゃそうするか。」


 それを後ろで話を聞いていた聖女が全員にバフをかける。


「前の奴、、来るよ。」


「ええ、、わかっている、、わ!」


 モラレドの得意武器は二刀流

 武器に神聖魔法と神聖魔法を付与して戦う戦闘スタイルをとる。

 武器の長さは短剣だが

 付与している魔法を利用してリーチを伸ばすこともできる。


 海面より飛び出してきた海竜オグプ

 科学世界で言うところのシーサーペントである。


 淡い水色のような色をしたオグプに

 神聖魔法と深淵魔法ののった斬撃を連続で叩き込むモラレド

 オグプに何もさせずに討伐する。


「竜はタフだね。」


「まったくね。それで?あなたの獲物は?」


「海中から出てこなさそうだね。船から100mくらいの距離を維持してる。」


「どうする?船の速度かえる?」


「いや、、その必要は、、真下からの攻撃って耐えられる?」


「それも考慮して造船しているし、点検もしているから問題はないと思うけど、、」


「だからって何発もくらうわけにはいかないよね。」


「そうね。」


「なら、、強引にでも上がってきてもらうか。モラレド、船ちょっとゆれっけどいいよな?」


「下から来られるより何倍もいいわよ。」


「聖天」


 答えを聞くや否や聖天を放つ。

 神聖魔法を持ちえない者が使う聖天は

 砲撃となる。


 海中へ向けて連射する晨弥

 海中で目標が回避しているのが理解できるほどに波が荒ぶる

 


クイッ


 聖天による砲撃の方向を示していた手を上にあげる


「ただ撃ってるわけねえじゃん」


 目標が回避した砲撃が下から再び目標をねらう。

 船の真下からの攻撃(自分がされて嫌なこと)をする晨弥

 性格の悪さが垣間見える


 上と下

 両方向からの砲撃

 それも目標を浮上させるように仕組まれた砲撃であるため

 

ザパン!


 目標が海面から姿を現すのは想像に難くなかった。


「色濃いけど、、、オグプだよな?」


「オグプは生息域とする水深によって色が違うのよ。深ければ深いほど濃い青になるわ。あと大きくなる。」


「あー、前読んだ本にそんなようなこと書いてあったな。」


 前に見た本の内容がうっすらとよみがえる。


 速度を落とさず進む戦艦レピオス

 その速度に平然と並走をしながら隙をうかがうオグプ

 いつでも抜き放てるように抜刀の構えをとる晨弥


 絶え間なく聞こえる海をかき分け進む

 二つの巨体の奏でる音


 何秒

 何十秒

 あるいは

 何分か

 この膠着状態が続いたのかわからないがほんの一瞬

 海が凪いだ。


 その刹那

 オグプが戦艦の側面へと体当たりを仕掛ける

 その瞬間

 晨弥が抜刀した一閃がオグプの柔らかい隙間へとせまる。

 オグプが大きくなろうとも

 必然的に柔らかくなる箇所は存在する。

 本で見たオグプの柔らかい箇所

 そこへ抜き放った。


ずれた!


 しかし

 狙えてはいたのだが

 まだまだ未熟な剣の腕ではとらえきることができず

 仕留めるに至らなかった

 が

 戦艦への攻撃を止めることには成功する。

 よろめいた隙を逃さず生成した剣を連射する。 

 切った箇所だけでなく

 固い鋼殻さえを破壊する量を叩き込む。


「この一カ月で色々魔法練習したけど、、、この魔法の精度も上がってんだよなあ、、、」


 自身の1カ月の修業を思い出しながらふとこぼす。

 

「あなた、剣は向いてないんじゃなかったの?」


「できないわけではないし、、抜刀術は今みたいな時のために練習したし、、まああんましうまくいかなかったけど。」


「それにあなた、なんて言ったっけ?あの刀」


「幽幻刀?」


「そうそれ。使ってないじゃない。」


「使ってもいいんだけど、あれ簡単に切れるからそれに頼りっきりだと、、ねえ?」


「ああ。そういうこと。」


「そうそう」


 などと言っている間に

 討伐は終了していた。


 そんなことを言っている頃には討伐し終わっていた。


 その後は戦闘はなく

 強いて言うなら

 急な天候の変化への対応をした程度で

 3日目は終了


、、、、


 4日目

 この日は朝から雨が続いていた。

 モンスターとの戦闘はちょっとした小競り合いはあったものの

 おおきなものはなく

 進んでいたのだが、、、


「?」


 晨弥が首をかしげる


「どうしたの?」


「いま、、ずっと下の方で魔力を、、あ、、やばい!下にすげーのがいる!」


「え?」


 モラレドの問いに答える間もなく

 晨弥は大雨のふる甲板へと走り出す。 

 それを聞いたモラレドも

 甲板へと急ぐ


ザザーッ!


 大雨が降り強い風が吹く甲板で晨弥は


「いやな思い出だよ。ほんと」


 不愉快そうな顔をする晨弥を横に

 

「、、、いるわね。」


 モラレドもまた遥か下より吹き上がる魔力を感じていた。


 魔力感知の範囲がどうしたとか

 感知が得意かとかではなく

 強者故に感じられる強者の気配

 これを二人は感じ取っていた。


「「2匹も」」


 口をそろえて言う二人

 心の中で戦闘は避けたい

 そう考えるが


 案の定

 避けられるわけがなく

 激闘を繰り広げながら浮上してきた2匹が

 船を挟んで対峙する。

今回初だしの情報 調停の獣

まだ気にしなくていいです。

こういうやつがいるってだけです。

現状は

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ