国際会議ー4
聖都側
「昨日は厄災との戦闘中に観測した神聖魔法についてシュポーロ側の発言を利用してうやむやにされましたからな。今日こそは聞き出してくだされ。」
「私も聞けるのならばうれしいのですが、、、、」
、、、、
「てことがありまして、、、どうしましょう、、、」
「聞き出してどうするつもりなのかわからないけど、、、露骨すぎて距離とられて終わるだけな気が、、、」
「そう、、、ですよね、、、」
、、、、
「仮にあの神聖魔法がしんやの魔法ではなかった場合どうするおつもりで?」
「なに、簡単なことよ。騎士団長に就任させる。」
「!なるほど。確かに、、、いいですね。」
「であろう?」
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国際会議
2日目 午前10時
「国際会議2日目を始めさせていただきます。初めに國宗様よろしくお願いします。」
「厄災が復活し始めている状況で大変申し訳ないのですが、私は九世の座を退くことにしました。この状況下での引退を謝罪するとともに、これまでのご助力ありがとうございました。」
この引退に文句は出なかった。
国宗自身が人間で高齢であるため
肉体的限界が近いことは誰の目からも明らかだったこと。
国宗の戦闘はモンスターとも十分に渡り合えるが
対人戦に強く
厄災が復活するまでの人族が幅を利かせる時代と
あっていたこと。
これが國宗が九世になった理由であり
文句が出なかった理由である。
「それでは今回の九世への推薦者をご紹介させていただきます。カディオス・ルーエル様、ビーヌ・クーウィ様、纏晨弥様。以上三名です。」
カディオス・ルーエル
現聖女の実の兄であり
魔眼を所有する犯罪者たちの刑務所
閉光で
犯罪者の捜査及び確保を仕事としている。
ビーヌ・クーウィ
シュポーロを運営しているビーン・クーウィの息子
この二名が晨弥を除く候補者
しかし
カディオス・ルーエルは聖都側から
新たに九世を決める際にはどこの国からでも
推薦することができるということを
表すために推薦されているため
カディオス・ルーエルについては
候補者として考える必要はない。
カディオス自身が対人戦を想定した戦闘スタイルのため
その観点からも考える必要がないことは明白であった。
「国宗様から質問などはございますか?」
「では、晨弥さん。」
「はい」
びっくりした。いきなり僕かよ。
「厄災との戦闘中に刀を手に入れたりしませんでしたか?」
「え?、、、ああ、、風で飛んできたのか、、、僕の目の前までどこからかきましたけど、、、、戦いの後持ち主探したんですけど、、見つからなくて、、、」
状況しらない人からすればわけわからんよな。僕のこの発言も
國宗さん?が確信めいた顔して質問しているのも
「今持っていますか?持っているなら見せていただきたいのですが」
「ああ、はい、、、これです。」
指輪から取り出すと同時に國宗がほほ笑む
「これ、、、もしかして國宗様?の物ですか?すぐお返しします。」
「ああ。いえいえ。儂が保管していたものではありますが、儂も預かっていただけ。間違いなくあなたの物ですので、これからも大事にしてやってください。」
「わっ、、かりました、、?ありがとうございます?」
どういうこっちゃ?よくわからんぞ?誰からの預かりモンなんだよ。
「ああ、もう一つお聞きしたいのですが、その刀の名前はわかりますか。」
「ああ。幽幻刀です。」
これは確信持って言える。初めて持ったあの日、
刀が教えてくれた って表現があっているのかわからないけど
頭の中にあった。
「やはりあなたがその刀の持ち主でしたか。」
誰かから預かっていたんじゃないの?
僕のじゃないよ?預けてないよ?
分からないけど、、なんか納得している人、、大多数だから一旦黙っておこ。
それはそれとしてこの爺さん
なんかずっとニコニコして楽しそう。
「儂は纏晨弥さんを九世に推薦します。」
うん、、、うん?なんだ急に?
なんと言うかいくつかの質問が飛んでるというか
なんだ?なんで急にそうなった?
そもそも今回の会議が始まる以前に
纏晨弥の九世加入は決まっていたと言っていい。
厄災を単独で討伐出来る実力がある時点で
現九世としてもなんら文句はなく
聖都からしても
神託が晨弥を指しているとしか考えられない今、
晨弥を九世に迎え入れる
これが最適だと思っているため
形式上の会議でしかなかった。
会議の意味を見出すのならばシュポーロが何を企んでいるのか
これを探ることくらいである。
「私からも発言よろしいでしょうか。」
ここでカディオスが口を開く
「ではカディオス様、お願いします。」
「はい。今回、新たな九世の候補として推薦していただきまことにありがとうございます。しかしながら私は魔眼を持った人を相手に戦って参りました。もちろんモンスターとの戦闘もございますが、本職は罪を犯した魔眼持ちの人を捕まえることなのです。私では厄災との戦闘ではお役に立つことは難しいと思いますので、九世として厄災と戦うのではなく九世の皆様が厄災との戦いに注力できるよう、これからも犯罪者の確保に注力していきたいと考えております。」
「つまり九世は辞退すると?」
「はい。」
「儂が引退する理由の一つは対人戦が主な分野であることもありますからなあ。」
「確かに、、ではカディオス様を除いた二名から九世を選定しますが皆様よろしいでしょうか。」
当たり前のように反対意見は出ない。
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同時刻
シュポーロ
「今頃は次の九世を決める会議が始まっているでしょうね。」
「ビーンが今回も行っているのだろう?」
「ええ。」
「なんかやらかしたって聞いたけど?」
「ええ。なので今回で身を引いていただこうかと。」
「「?」」
「ビーンさんには今回、纏晨弥をこちら側の任意のタイミングで呼び出すことのできるようにしてほしいと言っています。」
「できるの?」
「無理です。そもそも今回の九世は纏晨弥で決まっていますから。何をどうしようと彼の思い通りにはならないでしょう。」
「あーあ。」
「それに今回はビーヌさんに話を通していますからね。」
「なに、息子に父親潰すから協力しろっていったの?」
「似たようなものですが。」
「何を言ったんだか」
「明日にはわかると思いますよ。」
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聖都
カディオスが辞退してから
会議はスローペースで進んでいたが
ビーンの「九世はこの世界の血が流れている者がするべきだ」
という発言で一気にペースが上がっていた。
ビーンて人が何がしたいのかわからん。
ビーヌって人を九世にしたいのかな?なんかあんまりそんな感じしないんだけど。
言ってることだけを見たら九世にしたいんだろうけど。
なんか違うそんな感じがする。
「なるほど。ビーン殿はそうお考えか。」
確かズノの王様だったかな?
ズノとしてはあんまりビーンの発言には納得がいかない御様子
僕としては九世になろうがなるまいがどうせ討伐に呼ばれるんだし
だったら最初から九世になっていた方がいろいろお得だよね
としか思ってないからなあ。
「それで?なんでその子なの?」
「え?」
「確かに、その者でなくともこの世界の強者はいる。そもそもの話、そやつが九世になったとして戦えるのか?」
「、、、、」
ああ、だまっちゃった。九世にボコられてかわいそうになってきた。
「晨弥殿、主はどのようにお考えか?」
あ、ここで僕にふるのね?やめてほしいね。
この妖魔国の王様、面倒なところでパスしてくる。
しかも僕が困ってるの楽しんでるだろ。
まあ、同じ立場なら楽しむから文句言えないけど。
「別にこの世界の人が九世になってもいいとは思いますけど、その場合ビーヌさん?が九世になって何かあるの?とは申し訳ないですけど思いますよね。僕が知っている限りでもモリディさんとかソーアさんとかギルドにはそこらへんふらふらしている強者がいますし、会ったことはないですけど王級の人たちとかいるので、そこら辺の人たちを差し置いてビーヌさんを推薦した理由を提示しないあたり、僕への嫌がらせとしか思えないですよね。」
「だそうだぞ?ビーン殿」
「シュポーロの兵士たちはみな優秀なのですよ。そこにこのビーヌが九世として戦場に立つことで士気が上がり、勝利につながるのですよ。」
「僕がギルドの昇格試験でシュポーロにいた時に2度街中で襲撃されたのに一人も来なかった兵士たちが優秀なの?」
晨弥はほぼ反射的に返してしまった
「兵士が一人も来なかったというのは誤解ですし、そもそも本当に襲撃されたのですか?」
「ギルドには報告を入れましたよ。」
「確かに昇級試験受験者がシュポーロ滞在中に襲われたという報告をうけている。報告者が誰なのか襲撃が本当なのかも確認をとった。彼の言っていることは事実だ。」
「確か、、、、くーび?びーく?だかそんな名前の人が交渉を持ちかけてきて突っぱねたらけしかけてきましたね。」
「ビーク、、、?確かビーン殿の息子もビークでしたよね。」
「確かに私の息子もビークですが、、同じ名前の者か名をかたる不届きもののどちらかでしょう。」
「あー確かに。激高したりなんだりとこの場に出てくるような人の息子とは到底思えないほどひどかったですからね。」
晨弥はおそらく本当の息子なのだろうと考えてはいるが
こう言ったほうが効くと判断しかばうふりをする。
その後は若干ズレた話を元に戻し
会議は続く。
話題は昨日にも少し話題に出た
使用できる魔法へと変わっていた。
「厄災を討伐した魔法を公表できないというのは理解できますが、それ以外の魔法も公表していないのはいかがなものでしょうか。九世の皆様はすでにいくつかの魔法を発表していたり使う魔法が知られていたりしますが、この者はまだ九世でないのにもかかわらず不透明なのは危険なのではないでしょうか。」
「それっTE、九世になる前の俺にも言えることじゃNE?」
「そういえばそうだったな。」
グーエン・フーキ
晨弥が転移する2,3年前の二名の九世が戦死した戦いで
大きな戦果をあげて戦死した九世の代わりに九世入りした男
モラレドもその時のタイミングに九世入りしている。
「その時はそんなこといわなかったよNA?」
「しかしその時はあなたの戦闘を多くの人が目撃している。今回とは状況が違うではありませんか。」
「あA。確かNI」
「九世の皆様は多くの人々が見ている状況で魔法を行使し、魔法を公表している。ならば九世に推薦されるこの者も強者として魔法を公表するべきでありませんか。」
「それは違う。」
酒呑童子がはっきりと言う。
「え?」
「強者が自身の魔法でも剣技でも別の何かでもそれを公表しない。それは強者に許された特権だ。仮に晨弥が厄災を討伐した魔法を今この場で言ったとして、その魔法を理解できるものはこの場では現九世と旧九世しかいまい。」
「それでも研究者にとっては」
「それも意味はない。例えば 重力の檻 この魔法を理解できる研究者は多いが使える者は少ない。理解できるならその魔法の応用も考え付くと勘違いしている者もいるが、こと魔法において言えば使えない時点でその先はない。」
「そうねえ。使えるなら勝手に応用を作り出したりするからねえ。研究者であろうと冒険者であろうと国勤めの人であろうと。その時点で公表する意味あまりないのよねえ。弟子入りしてきたりとかがあれば継承なんかもあるかもしれないけどね。」
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その後
会議がひと段落したタイミングを見計らい
休憩時間となっていた。
晨弥はその時間で中庭を見ようと
バルコニーのような場所に向かっていた。
「にしてもあのビーンって人、何がしたいのかよお分からんな。ビーンとビーヌの思惑が一致してないような気さえする。マジでなにがしたいんだあの人。」
ビーンとビーヌの名前が似ているから安直に親子かとも思ったけど
別に顔似ていないし、あの感じだと他人なのかな。
「あーでも」
それが狙いの可能性もあるか
そうするメリットがわからないけど、、、
などと考えながら到着
「ついたついた。」
ドアを開けた先には非常に広大で綺麗な中庭を見渡せる
大きめのバルコニーがあった。
お?誰かいる。この格好は、、、騎士団じゃないよな。
顔を隠しているあたり神官とかそんな感じなのかな。
向こうも気が付いたのか
バルコニーから出ようとこちらに歩いてくる。
軽く会釈をしながら隣を通り抜けようと考える晨弥だったが
ん?
違和感のような感覚に襲われる。
「間違っていたら申し訳ないんですけど、、、どっかで会ったことありますよね?」
晨弥が言い終わると同時に
顔を隠した人が仕掛けてきた。
ビーヌとビークは腹違いの兄弟で
兄がビークです。
ビーヌは隠しています。




