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界の渡り人  作者: ホトトトギス
生と死の都
54/88

問屋もたまには休んでほしい

 国際会議が終わってからというもの

 時間はあっという間に過ぎていった。


====


 12月14日

 ウール大陸に向けて晨弥と騎士団たちは

 出航するための港に来ていた。


 なお、港までは聖橋を使ったため

 移動時間はほとんどないに等しかったため

 ギリギリまで訓練に時間を費やすことができていた。


 港町バリーニ

 1万年前から港町として発展しており

 今もウール大陸へ向かうための港町として有名な街

 

「ああ。あれに乗っていくのね?」


 晨弥は誰に言ったというわけではないが

 科学世界で見たことあるような形はしているのだが

 そこにいろいろとくっついているのを見て

 若干の不安が混じった声を出していた。


「ええ。そうよ。」


 モラレドが答えるが

はえ~

 と何とも間抜けな声を出すのであった。


、、、、


 その後

 出航するための最終確認をして明日に備える

 そのつもりであったのだが


 やはりというべきかなんと言うべきか

 そうは問屋が卸してくれない。

 どうやら港町近辺に

 フィーブと呼ばれるカニのモンスターの変異種が現れたようだった。


「倒してから行くの?それとも聖都から騎士団呼ぶ?」


 モラレドに晨弥問う。


「呼ぶのもいいのだけれど、、数日かかるわよね。」


「ええ。厄災に向けて編成が変わっているので、普段通りとはいかないですね。」


 モラレドの発言に騎士団の一人が答える。


「それまで待つんだったらもう僕たちで討伐したほうが早いよね。にしてもいつ発見したんです?」


「昨日のようです。」


「なんとも間がいいのか悪いのか、、、討伐しちゃいます?フィーブはもともとは騎士級で変異種になってどのレベルまで行っているのかわからないけど。」


「それでもいいけど、、武器の耐久とかここで減らしていいものなのか、、」


「僕の魔力実質無限だし、どうにかならん?」


「そういえばあなたそうね。睡眠時間も短くていいんでしょう?」


「うわ~。この人僕のこと酷使する気だよ。いやな女だね。」


「いいだしたのはあなたでしょ。」


「それはそう。」


 晨弥とモラレド

 同じ九世であり年も近かったこともあり

 なんやかんやあってこの1カ月でそこそこ仲良くなっていた。

 九世は有事の際は背中を預ける仲間であるため

 そういった点を考慮してではあるが、、


「モラレドの武器も特別製でしょう?残りの人たちに準備お願いして討伐するのもありじゃね?」


「それもそうね。ここ、任せてもいいかしら?」


「お任せください。」


 方針はあっさり決まった。


、、、、


 12時

 モラレドと晨弥は変異種を発見したと思われる場所に来ていた。


「時間はまだあるけど、、、どうする?僕が魔力放出しておびき出す?他のも来ちゃうと思うけど」


「それは最終手段ね。感知の方はどうなの?」


「うーーーーん。ぼちぼち引っかかっているけど、、どれも複数で行動している感じだから何とも、、」


「全部見て回る?」


「いや、僕の感知はわざわざ見に行く必要はないかな。ただ、、、」


「ただ?」


「フィーブを確認できたけど、、鋏がおかしいんでしょ?どれも同じ形してる」


「もっと奥?」


「だろうね。それかどこかの洞穴だの洞窟だのにいるかもだけど。ここら辺いわば多いし、どれが洞窟だとか見分けるの大変よ?」


「一応聖都にも報告は入れているから、討伐報告を入れなければ騎士が派遣されるし、それまで防げるような結界はっていくしかなくなるわね。」


「時間がないときは魔眼使えれば楽なんだけどねえ。」


「使ったらあなた死ぬかもって話なんでしょ?」


「使えないよねえ、、仕方ない、場所変えるか」


、、、、


 探し始めてから1時間は最低でも経とうかというころ


「、、、お?なんか集まってるな。」


 晨弥が何かを見つける。


「え?」


 晨弥は遠くに見える岩場を指さしながら 


「あそこ、フィーブたくさん集まってるね。」


「行ってみるしか、、ないわよね?」


「ないねえ。ちょっと多すぎてあの中から変異種探すの、、あ、いたわ。」


「見つけたの?」


「うん。ふっつーにいるわ。何と言うか、、仕切ってる?」


「仕切ってる?」


「フィーブの王様ごっこしてる。」


「それだけ聞くとかわいいわね。」


「そこだけならね。きめえ量のフィーブがいるけど、、てことはさっき感知した連中は」


「監視班でしょうね。」


「は~~!優秀なことで。」


 フィーブの統率力に面倒くささを感じつつも

 監視の目をすり抜け

 フィーブが多く集まる岩場に到着する。


「、、、多くない?」


「はい。多いです。」


「どうするの?」


「、、、、どうするのって、、、どうしよう。とりあえず前衛は僕がやるって言いたいところだけど」


「あなたも私も前衛側よね。それに下手な魔法を使えば」


「ここら一帯が崩壊するし、統率を失ったフィーブが暴れだすね。」


「ざっくり何匹いるの?」


「300匹くらい」


「じゃあ、、半分くらい削ればってところかしら。」


「その後に変異種の順番の方がよさそう、、かな?あとは挟まれないように成り行きで」


「了解」


 フィーブの巣窟と化している洞窟の入り口に立つ二人

 あたり前のことではあるがフィーブたちも二人を認識し戦闘態勢へと移行する。


「うわぁ、、、感知していたとはいえこうしてみるとマジでびっしりじゃん。集合体恐怖症の方はご視聴を進めかねるよね。」


「ちょっとこれは、、、気持ち悪いわね。」


「これはあの時にみた芋虫どもと同等の気持ち悪さだね。」


 過去に経験した嫌な思い出を思い出しつつ

 軽口を叩く二人

 そんな二人を他所にフィーブは襲い掛かる。


「おいおい。カニがまっすぐ歩くなよ。カニに夢見てるキッズ泣くぞ。」


 わしゃわしゃと走ってくるフィーブに文句を垂れる。

 垂れつつも、適当な大きさの岩の剣を無数に生成する。


「初撃は任せる」


 モラレドの言葉に

 剣を連射し

 一気に数を削る晨弥


「やっぱりこれは雑につかっても、きちんと使っても強くていいね。」


聖天(せいてん) 深淵からの咆哮(アビス・ロア)


 間髪を入れずにモラレドが魔法を放つ。


 聖天

 神聖魔法に分類される神聖属性を有していないと扱えない魔法

 天に光を作り出し

 光がさす地点に聖なる光が降り注ぐ魔法

 魔力使用の阻害が可能な魔法であり

 魔力量がある一定以下である場合

 意識を失う可能性がある。

 これは睡眠状態に陥っているようなものなので

 この魔法だけで息の根を止めることはできない。

 格上相手でも魔力使用にラグを発生させられる可能性がある。

 回避方法としては意志を強く持つことであり

 意志が強ければ無効化が可能

  

 アビス・ロア

 深淵魔法に分類される深淵属性を有していないと扱えない魔法

 大地に闇を作り出し

 闇の上の空間に深淵属性の帯びた声なき大咆哮が襲う魔法

 魔力量によってはその魔法だけで相手の息の根を止めることが可能であり

 そうでなくとも相手をバインドすることが可能

 格上相手でもほんの一瞬ではあるが動きを止められる可能性がある。

 回避方法としてはこれも意志を強く持つことである。


 聖天とアビス・ロア

 これは神聖属性、深淵属性がなければそれぞれ発動できない。

 そしてこの二つの属性は持っていたとしても

 どちらか一つ。

 そのはずなのに今この瞬間にモラレドは二つの魔法を使用した。


 モラレド・ラウア

 神聖属性と深淵属性をその身に宿す

 この世界の特異点


「圧倒的無法!いいよね。魔力阻害もしくは意識の消失したところに息の根求められる魔法、俺は好きだよ。」


「ならさっさとやって」


「おう」


 晨弥は一気に変異種のもとへと駆け抜ける。


 フィーブ

 カニ型のモンスター

 科学政界で言うところのシオマネキと似た特徴がある。

 片方が大きな鋏でもう片方が小さいのだが

 大きな鋏が普通のはさみの形をしていない。

 花のつぼみのようなふっくらとした形の見た目をしており

 それが3つに分かれる。

 これがフィーブの特徴

 では、この変異種はなにが違うのか

 ・大きさが1回り大きいこと

  通常種が1ⅿない程度であり

  変異種は1.5mほどある。

 ・両方のはさみがつぼみの形をしていること

 ・もともと3つに分かれていた鋏が4つに分かれていること

 ・もう片方のはさみは3つに分かれていること

 大きくこの4つが違う点である。


あの大きさでの突進、はさみでつかむ、はさみでつく

これくらいか


 変異種を見て攻撃のパターンを予想するのだが


バシュッ!


うっそでしょ!


 はさみを射出する変異種に瞳孔を大きく開く

 驚きはするが対処はスムーズにする。


まじかよ。それありなの!?

この世界のモンスターどもは生物感を感じれるときとそうでないときの差が激しいなあ!おい!


「ま、これだから楽しいんだけどね。」


 そんな言葉をこぼしながら拳を叩き込む。


「なんだ。案外もろいな。」


 まだ生きてはいるものの

 風前の灯であることは明白であった。


「風切」


ドサッ


 変異種が崩れ落ちる。


「いたぶる趣味はないからな。、、、それはそうとフィーブってうまいのかな、、、、」


「そんなこと言ってないで離れるわよ。」


「そうだね。」


、、、、


 晨弥とモラレドが港へと帰還したのは午後16時

 探すのに苦労したものの

 案外早く戻ってくることができていた。


「それで?準備は?」


「万全です。」


「そう。なら予定通り明日の朝出発できるわね。」


「んじゃ解散?」


「ええ。明日の朝、午前5時にここに集合」


「んじゃ」


 軽いノリで解散

 明日からは海を越え

 封印された厄災のもとへと突き進むことになる。

 おそらく厄災の脅威を排除するまででとれる

 最後のゆっくりと英気を養うことのできるひと時

 各々が思い思いの時間を過ごす。


「明日からは、、、地獄だろうな、、、」

芋虫さんは片翼のグリフォンのところでも少しだけ言及していますが

エピソードとしては書いてないです。

晨弥が「キメー!」と叫びながら魔法ぶっ放しているだけなので、、、

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