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魔法っていいよね

この世界で生きることをもがくことを決意したその後、、、


僕は、散髪屋の異世界人のもとに来ていた。貴族街に店をかまえているというのだから腕もいいんだろうね。


「初めまして。私は真理(まり)祈里真理(いのりまり)です。よろしくね?」


「纏晨弥です。よろしくお願いします。」


ということで第一科学世界人との邂逅。、、、会ってみたいと思っていたし、会えてうれしいのだけれどもいざ会うと何を話せばいいのかわからない。何を話そうね?


「ご出身はどちらなんですか?僕は福島です。」


お見合いかな?いったい何を聞いているんだろうね?


「私は長野だよ。仕事で東京に住んでいたんだけどね。」


「こっちに来て何年ぐらいなんですか?」


「だいたい6年くらいかなぁ。向こうでも美容院で働いていたんだけど帰ってる途中でここの街に来ていたって感じかな。そのあと、騎士さんたちが来て、、、て感じで多分同じようなことを聞かれて、教えられて絶望して。でもしょうがないからこうやって働きながら情報流れてこないかなって貴族街で働いているんだよね。」


「やっぱり絶望しますよね。こういうのは漫画だけで良いって。」


「わかる。正直私が何をしたんだって感じ。」


二人してうなずきあう。そりゃそういう反応になるよね。漫画とかだとあの世界で充実してなくてだのなんだのとあの世界に負の感情が9割以上を占めているわけだし。でも!ぼく!あの世界!充実していたんですけど!(はたから見たら、充実していないとか言う人がいるかもしれないが僕が充実していると感じていたんだから黙ってろ!)


なんて話しながらではあるんだけど、気づいたことがある。この人魔力総量僕より多いぞ。解析鑑定をせずともわかる。絶対僕より多い。それっぽく聞いてみるか。


「いま魔力制御やら魔眼の制御やらの訓練をしているんですけど。どうでした?」


「うーん。私の場合魔眼の訓練を先にやって、それから魔力制御に移ったからなぁ。だいたい晨弥君のレベルになるまで一週間くらいかなぁ。ちなみに私の魔眼は、解析鑑定と調節の魔眼(ちょうせつのまがん)ね。」


聞けば調節の魔眼は聞いての通り自分の好きなように魔力やらを調節できるらしい。魔法打つときとか無駄が減って便利だね。確かに魔眼を扱えるようにしてから魔力制御に行ったほうが効率いいか。持っている魔眼によって訓練の順番も考えてくれているようだ。


「真理さんは、魔法とかも使えるんですか?僕はまだそこまで行ってないんですが。」


「使えるよ。使えるけどあまり使わないんだよね。ちゃんと言うなら使う状況にならないって言ったほうが正しいかな。私がいるのは貴族街だし。お試しがてら魔物の討伐に行ったんだけど私には無理だったから。」


まぁ何が無理だったかは想像がつくけど。触れないでおくのが吉ってやつだ。


「私は異世界人の中でも多いほうだからねぇ、本当は討伐とかに行ったほうがいいんだろうけど。無理していっても足を引っ張って迷惑かけるのが目に見えていたから。こうしてあっちの世界での知識でこの仕事してるんだよ。」


真理さんの場合はほかのできることがあったからどうにかなっているけれども、僕はどうだろうか。何ができるのだろうか。こう考えると魔法すら使えない今の僕に価値はないだろう。それこそ本当に未来視の機械になれよって話になる。存在価値か、、、今まで考えていなかったのか考えないようにしていただけなのか。けれど認識してしまった以上、価値とまではいかずとも存在していい理由くらいは、見つけないといけないな。このことを認識できただけでもここに来てよかったと思える。


この後も、こっちで困ったこととその対処を重点的に教えてもらった。本当に助かる。


散髪屋に来たのが大体14時今が大体16時。だいぶ話し込んでしまったようだ。このあともう一人会いに行くわけなんだけれども、真理さんに


「なかなか癖のある人よ」


って言われた。大分不安だ。その人は今日はこっからだいたい馬車で一時間ほど行ったところにいるらしい。”今日は”ってところが引っかかるが、行って話を聞けばわかるでしょ。


腰がだいぶ痛くなりながらもどうにか到着。来たのは平民街って言えばいいのかな?平民街って言っても家のつくりも見てくれはいいんだよなこれが。建築に関しての知識を一つも持っていないから実際はやばいのかもしれないけど。ということでバーの運営をいている人に会いに来たわけなんだけども。ここバーってよりクラブってやつなのでは?ここだけ妙にギラついてる。僕には縁のなさそうな場所。入りたくないなぁ。入らないといけないんだけどね?入りたくないなぁ。なんて思ってたら別の入り口に案内された。こっちは何とも静かな入り口である。同じ店なのに入り口の温度差おかしいだろ。風邪ひくぞ。


「あらぁ、いらっしゃぁい」


おっとオカマ?いや、オネエがいた。真理さんが言ってたこともうわかったよ。なかなか濃いキャラしてるよぉ。もはや怖いよぉ。


「こ、こんばんわ」


「あなた、国王様が言ってた同郷さんねぇ?あたしは お・ねえ よろしくねぇ?」


「まんまじゃねーか。」


「あらあなた。なかなか良い目してるじゃない。あたしの好みよ。」


「勘弁してください。」


「シャイボーイなのねぇ?いいわねぇ。そういう子も好きよ?あたし。」


やっべー。オネエとなんか話したことないから対応の仕方とか知らねー。そうだ!アンスさんも来ているから助けを、、、、だめだ。あの人遠いところ見てる。使いもんにならねぇ~。王様こいつと年一で飯食うとか、、、怪しんだこと申し訳なくなってきた。


「でもねぇ?あたしも自分なりに本当に同郷の人間かを確認することにしているのよねぇ」


なるほど?


「では問題。男は度胸。女は愛嬌。なら、あたしのようなオカマは?「最強」  早いわね。」


「ごめんなさい?想像以上に素早い回答で驚いちゃったわ。」


そりゃどうも。あれ?アンスさんが変な奴を見る目をしている。これはまずい。


「えっと?これで信じてもらえると?」


「そうねぇ。本当はもう少しあるんだけどここまで早く答えられちゃって、信じないほうがオネエが廃るってもんよ。」


「そりゃどうも。」


「ここに来たのは、あたしとの顔合わせってところかしら?アンス団長♡?」


「は、はい。そうです。」


アンスさんガクブルしてるよ。狙われているのかな?大変そ。


「あ、あのぉ?」


「あぁ、ごめんなさいねぇ?この士団長奥手でなかなかおとせないのよぉ。で?何か聞きたいことはあるかしらぁ?」


何をきこうかな。この人の魔力量は大体僕と同じくらいかな?


「えっとぉ、こっちに来てどれくらいなんですか?」


「ざっと10年ってところかしら?最初は苦労したわぁ。この世界にオネエって文化ないんですもの。特に説明が大変だったわぁ。そもそも過去にも一人くらいきっといたでしょオネエ。全く失礼しちゃうわぁ。それに私魔力が少ないほうで今の1/2くらいだったし、あなたと同じくらいになったのは去年くらいよ?」


今の僕でも相手も魔力量を判断できるんだから10年ここにいればそれくらい朝飯前か。僕自身も気を付けていないと足元すくわれることになるから気を付けよう。


「魔力ってどうやって増やしたんですか?」


「魔眼を成長させたのよ。」


「ちなみに魔眼の能力っていうのは、、、?」


「あら、あたしの秘密を知ろうなんて思っていたよりも大胆なのねぇ。やっぱりあなたはいい男よぉ。でもねぇ、オネエは秘密をなかなか明かさないものなのよぉ。ごめんなさいねぇ?」


そりゃ手の内はあかしてくれないよねぇ。でも、魔眼を成長させれば魔力が増えるってのは確定したからいいか。


「ですよねぇ。」


「その代わりと言ったらあれだけどあたしが経営している店全店顔パスとあたしがいる店限定で食事や部屋を無料にしておくわぁ。まぁ同郷者全員にプレゼントしてるんだけどねぇ。」


「ありがとうございます。」


「良いってことよぉ。」


ただ飯ぐらいができる店ってありがたいね。


「しんやさん。そろそろ王城に戻る時間に、、、」


「あ、もうそんな時間でしたか。じゃぁまた来ますね。」


「た、助かった。この地獄から抜け出せる。(アンス心の声)」


「あら、もう帰るのねぇ?またいらっしゃい。恋の悩みができたらあたしにきかせてねぇ?アンス団長もいつでも歓迎よ♡」


「「あ。はい」」


てなことですごい速度で撤収。すーごく疲れた。ちなみに王城に帰った後は風呂に入って速攻眠りましたとさ。


================================


おはようございます。現在0時。王城に帰ってきて寝たのが20時。大体4時間か。まぁだいぶ精神をすり減らしたからなぁ。しょうがないか。昨日の続きの言語の勉強でもしますかね。


大体三時間後


、、、この世界の文字は大体覚えた。そういえば今日は枷はヴァーロットさんの匙加減のやつだけど起きた時も今も問題なく制御できてるな。赤ん坊ですら無意識のうちに1,2日で習得してるんだから意識して訓練している僕ができなかったら、もう終わりって感じだし。いやぁ良かった良かった。それじゃぁ魔力制御偽装、、、するまでもなくまだ未熟だった。さて、今3時だけどこっからどうしようかな。訓練場で走り込みするにはまだ早いし。どうすっかなぁ。書物室に魔法の本でも読みに行こうかな。ってことで

部屋を出てやっぱりいる侍女さんに質問をすることにした。


「おはようございます。すみません、書物室ってどこですかね?」


「おはようございます。書物室は二階にありますよ。」


「ありがとうございます。」


ってなわけで二階。ついたのはいいんだけれども、、、二階丸ごと書物室なのでは?とりあえず入るか。

おっ!司書さん的な人もいるんだ。頭下げとこ。さて、どうしたものか。まぁ聞くか。


「すみません。魔法の初歩というか魔法そのものについて書かれている本ってどこにありますか?」


「ご案内しますよ。」


やったぜ。


「ここのあたり一帯がそうですね。」


「ありがとうございます。」


さて、どれをよもうかな?、、、これにしよう「まほうのりろん」って名前のこれ。


、、、


おっと。気が付いたら5時をすぎていた。途中までしか読んでいないけど、だいたいこんな感じ。


魔力を使うことで扱うことができるのが魔法であり、魔法は通常の場合は質量をもつらしい。質量っていうと少し語弊があるけど。手っ取り早く言うと、アニメとかで魔法どうしがぶつかったり、地面やらに着弾すると爆発している理由の解説が書かれている感じ。理由を知るのがこの異世界でってのはおかしい気もするけど。まぁいいでしょ。んで、魔法の熟練度が高くなってくると純粋な魔力のみで構成されていて質量をもたない魔法。逆に魔力のすべてを質量に変えて物理的な一切の魔力が存在しない魔法の二つを習得可能になる。全員が全員両方扱えるようなるわけではないけれど。まずこれがこの世界に存在している魔法の理論というか常識。次に魔法の発動方法。詠唱を介して魔法を扱う場合とイメージ力を介して魔法を扱う場合の二つがある。詠唱ありの場合は、イメージ力が乏しくても詠唱が終わりさえすれば魔法が扱える。詠唱なしの場合はイメージ力がきちんとできていなければ発動しないができてさえいればポンポコ使うことが出き、詠唱なしでも魔法が扱える人が詠唱すると詠唱しないときと同じ魔力量で火力やらが上がるらしい。イメージ力が乏しいの乏しいの部分がどれくらいかとか気になるけど。書いてないからしょうがない。


てなわけで、書物室をでて、訓練場に行きますかね。昨日話を通して送って話が本当だったらしくあっさり訓練場に来れた。団長やらに挨拶をして走ってご飯を食べて部屋に戻る。ここら辺は一緒。残りの時間は腹筋やったり、言語の復習をしたり時間をつぶして10時前。いつも通りの時間に待ってるとヴァーロットさんがやってきて今日の練習開始。


「もう魔力制御の枷はいらないようですね。今日は魔力制御をしながら魔眼の訓練を午前中して午後からは魔法に行きますかね。」


ついにか、、、


「よろしくお願いします。」


最初に解析鑑定の魔眼で本を読んで、未来視もちょっとやった。ただ、初めて使った時と違うところがあった。初めて使った時は一つの未来の動きが見えていたのに対して今回は複数の未来が流れ込んでくる。なんだこれ?どうなって、、、、ヴッ、、、


「晨弥さん!」


ヴァーロットさんが引き戻してくれた。またやらかすところだった。


「すみません。ありがとうございます。」


「大丈夫ですか?」


「はい。呼び戻してもらえたので。ただ、今回はあの時と違って複数の未来が見えました。」


「ということは定着したようですね。未来とは一つじゃないということなのか。晨弥さん自身がそう考えているからなのか魔眼はまだ研究中なので分かりませんが、どこまで見るか見る未来をどう選ぶか。これが今後の課題になりそうですね。」


「そうですね。」


「順調に進んでいるということで、少し休憩してから魔法の練習を始めますか。」


てなわけで休憩中に朝読んだ本とのすりあわせ的なことをした。詠唱有り無しの違いはまだあったようでアリの場合はその魔法は使わないといけないのに対して、なしの場合は好きなタイミングで消したりなんだりできる。有りより無しのほうが応用やらが効くようだ。


「とりあえず、詠唱なしでやってみていいですか?」


「えぇいいですよ。」


この世界では普通なんだろうけど科学世界の感覚が抜けきってないせいで詠唱は恥ずかしいって感覚がある。


「では、初めていいですよ。」


匙加減型枷を付けてやっていく。暴走したら止めてもらうためにね。


火やってみるか。魔法って言ったらファイアボールってイメージがある。丸い火の玉のイメージ。、、、


おっ!できたんじゃね?!


「おぉ!できてますよ晨弥さん!」


やったぜ!んでこれどうしよう。


「あのぉ、これどうすれば、、、」


「そこにため込んだ魔力を霧散させるイメージをしてください。」


んー、うまくできない。魔力を、、、魔力を、、、こんな感じかな?、、、おっ!少しずつ消えてきた。、、、ようやく消えた。消すのに5分くらいかかった。


「では今のを反復しましょうか。魔力は尽きないとは思いますが尽きたら今日は終わりで。」


「わかりました。」


====


結局、魔力が尽きることはなかった。いくつかの属性を練習したが、風が苦手っぽい?なんとなく風ってイメージ付きにくいんだよねぇ。ただ、他の属性の火、水、土は簡単なものだけどスムーズに魔法の構成→解除の流れができるようになった。てなわけで、風呂入って就寝おやすみ。


====


起きる→書物室で読書とか、使用人の皆さんと話したりとか→訓練場で走り込みと食事→部屋で筋トレか、書物室で読書→訓練場で訓練→就寝


この流れを1週間とちょっと続けた。続けた結果、

・使用人さんたちと仲良くなり魔法世界の常識とかを教えてもらった。

・兵士の皆さんと仲良くなった。

・未来視を使い方にもよるが、扱えるようになった。

・魔法をぼちぼち使えるようになった。

・浮遊できるようになった。


最後の浮遊できるようになったってのは、解析鑑定の魔眼と魔法の同時発動で使えるようになった魔法である。最初は数㎝しか浮かないし、その場から動けないなんてこともあったが、どうにかこうにか浮くだけなら魔眼いらず、空中散歩は魔眼の補助ありきだができるようになった。あとは、知り合いが増えた。

この世界に伝手がない僕にとってはかなりの収穫。魔法は結構難しいやつも何個か扱えるようになった。例えば、土魔法なら魔力一切なしの土を作れるようになった(沢山は無理だけど)ほかも順調である。これには流石のアンスさんもにっこりしていた。やったね。そして未来視。これはなかなか頑張った。というか一番時間やらを費やした。10秒先ぐらいまでなら未来を見ながら動きつつ魔法の属性を変えることもできるようになった。これの練習に一番役に立ったのは、魔力感知というやつである。異世界物でよくあるしこの世界にもあると思って本やらを探したんだけど、少なくとも僕には見つけられなくて、自分でうまいことできるようにした。ただ、相手に感知されていることを気づかせないようにするにはどうしたらいいかこれが大変だったが、これを語るのはかなりめんどくさいので割愛。今の感知範囲は大体10メートル。10メートルの範囲内の情報が流れ続けるので頭の処理訓練になった。未来視の訓練にもなるし、状況確認できる範囲も増えて一石二鳥というやつである。


そしてついに


「晨弥さん 訓練終了です。」


「ありがとうございました。」


ついに制御訓練が終了したのである。これからは、自分の好きなように訓練なりをしていくようだ。この訓練場はヴァーロットさんに言えば開けてもらえるそうだ。さてこれからどうしようね?


晨弥は訓練終了の打ち上げに行くようなのでここで終わります。

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